玄関から自転車で学校に向かうチャンミンを見送る。
こっちを何回も振り返って…フラフラしてる、心配で目が離せない。
僕が手を振ると、嬉しそうにはにかんで…かわいいな、本当に…今朝のことを思い出した。
初めてチャンミンからくちづけてくれた。ほんの一瞬だったけど、照れ屋な君がドキドキしながら僕に触れてくれて…
くちづけた後の恥ずかしそうな、泣きそうな表情…我慢できなくて、僕からもキスした。
そのあと…
「ふふっ…」
思い出して笑ってしまう。
パンツをはいた安心感で、キッチンに立ってたけど…キッチンにパンツ一丁って…僕、よく我慢したな(笑)。
さぁ、僕も準備しないと…今日はドンへの所に顔を出そう。
あいつ、きっと心配してる。
ビービー♪
「…はい」
「ドンへ…久しぶり」
「…ユノ?」
ガチャ…ドアが開く。
「よっ!」
挨拶もほどほどに中へ…
しばらくお世話になったドンへの部屋。
自分の部屋のように入っていく。
「おま…よっ!じゃねーよ…どれだけ心配したと思ってんだ、連絡もなしにさ…」
後ろから怒りと安堵の混じったドンへの声。
「ごめんな…」
本当に悪いと思ってる…だから、ここに来たんだ。
「死んでるかもって、本気で思ってた…お姉さんも知らないって言うし…食事はどうしてたんだよ…」
僕が床に座ったら、飲み物を取りに冷蔵庫を開けて、ペットボトルを出してくれた。
「実は、あの後 空腹で倒れたんだ…それを助けてくれた人と一緒にいる。」
ドンへが出してくれたミネラルウォーターを見つめる。
…水分は飲めるけど、いろいろ混じってるのは苦手で…しばらく行方が分からなくなってたのに、準備していてくれたことに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「おまえ、なにやってんだよ!」
本気で心配してたんだろうな…その怒りに満ちた言葉でわかる。
「優しい人に助けてもらえて、よかった…」
ドンへの気持ちに、こんなことしか返せない。
「食事もその人から?」
隣にドンへが座る。
「あぁ…」
僕の返事を聞くとドンへが立ち上がる。
何をするのかと思って見てたら、荷物をとってきた。
「お前の荷物…少し残ってたから…相手はどんな人なの?」
まだ、僕のこと…好きなのか?
優しい物言いの中に嫉妬を感じる。
「男…僕より二つ年下」
荷物を確認したら、どうでもいいものばかりで、ドンへの思いが伝わる。
「…相手は高校生?親はどうなってるの?」
「一人暮らしなんだ…大学進学のために親元を離れて暮らしてる…」
やっぱり根掘り葉掘り訊かれるな。
覚悟してたけど、ドンへはまだ僕のこと…人の気持ちは、離れてたくらいじゃ変わらない。
「…好きなのか?」
ドンへがコップを握りしめる。
「…うん」
なんと答えるのが正解なのか…わからない。
「そうか…」
ドンへはそう言ったきり黙り込んだ。
これだけ一緒にいると、話さなくても居心地悪いことはないんだけど…
落ち込んだ様子のドンへに、他の言い方があったんじゃないかと後悔する。
「食事、して行くか?」
急にドンへが話し出す。
「なんだよ、急に…もう、いろいろしてやれねーよ」
…チャンミンが悲しむから。
「そんなのが言いたいわけじゃなくて…相手は学生だろ?」
それが?
…ドンへに向き直す。
「あれさ…結構、身体に負担くるんだ…毎日とかだと慣れないうちは倒れるかも…」
ドンへが心配そうに話す。
「そんなにきついのか?」
今まで誰もはっきり言ってくれなかったから、知らなかったけど…
姉さんが身体を壊したのも、僕のせいだと思ってたのは当たってたんだ。
「たまには休憩させた方がいいと思う…俺も協力するし…」
その表情はチャンミンのことを本当に心配してて…
「それが、いいのかもな…」
ドンへの提案を飲むことにした。
つづく
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