友人が、インドに行った話。


私の一年下の代が、インカレの卒業大会を開く。と、聞いたのは、真夏だった。

「あんたらスゲーな!絶対見に行くから、がんばってね!!」
「なに言ってるんですか、とむさんも出るんですよ」

え゛っ

自分が実行委員長だから、OB参加を許可するんですって。

「ボクが、ルールブックです」
いたね、野球の審判に
「…無理は、しなくていいけど」
挑発的に
「面白いですよ、きっと」

なんてまぁ、とむーんの扱いに熟達しているんだろう。柔らかいんだよ、柔らかいくせに押しが強いんだ。グイグイ


…なんだっけ、そうだ、インドの話だ。メンバーのひとりが卒業旅行に印度に行くって、言い出して。そりゃあね、あたしもフラフラ一人旅はしていた国内を。恋人(今の配偶者)と、うまくいってなかったし。だけどアナタ、若い娘が、インドに一人で行くって。

「だって先輩(注:他大学生です)、社会人になったら、インドに一人旅なんて。今しかないって、先輩になら、分かってもらえると思ったのに……」

分かった、分かったから、気をつけて行っておいで。嗚呼本当に、押しに弱い人生…

なんかね、小さなチームに花を添える程度の参加って聞いたんだけど、最初は。最終的には、チーム内の全体進行とか細部の確認とか練習日程の管理とか、やっていた私。

「ボクたち、卒業するだけで精いっぱいなんです。で、このソロよろしく」
「……… 印度娘は、どーした」

彼女が検疫所で捕まって、自宅軟禁になったあのくだりだけで、単行本上下はきまりだね。帯文は寄稿してあげよう。JoJo以上。


もちろん本番は細かい惨事にまみれたが、そこはそれ、卒論や卒業試験や就職先の研修やら、分かっているのに挑んだ猛者ばかり。中ほどのトラブルはグッ、と飲み込み、華麗なるfinish決めて、5万の大観衆の度胆をぬいたさ。打ち上げのビールの旨いのなんのって。

Indian traditional wear サリーを、練習場で着て見せてもらった。何色だったかな?
「オーダーメイドだから、欲しかったら渡印してね☆」

…コレラより愛をこめるものが、あるのか?ないのか?


あれが結びの大一番です、いま現在は。
もう一花咲かせたいなぁと、メランコリーに浸る、秋の一日。