家出…それは突然始まり、唐突に終わる。
さまざまな形があるだろうが、たいがいは本人が頭を下げて家に帰るってのが、多い。ご多分にもれず、私もそのようになった。飛び出した時には「あいつが頭下げて懇願しない限り、二度と帰るもんか!」ってな勢いでした。そうしないわけには、いかなかったんです。理屈ではなく、頭に血がのぼって、他に考えようがなかった。

実家に逃げ込むという、陳腐な手口も、私にとってはよい作用がありました。誰も知らないところで、ひとりで反省しても結論は変わらなかったとは思うけど、両親や弟となんとな~くだらだら過ごす時間が、今回の私には必要だった。

自宅に帰ってから、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、空気が変わったような感じがする。カチコチだったそれぞれが、いったんバラバラに解体され、もう一回組み立て直されたみたいに。前とそう変わりはしないんだけど、一様に嵐の後みたいな疲労をみせて、とにかくしばらく穏やかにやろうぜ、みたいな雰囲気になった。そんだから、私もあまり思い詰めずに、やっていこうと思う。こうあるべき、という理想を持つのはいいけど、そうではない自分にがっかりしたって仕方ない。まぁ、やるだけやろう。反省は、ほどほどに。でないと、ヤバいことになっちまいます。皆さんも、お気をつけください。