「なぁ、鏑丸。俺はこう見えて忙しいんだ。このブログの主が、リサイクルショップで入手した品物のことなど、心底どうでもいい。お前なら、分かってくれるだろう?」

「分カルヨ、小芭内。長イ、ツキアイダカラ」

「前もって説明すると、鏑丸は蛇だから人間のような発声器官は無い。俺たちの会話は、感情を持つ生き物同士の意思の疎通だ。たぶん、を推測しているだけ。それでも長年の友人なので、的外れではないと思う。甘露寺のグッズの感想を、文にして甘露寺に送る約束をしてしまった。正直なところ『全部可愛い!』が本音だが、具体的にとらえたいので、相談しながら書いていく。写真はブロ主とむーんが撮った。相変わらず、腕が悪い」



「全部、可愛イ」
「ま、お前は胡蝶や継子にもそう言うだろうさ。左上から時計回りに。ウェットカラーシリーズアクリルキーホルダーだ。原作の色調に近いな」
「ミツリ、笑ッテル♥️」
「他のグッズはデフォルメで全身入る構図が多いから…屑どもが甘露寺の胸や尻や脚をじろじろする不愉快さは皆無の、爽やかな気持ちになる」
「小芭内ハ、ジロジロ見ナイ?」
「次に行こう(汗)。刀の鍔を背景に刀と映り込んでいる。ブロ主が栗花落の物を買った気持ちは理解出来る、細かい造形だ」
「ミツリノ刀、凄ク蛇ミタイ」
「実は俺の日輪刀以上に、蛇状だし、この鞘の中に三折りにして収納しているのも実際見ないと信じられないな。アニメ派の連中の驚く様が楽しみだ。」

「右下は、つかまり隊の甘露寺だ。落ちないように、生真面目な顔をしているのが、なんとも~ 痛い、噛むな!俺は正気だ、多分!!」
「ドーダカ。スカートノ中ヲ、覗イチャ駄目ダヨ!」
「鏑丸…お前、俺を変態扱いしてくれるな。甘露寺の嫌がることを避けて避けまくっている、この真心を常に行動を共にしているお前に疑われるとは…!」
「ゴメンヨ、小芭内ハ、スゴくスゴーク、我慢シテイル」

「なんか、それも誤解を招きそうな… 最後は、澄ました顔の甘露寺のラバーストラップ。甘露寺の三つ編みは左右と後ろの計三本だが、全部見える横向き姿は、珍しいな」
「ソレデモ、小芭内ガ送ッタ長靴下ノ『絶対領域』ハ分カルヨ!」
「…誰に聞いたんだ、そんな専門用語。いいか、甘露寺に向かってそんな言葉は使うなよ。隠の前田のゲスな下心はともかく、甘露寺の技にはこの隊服が向いているのは否定しない。本人が使いこなしているんだ、立派なことなんだ!おい鏑丸、そんな目をするな、俺は……」

「ミツリニ、手紙ヲ書クンダネ!」
「あぁ、季節の景色や、甘露寺が好きな食べ物のことに加え、甘露寺の魅力が表現されている様子を伝える。甘露寺は、自分と他人との違いを、気にしてばかりいる。俺は出来るだけ、彼女の力になりたい。鏑丸に話していると、考えがまとまってくる。助かるよ」
「ミツリ、大好キ!!」
「お前はお前らしく、それを伝えてくれ。俺には出来ないことだから」
「…………………」
「悲観してはいない、あの笑顔を守るために、俺は戦う。自己満足でも構わない、こんな気持ちになっただけで、生きる甲斐になる。それだけだ。」

 そして、伊黒さんの手紙は数日後に、蜜璃ちゃんに届いたそうな。