「悩みのるつぼ」

朝日新聞 be 2024.1.27.

 

相談者:女性 30代

相談:「結婚相談者での心構えは」

 

回答者:政治学者 姜尚中さん

回答:「相手にハッキリと

自分の好みや価値を伝える」

 

相談内容:

結婚相談所への入会を

考えたが、気になる点が

ある。

学生時代も職場も周囲に

男性はいるが、恋愛に興味が

あまりなく、交際経験はない。

 

だらだら過ごしているうちに

30代になった。

一度しかない人生だし、

結婚も経験してみようかと

考え始めた。

 

身近な異性は多くが結婚し、

コロナ禍で旧友とのつながりも

途絶え、結婚するなら、

結婚相談所かなと考えた。

 

懸念は、お見合いやデートで

相手がどういう人か知ることが

できるかということ。

 

自分も含め取り繕うと思うが、

人の本性というのは、

困りごとがある時や

追い詰められた時に出るもの。

 

実際、学生時代や職場で

トラブルがあった際に、

印象が変わることはあった。

 

結婚相談所で良いと思った

相手と長く付き合うことが

できるのか、自分と合わない点に

気づかず結婚してしまうことが

あるのではないかと、不安。

 

離婚の選択肢もあるが、

長く付き合える相手を見つけたい。

心構えがあれば教えてほしい。

厳しめのご回答をいただけたら、

幸いです。

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回答:

「結婚も経験してみようか」

あなたの動機には

夢がないから、結婚でも、

という、かったるい気分が

漂っているようだ。

それは、多分にあなたの中の

無感動な習性と関連している

のでは?

 

あなたの中には、

どこか何事にも囚われない、

気ままな人間でありたいという

願望が巣くっているようだ。

 

往々にして

行動する人よりは

観察を好む人ほど、

そうした傾向が

強いかもしれない。

 

あなたの観察眼は、

学校や職場で同僚が

のぞかせた浅ましい

「本性」の洞察に

よく表れているようだ。

 

要するに、人間観察を通じて

人への信頼よりも人間不信の

方がより強く印象づけられて

いるようだ。

 

思い切りよく行動に移せない。

よく言えば慎重、

悪く言えば臆病。

 

悩みの源は「おひとりさま」で

いることに不安を感じ、

誰かと「結婚でもして」一緒に

いたいけれど、人間不信から、

自分で好きだと思う人と

結婚に踏み切れるだけの決断も

できないところにありそうだ。

 

結婚相談所への入会は、

そのディレンマを解消する

妥協案のようだが、そこでも

あなたがどうするか、ではなく、

相手がどうしてくれるのか、が

あなたの最大の関心事。

 

いわゆる「見合い結婚」と

「恋愛結婚」を比較し、

どちらが離婚率が高いのか、

よくわからない。

 

しかし、どちらであれ、

夫婦生活はやってみなければ、

わからないもの。

 

英語の諺にあるように

「プディングの味は

食べてみなければわからない」

のです。

 

結婚相談所を通じて見合いを

する場合でも相手にハッキリと

自分はこうしたいと、

自分の好みや価値を伝えること。

 

恋愛でも見合いでも、

虚飾のない人間など稀なはず。

 

人は環境によって変わる以上、

相手が自分にとって

好ましい人かどうかは、

定まっているわけではない。

 

だとすれば自分がどうしたいか、

ハッキリさせておくこと。

 

結婚には観察から行動への

「飛躍」が避けられないはず。

 

どうか、こうと思ったら、

「跳んで」みてください。

グッド・ラック。

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相談者さんは、これまで

恋愛にもあまり興味がなく、

「この人、スキ!!」と

思える人に出会えなかった

ということでしょう。

 

「一度しかない人生。

結婚でも経験してみようか」と

考えるのは、悪いことじゃない。

 

「どうしても結婚したい。

何が何でも、子どもがほしい」と

切実な思いで、結婚相談所に

申し込むのでないから、

選り好みしているうちに

あっという間に年を

重ねるかもしれません。

 

結婚相談所もいろいろ。

選ぶだけで、気持ちが萎えて

しまうかもしれませんが、

情報収集は第一歩。

 

マリッジアドバイザーも、

相性のいい人もいるし、

そうでない人もいます。

 

「趣味は、英会話なんて

書いちゃダメ!!」と

言われた女性、

「魚釣り」ではなく、

「フィッシング」にするよう

言われた男性もいます。

 

不特定多数の相手に

合わせようとすると、

しんどくなりますね。

 

オススメの本があります。

 

”生活フレンド”的パートナー、見つけましょ!: 仕事も、恋愛も、結婚も!心地良く生きられるパートナーと、人生楽しく、欲張りに! | 四方 結花 | 女性と仕事 | Kindleストア | Amazon

 

事前に何でも話し合えたら、

安心? かえって不安?

 

「自分と合わない点に気づかず

結婚してしまうことが

あるのではないか」と

不安がっておられますが、

100%相手を知ることなど

不可能。

神ではありませんから。

 

結婚する前にOKでも、

結婚後はNGになることも

多々ありますよ。

 

「これだけは譲れない」を

明確にしておく。

これは大切。

 

ただ「親と同居はしない」

「家業は継がない」など

変更になることも想定内。

 

危機管理に役立つのが、

相談者さんの観察力!!

 

いままで避けていた

人付き合いですが、

結婚を通じて、

避けられない問題を

解決する力もつくと

思います。

 

結婚は出会う相手次第。

ではありますが、自分が

成長する機会でもあります。

 

「幸せにしてもらう」より

「一緒に幸せになりたい」と

思える人に出会えれば

いいですね。

 

明るい未来へ向けて

最初の一歩を

踏み出しましょう。

 

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