今日は彼も考えなしだった。
子供が食卓に座った時には、すでに寝床につく時間過ぎていたのだ。
2人が時間が経つのも忘れてスリップを愛した結果だ。
しかし、もう次は着ることができない。スリップは彼の手によって破られてしまったからだ。
夕食はやむを得ず夜食を注文をした。
彼の好きな魚介類がたくさん入ったへムルチム(海鮮煮込み)は見ているだけでも美味しそうだった。
箸を持ってかき混ぜながら、彼の皿に料理を盛ってあげると、きれいな笑顔で応えた。
彼も僕の皿を持ち上げて食べ物を盛ってくれた。
しかし、僕はなかなか飲み込めなかった。下にあふれでていった血の塊が喉をグッと塞いだ感じだった。
考えるのはやめよう、僕は何度も繰り返し食べ物を詰め込んだ。
そうやって熱いしこりを押しのけた。
子どもが偏食するのは当然だった。子どもだから。大人の僕でさえも好き嫌いが多いのに、子どもともなればどうなるだろうか。
「アヒョナ、これを食べないと。好き嫌いしたらダメだ。」
彼は子どもに言い聞かせた。子どもの皿の横に置かれた玉ねぎが主な原因だたった。
自分がいくらませていたとしてもお父さんの前では余地がない何も知らない5歳だ。
口が突き出た狐のように自分の父親を睨みつけた。
気に入らないという自分の意志を顔に表し自分のお父さんがもう少し優しい言葉で話すことを願っている。
ユノは箸を動かすのを止め、子どもをじっと見つめた。
「こういうのをたくさん食べるから綺麗になるんだよ。ん?あーんして…」
「ううん!やだ」
「アヒョナ、ご飯の前で駄々をこねてはいけないと言っただろう」
彼の強張った表情にも子どもの甘えは止まらない。
父親から甘やかされて育ったことがはっきりとわかった。
子供がこんなに行儀が悪いのは全部お前のせいじゃないか。
“チッチッ”と舌打ちをしながら見守っていると笑いがこみ上げてきた。
駄々をこねる姿が僕と似ていたからだ。
確かに5歳の子供のように駄々をこねる僕の姿が重なる。
よくほぐれた魚の身の上にたまねぎをのせて子供の口に入れる彼の姿は多少強情だった。
僕の反応に意地になったのだろう。見てろ、食べさてやるから。
子供のような彼の気性が発動して僕を楽しませてくれる。
白くて美味しい魚と甘く味付けされたたまねぎがぎゅっと閉ざされていた子どもの口の前にたどり着いた。
しかし、子どもは口を開かない。顔を思いっきりしかめたままかぶりを振った。
すぐにその小さな口から、パパが憎いと泣き出しそうだった。
彼の無理強いが頂点に達した。
子どもの食べたくないという意思もまた折れなかった。
結局、わらびのような手で自分の口の前に差し出された彼のフォークを叩きつけた。
その願いに、魚やたまねぎがソースがつけて彼の服に飛び散った。
僕はああ、と反射的に言った。素早い動作でユノにナプキンを渡した。
彼は怒った顔で自分のシャツについた赤いソースを拭き取った。そして、子どもを見つめた。
口をぎゅっと結び、意地悪く涙ぐんだ目を見つめながら、ユノは何も言わなかった。
「食べるつもりがないなら下がって」
見兼ねた僕が僕が乗り出した。すると、彼と子どもの目が同時に僕の方に向く。
表情が見るからに可笑しい。
叱らないと馬鹿なことをやめない生意気な子どもを叱っただけのに彼の目は僕を阻んでいる。
子供も同じだった。
お前が何で僕に意見しようとするだ。
またもそのうんざりする目つきで一貫する。あの子は本当に5歳なのだろうか?
「お父さんの服に飛んだじゃないか。どうしてこんなに行儀が悪いだ?」
彼の怒りまで燃え移ったように声を荒げると、子どもの顔がたちまち泣きべそをかく。
下唇を尖らせ、あごの下に醜いシワをつくりながら、涙が溢れんばかりの目で僕を見つめ、
すぐに自分の父親の襟を掴んでむずがる。
憎たらしくたまらない。しかし、彼は子どもが憎くないようだ。
意志の弱いチョン・ユンホはナプキンを置いて、子どもの顔を抱きしめた。
お父さんは大丈夫、こっちおいで。僕は本当にあのお父さんと言う声が嫌いだ!
