ご無沙汰してます。本当に、更新が遅いです。冬の寒さにやられています。半世紀以上の冬を経験しているはずのとむーん、ガッツが足りないのか、歳のせいかまったくもって活発さがありません。それは同い年の配偶者や老猫も同様なんだけど、二十代の子供たちははつらつと生きているようです、ここではないどこかで。

 

 そんなわけで、ノスタルジー爺っぽい過去話ですが、ちょっとつきあってくれよ皆の衆ったら皆の衆~♪

 

 二十世紀の終わり頃、わが家の人口が一人増えた。娘が生まれたのだ。初めての子育ては試行錯誤の連続だったが、丈夫で健康に生まれてくれたので、アバウトで適当なわが家でも幼少期育児の苦労は少なかった。問題といえば下の子がなかなか生まれず(流産一回、死産一回)、歳の差が開いてしまったのはちと大変でしたが…

 

 娘は、とにかく知識の吸収が早かったです、離乳食食べるのや歩き始めとか、読み書きを覚えるのとか…それが発達障害系の一つの顕著なあらわれだと知るのは、もっと後でした。弟(とむーんにとっての息子)の世話をする!と、鼻息あらく宣言し、家庭の医学とか人体のしくみとか「動物のお医者さん」とか読んでました。その頃「鋼の錬金術師」にもハマり全巻収集を決意したので、子供たちも先を争って読んでましたなぁ。作中で主人公兄弟の幼馴染のウィンリィが、両親の遺した医学書を読みふけり医学を習得したと描いてあり「そんなことあるのかなぁ?」と思いましたが、まぁあるもんですよ実際。

 

 小学校中学年で不登校(登校拒否、と当時は言われた)になり、一緒に居る時間が増えた時は、そりゃあ悩みましたよ。休みが連続するほど、学校や学級に戻りにくくなる、だから多少無理をしても登校させよう…こういった頑張りは、無駄なばかりか本人を苦しめるだけでした。連絡帳の行き来や宿題・課題・テストなどの自宅学習や採点などは、絶やさないようにしました。担任の先生には自宅に来ていただいたりして、ご足労かけました…伴侶のうつ病による休職と、姉弟同時の不登校が重なった時は、どんな生活していたか全然思い出せない。若かったから乗り越えられたのかなぁ、少なくとも今よりは若かった…

 

 幼い頃の娘は、病院の消毒薬の匂いが好きで、一日中病院に居られる仕事がしたい!と言っておりました(すでに何か変)。医師、看護師、清掃業者から売店の売り子さんまで、病院で働く職業は多いですが、年齢を重ねるごとに進路を薬学部に決めました。高校の頃かなぁ、とにかく集団生活というか人付き合いというか対人コミュニケーションに弱く苦手としてましたから、私立女子高から通信制高校に転校して、単位をとりまくり詰め込みまくり…


 サポート校が県外だったので、朝五時起きで始発に乗って登校して授業や試験を受けた結果、別方向の電車に乗り別県外に運ばれたこともありました。携帯電話も充電切れして「よく分からないけど、居眠りしてたら知らないところに着いた」と震える声で言うので、もう一回元に戻ってから、別の電車に乗りなさいと…こういう魔のループにハマる人は、少なくないけどもこの路線。

 

 一浪して県外の大学に進学、多浪人多留年多退学の巣窟と言われる薬学部(これは大げさではなくマジ)に六年間通い、薬剤師国家試験に合格し、現在は調剤薬局に勤務。自動車教習所や生活費全部・趣味の周辺機器を自分で賄う経済力をつけてくれたのは、本人の努力のたまものですよ本当に。しかしまぁ「動物のお医者さん」のセリフやエピソードを暗唱できるほど読み込んでましたからなうちのお嬢幼稚園生の時分から…

 まぁとむーん全然理系違うけど六年制医療系学部の仕組みが理解できたのは、そりゃあハムテルたちの進学状況を熟読したおかげ様様だと佐々木倫子さんに「獣医さんを主人公にした、動物がたくさん登場する話を描きなさい」と勧めた、白泉社の編集部の方にはお礼参りせなあかんかもしれんですね実際…… 薬学部の解剖実習は動物しか扱わないんですが「看護学部の友達に、人間の肝臓見せてもらっちゃった☆」とかいう猟奇的…いえ、好奇心旺盛な女の子に育ちましたのも、ひとえに花とゆめコミックス「動物のお医者さん」全12巻その他の結果かなぁ、と。

 

 薬学・医学等に詳しい長女様ですが、コミュ障以外にも弱点はあります。まず歴史…覚えれば解けるけど意欲が湧かないそうです、考古学や古代史周辺は偏愛してるけど(そこはとむーんの領分だから)。意外と国語周りは強いなぁ、不登校時代に漢検とか受けたからかな?雑食性の読書家で、危険生物とかの知識はむやみに豊富、まぁ仕事につながるから良いのだけど。

 

 こうしてわが家から、ひとりの理系女子が輩出されたのですチョビのお陰で!理系男子な息子、嗚呼こやつの不登校時代もー!は、また別の話で。