どうも、とむーんです。アルコール依存症の一環で、肥満状態です。食が進まないとき、お酒を飲むと食べられたんですよ…結果、激太りするし、喉は枯れるし、胃腸は弱るし、たぶん肝機能がよろしくないと思うので、減酒しようと思ってます。アルコール入らない方が、健康なのは分かるんですが…ううむ。

 

 今回は、「ハッピーシュガーライフ」という漫画作品の、読後感想を掲載します。作者は鍵空とみやきさん、月刊ガンガンJOKERに連載され、アニメ化もされました。

 可愛らしい絵柄に騙されてはいけない、百合描写とサスペンスホラーの入り乱れた、全員ヤバいの物語です…

 

 あらすじを書こうと試みたのですが、なんか上手く運ばないので、人物紹介にネタバレを全開にして書いていきます。アニメは見てませんが、結末は同じだそうです。本当に鬱っていうか、ヤバいっていうか、凄い展開だけどなんか刻みこまれちゃう話なのですよこれが。

 

松坂さとう 16歳 本作の主人公。容姿に優れ、人当たりも良いので接客業のバイトをしている女子高生。幼い頃両親を亡くしたためか、愛を知らず言い寄る男たちを拒まず関係を持ちながら愛を模索していたが、しおと出会い「真実の愛のためなら、なにをしてもかまわない」信念を持ち、貫き通す決意をきめる。

 愛や嫉妬などを徐々に得ていくが、他者への共感が薄いかなり異常な性格。前半はしおを誘拐・監禁して二人だけの夢の城を築こうとするが、しょうこ殺害以降はしおの強さにすがり、彼女の意見に従っていく様子が見れる。

 担当声優は、花澤香菜さん。吾輩の独断だが、花澤さんが演じた中で、今のところ最も闇の深いキャラクターだと思う。自己中心的だし偏った考えをする犯罪者なさとうだが、花澤さんが演じることで少しでも爽やかな印象になったのではないだろうか…

 

神戸しお 8歳 さとうと同居する少女。記憶を失っているうえに、虐待によって異常な環境下で育ったのでいろいろ知識不足。しかし、母と兄に大切にされた無垢な時間が五年間あったことから、天使と呼ばれるほどの純粋さがある。記憶を取り戻していき、二件目の殺人で心を病むさとうをいったん突き放したのち、対等なパートナーとして生きる道を選ぶ。あさひによって母の真意を知った後、二人への感謝は失わないものの、信じた愛を実行する強さをみせる。

 担当声優は、久野美咲さん。幼い少女を演じることが多い。さとうを信じ、彼女の罪ごと愛し支えようとする終盤の気骨が熱い。

 

神戸あさひ しおの兄。身長はさとうと同じくらい。設定では16歳だが、虐待の経緯から痩せて小柄、小汚いと不良に目をつけられているが、しおを探す張り紙を町中に貼りまくっている。母ゆうなが16歳で襲われ身籠った子だが、母からの期待や依存により母妹の騎士としての性質を持つ。五年間の悪魔(実父)の虐待は、両手の爪をすべて剝がされるほど。母が父を殺し、地獄から解放したとしおに告げるが… しょうことの暖かい交流を過ごすが、遺体を発見しさとうへの憎悪が増してしまう。

 担当声優は、花守ゆみりさん。「真っ直ぐな歪み」と表現された、母譲りの優しさと父譲りの凶暴さ、きっと凄い有様だっただろう。

 

三星太陽 バイト先でさとうと知り合う男子高校生。美女(でも歪んでる)店長に性的加虐を受け「年上の女性恐怖症」になるが、反動で天使のようなしおに異常な執着を抱いてしまう。さとうに利用され、挙句にさとうの叔母の餌食となってしまうが、幼女愛が気持ち悪過ぎてあまり同情できない。ちなみに金髪は地毛。

 担当声優は、花江夏樹さん。とてつもなく変態化していく有様は、アニメ公式ページで今も聞けます。芸達者です(炭治郎のイメージを汚したくない人は聞かない方がいい)。

 

飛騨しょうこ さとうのバイト仲間。厳格な家庭に育ち、反発心からさとうとの「ボーイハント」を繰り返したが、本心は「白馬の王子様」を待つ純情な少女。太陽からさとうの犯罪行為を聞かされ、親友として真正面からさとうと向き合うが、さとうの叔母との対面に衝撃を受ける(そりゃそうだ)。路上生活を続けるあさひを気遣い、互いに気持ちを打ち明け合い、最期に重要な情報を送る。

 担当声優は、洲崎綾さん。「しょうこには幸せになって欲しかった」と、読んだ人の大半に思われただろう人。

 

北埋川大地 さとうの高校の学年主任。爽やかな独身教師を演じているが、実は妻子持ちで、浮気などスリルのある不倫行為が止められないクズ野郎。両親のいないさとうを気遣うふりで、ストーカー行動をした挙句返り討ちに遭い、さとうの犯罪の片棒を担がされ破滅した模様。

 担当声優は、石川界人さん。当初梅原裕一郎さんが配役されていたが、病気療養したため、石川さんが担当した。マゾヴォイスはアニメ公式ページで聞けます。ここまでヒドイ役柄だと、かえってすがすがしく思える(当然の報いを受けるから)。

 

さとうの叔母 両親を亡くしたさとうを引き取り、育てた人。性的および肉体的暴力を受けることが愛だと信じ、不特定多数との関係で生活しているらしい。さとうに嫌悪されていたが、二人目の殺人で逼迫したさとうに頼られ「責任」を問われ、レンタカーを借りたり必要な物資調達に加担する。この叔母あってこその、あの姪だとよーく分かる。

 担当声優は、井上喜久子さん。「今まで演じたことのないようなとても衝撃的な役」とコメントされてますが、うーん、それは嘘です(笑)。演じる役について徹底する役者根性の持ち主なので、それはそれは恐ろしいことになったでしょう。北埋川の密告で家宅捜査に来た警官をも押し倒し煽りまくる有様を見て、しょうこちゃんは「ちょっとついていけない」と落ち込む。世の中、正しい倫理観の持ち主が生き残るわけではないのが、困ったところである。

 


(コピックマーカー使用のリハビリ中につき、ヘボい絵でごめん、さとうとしお)

 そんなこんなで、闇深いというかサイコホラーというか鬱作品というか暴力とグロシーン満載なのであまりおすすめできませんが、いっそピカレスクロマンにどっぷりハマりたい、異常者ばかりでみんな不幸になっていく…しかし純愛という危険な創作物に溺れたいときには、むしろすがすがしいかもしれません。絵柄の可愛らしさ、レースやフリルに飾られた狂気の作品です。ちなみにうちの娘は、第一巻の松坂さとうの「目が怖い」と危険を察知し、避けていたようです。まっとうな危機意識を持つ人に育って、なによりです(でもこの人「水星の魔女」とか【推しの子】にハマったらしい。ヤバい?)