「お前がそうやって甘やかすから、この子は癖は直らないんだ!」
「大丈夫だってば。食べたくないものを食べさせようとした俺のせいだ、もういいだろ」
とうとう子どもを自分の膝の上に座らせた。
すぐにでも食卓をひっくり返し、叫びたいのを精一杯我慢しながら、僕は何の罪も箸で器の上を音を立てて叩いた。
何でこんなに掴めないんだ。箸を使うのが難しくて、つまらない八つ当たりをすると彼が低く笑う。
全て知っていながら僕をからかうお前のその笑いも嫌いだ。
どうしても体にいいものを食べさせたい親心で彼は魚とたまねぎをのせてもう一度子どもに食べさせようとした。
さっきより小さくなったたまねぎを子どもがじっと見つめた後自分の父親の顔を見上げる。
そして、もう一度たまねぎを見る。
食べないといけないの?ピクピクと小さな口が悩んでいる。
そうこうするうちに、子どもは自分の父親の懐に入って胸の上に顔を擦った。
僕は我慢できなくなって箸を捨てた。
「僕にちょうだい。僕が食べる。」
彼の決まり悪い手を引き寄せた。
箸の上の魚が僕の方に来るのに合わせて僕は口を開いた。
彼がくれる魚だからもっと柔らかくて美味しかった。
少し甘くて歯応えのあるたまねぎも程よく煮えていてこの上なく美味しかった。
僕が忌まわしい記憶を飲み込もうとして無理やり飲み込んださっきの食べ物と同じなのか疑わしくなった。
「美味しい。オッパ。食べさせてあげようか?」
彼の答え聞かずに、一番美味しい魚を選び彼の口に運んだ。
僕があげたのだから噛む前に溶けるだろう。
返事を望む僕の目に彼が口の端を上げて笑いながら早く食べろと言う。
僕へのこの上ない愛情が如実に感じられる。
僕が隣にいたらお尻を叩いてくれただろう。
僕は頬杖をつきながら残念な気持ちで彼の膝に座った子どもを見つめた。
意外にも子どもは僕を見つめていた。
丸い両眼は瞬きを忘れたようだ。毒々しいその顔は僕への挑発に違いなかった。
僕が勘違いしているわけではないことを証明するかのように子どもはすぐに自分の父親の襟を掴んでぐずり始めた。
食べさせてもらう彼と僕の行動にまるで嫉妬でもするように。
「パパ…わたし、わたし…」
「うん、どうした。何か食べたいものがある?」
子どもはすぐに頷いて、じっと魚を見つめた。
ユノは箸を持って魚を切り、子どもに渡した。
しかし、子どもは首を横に振る。望むものがあったのだ。
「たまねぎ…」
「さっきは食べなかっただろ。食べたいの?」
「うん!」
「この気まぐれめ…」
ユノがたまねぎを取って半分食べた。
小さく切れたたまねぎは魚の上にのせられ、それはすぐに子どもの口の中に消えた。
モグモグと口の動くユノが好きだった。
子どもは辛いソースをすぐに水を探した。
というよりか、たまねぎが食べたくなくて無理やり飲み込もうとする行動にしか見えなかった。
図々しい女、自分の父親の膝の上でウジムシでも食べてるようだ。
「オッパ」
「ん、どうした」
「僕もそこに座る」
唇を突き出して彼の膝を指すとユノが驚いて何も言わなかった。
子どもがにっこり笑う。その後3回ほどたまねぎを食べた。
人が多い夕食の時間、レストランでも躊躇わずに愛を交わした僕たちを見ても何も言わないと思い
消極的な子どもと判断した僕を呪う。
狐は他にいた。
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ヘムルチム
遅くなってごめんなさいm(_ _)m
一応ほぼ毎日翻訳はしていたのですが、今回のお話は長くてかなり時間がかかってしまいました。
次のお話も早く投稿できるように頑張ります💪
ちなみに、韓国では「여우(狐)」は小悪魔、男の人を手玉に取る、ずる賢い、というような意味があります。(逆におっとりしたような女性は「熊」)
日本で言う猫とか?日本でも狐で通じるかな??
その狐という言葉が褒め言葉として使われているのかは不明ですが、ペンピクレビューとかを見ていると、この作品のジェジュンは狐です!というような紹介がされていたりします。