「チコちゃんに叱られる!」(10月8日放送)で

カナカナ誕生の説明がありました。

 

「なんで外国語をカタカナで書くの?」

チコちゃんの答えは、

「そもそもカタカナは外国語を読むために作られた文字だから」

 

解説は京都大学大学院の大槻信教授。

 

カタカナは外国語(特に中国語)を

読むためにお坊さんの手によって

作られたもの。

中国で誕生した漢字が日本に伝来したのが

4~5世紀頃。

当初、経典の行間に漢字で読み方を

書いていたけれど、漢字だらけで

読みにくいのでカタカナが誕生。

 

 

その話を聞きながら、

30年ほど前の事を思い出しました。

「外国人の名前をカタカナで書くことは差別だ!」と

言われたのです。

 

国際交流グループの一員として

留学生や先生方の生活支援ボランティアを

していたころの話。

 

小学校1年生のお子さんがいる

アメリカ人のご家庭で

学校が配布するプリント類の

説明を毎週していました。

 

ある日、お母さんが怒っていました。

 

子どもがクラスメートから、

「名前はカタカナで書くんだよ」と

言われたとのこと。

 

「どうして? ひらがなで名前を

書いてはいけないの? 何が問題?

外国人の名前をカタカナで

書いて目立たせたいわけ?

区別? 差別よ!」

 

 

「えっ、どうしてそこに引っ掛かるの?」

「なんでそんなに怒るの?」と、たじたじ。

 

ひらがなやカタカナの成り立ちを

説明したり、

「外国語をカタカナで書くのは

舶来品へのあこがれもあって」と言ってみたり。

英語で説明するのも難しくて、冷や汗。

 

日本に来る前に読んだ『菊と刀』の

内容を持ち出し、「差別だ」と言いきった。

 

チコちゃんの言うように、

「そもそもカタカナは外国語を読むために

作られた文字だったから」と言ったとしても、

納得してもらえないだろう。

 

「植物や動物の名前をカタカナで書くよね。

外国人の名前も、それと同じだ!」

 

あのとき、何と反論すれば、

よかったのかな。

 

あまりに「ふつう」で、考えもしなかったことが、

人を不快にするのだと知った出来事でした。