あけました。世の中には、つい気になって聞きたくなることがあるけど、たいがい聞かなきゃよかったことが多い。一例をご紹介する。


その昔、夏合宿はお寺に泊めてもらっていたらしいが、改装するのでしばらくよそに泊まってくれと言われ、改装が済んだ後は二度と泊めてもらえなくなったとさ。当たり前だよ、せっかくキレイにしたのに、酔った学生に壊されちゃたまらないもん!

そこで流浪した末、なんとか暴れてもよい宿を見つけて、そこで暴れた(をい)。くだんのお寺も肝試しだけは、使わせてもらった。なかなか、罰当たりだが。

駅から国道沿いに四キロの民宿、電車は一時間に一本。向かいは湖、後ろは小学校、一番近い雑貨屋まで二キロ。なので、毎年執行部は車を用意した。その年は、部長の名義でレンタカーを借りた。

「買い物に行くんだけど、今は誰が鍵を持ってるの?」

玄関の鍵のわけがない。真夜中は閉めるけど、昼間は網戸だけで出入り自由だった。あ、もちろん一年生はみっちり練習プログラムが組んであって、軟禁状態。(洗脳)という言葉が浮かんだでしょ、そうでしょ?否定はしないね。習得ってのは、一定のプロセスを踏むものだ。

「買い物?一緒に行くよ、重い荷物なら持ってやるからさ。酒?」
「そんなに重くないよ…いいから、車の鍵貸して」
「遠慮するなよ、今時間空いてるから。雑貨屋か?酒屋にも寄るか?」
「酒屋に寄ってもいいよ。タバコも買ってくるから。とにかく、鍵貸してよ」
「タバコの銘柄は、置いてあるやつから選ぶから、ついて行くって」
「ついて来るなって言ってるでしょ!」
「何を買いに行くってんだよ!!」

「…ナプキン」
「……………………」

「ねぇねぇ、タンポンも売ってるかな?」
「小さな雑貨屋だからなぁ…予備持って来てないの?」
「あるけど、安心になるじゃない。あたし、アプリケーター式じゃないとダメなんだ。フィンガー式はうまく出来なくて」
「ぜいたく言わないの。鎮痛剤はある?」
「なんとか。でも酒飲むでしょ、併用出来ないよね。酒控える?」
「んなわけないでしょ。飲まなきゃやってらんねぇ」
「右に同じ」

黙って、鼻先に車の鍵が差し出された。私たちは、行ってきま~す☆と笑顔で車に向かった。

「ちょっとイジワルしすぎたかな?」
「いいんだよ、聞かなくてもいいことまで聞いてきた人が悪い。知らなきゃ、それで済んだんだから。シートベルトしてよ」
「がってんだ」


…合宿中はストレスがたまるせいか、月経周期が乱れる人が多いんだ。予備は持って来ていても、現地調達する場合が発生する。なにしろかさばる物だからね。それこそ、銘柄選べない…

それからは、買い物に行くときわざわざついて来る男性はいなかった。野郎どもで、伝達したんだろう。世の中には、聞かなくてもいいことはあるもんです。聞かれて答えただけ親切だったと思うんだが、これもセクハラの一種になるんだろうか?男女混合型に、ありがちなエピソード。