一人の少女の下半身がひどくめった切りにされた姿を目撃した。
あちこちに飛び散っている大量の血を吐き出している小さな股の間を見つめた。
この血を見るより恐ろしいことは、こんなことが今回が初めてではないということだった。
僕の手を引っ張るチョン・ユンホの手は小さくてしっかりしていた。
「あんなの見る必要ない。」
チョン・ユンホは幼い顔で僕に話した。
僕はユノの言葉に何度も目を瞬かせながら、倉庫に頭をもたれて安らかに死んだ少女を見た。
楽になったのだろうか?死ぬ瞬間だけはああやって寄りかかることができて楽になったのだろうか?
あれが誰の仕業なのか知っていた。
ユノは僕の腕を引いて僕の頬を包み込んで忘れろとお前は何も見てないと話した。
滑稽にも、見た瞬間ひきつけを起こすように震えたのは自分でありながら。
ユノはこんな事をした誰かに復讐を誓うような怖い表情で僕を引っ張った。
その時のユノは子供のくせに目に殺気があった。
「院長の仕業だというのは明らかだ。院長が…」
子供たち全員が寝ている部屋のドアを注意深く開けた。
すやすや寝ている子供たちの息づかいは平和だった。あまりにも平和で誰も近づけないほど。
僕たちはその隙に慎重に入って眠りについた。
僕が眠れず寝返りを打っていることをなぜ分かったのか、ユノが僕の肩を抱きしめた。
「あの子、やられたのかな。」
ゆっくり聞いてみると、チョン・ユンホはその小さな手で僕の目を覆ってくれた。
寝ろという暗黙の行動だった。チョン・ユンホは僕が知らないと思っているが、当然僕も知っていた。
女の子たちがその小さくて細い足首を院長の分厚い手に捕まったらどんな目にあうか…
どんなふうに泣き叫ぶのか……
女の子たちの声は耳を裂くような高音で、絶えず高く響いていた。
それをドアの隙間から覗きながら、彼女らを守ることのできない自分の弱さに瞬きをした。
孤児院の庭で飼っている犬たちが発情した時にすることをあの子たちは強制されていた。
今日死んだ子は五人目の女の子だった。
僕は瞬きしながらユノの細い腰に僕の短くふっくらとした腕を回した。
「ヒョン、怖い。」
聞こえないほど小さかった。
ユノは大丈夫だよというように、僕の後ろの髪の毛に手を入れて軽く叩いた。
叩く手も遅ゆっくりになり、ユノの不安定な息遣いも落ち着く頃、僕たちが固く閉ざしていたドアが開かれた。
あの大きな足が誰のものか知っている。
彼が静かな足音で子供たちを見て周り、一人の子どもの枕元に立って注意深く子供をながめるとき、彼の視線を受けた子供はいつも死んでいった。
世の中に若干の関心でもあれば死ななかったはずの子どもが暮らす田舎の孤児院はこんなにも不運であった。
瞬きしながら今日はまたどんな女の子なんだろうか…どんな女の子が避けそうになるくらい声を上げるのだろうか…気になっていた。
「うぅむ」
品定めてもするような執拗な視線と足音とともに低いため息が聞こえてきた。
少女たちの周囲をしばらくうろついていた彼は静かに僕の目の前に立った。
僕の頭を抑えていたユノの手が強く僕を締め付けてきた。ユノも起きてるのかな?
目を開けてヒョン起きたの?と聞きたいが、ユノの断固とした手が目を開けるなと言っていた。
ユノの意志通り、息を殺して寝たふりした。
僕の枕元に立った彼が僕の頬を撫でた。ユノのあっさりした手とは違うしつこいその手に鳥肌が立った。
「この子が…良さそうだ。」
ヒョン、怖い。ユノの腰をぎゅっと抱きしめた。
ユノは低く息を吐くことで大丈夫という言葉の代わりをした。
ユノは幼かったが、強くて弱かったが、まっすぐだった。
鈍い足音がなくなってドアが閉まった時、ユノがすぐに目を開けて僕を見つめた。
「ここから逃げよう。」
「……」
「俺たち逃げないと。」
強い手だった。彼の手は小さいが、堅かった。
その堅固な手が鋭くて錆びた棘の鉄条網をくぐり抜けて僕が通るのを楽にしてくれて、僕を慰め、僕の疲れを楽にしてくれた。
ユノがずっと見てきた脱出口に沿ってためらうことなく傷だらけの足を踏み出した。
ヒョン、疲れた。こんな一言も言えないくらい僕達は歩き続けていた。
僕を支配している考えはただ一つだった。あの狭い孤児院で下半身をほじくられて死ぬわけにはいかない。
小さな子どもだが、とても強かった。
疲れてたでしょ?血が固まってついたユノの小さな手は僕の頭を撫で、僕は少し笑った。
僕たちは自分の体の二倍の金属のゴミ箱のそばで身を隠してやっと眠りについた。
ユノが言った言葉を忘れられない。いや、忘れない。
「僕たちは別れない。僕たちは永遠に一緒だよ。
僕たちは一人だと…意味がない。ジェジュア。」
陵辱の放流
written byオマージュ