合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」は、名古屋の東山動物園を舞台に、戦前・戦中・戦後を生き抜いた象たちと、象をめぐる人々の実話を元に、歌で表現した全11曲、演奏時間45分の組曲。今から29年前に実話を元に作られました。

今回のイベントは、ぞうれっしゃも多くの演目の一つなので、短縮25分ver. となりました。短くなったけど、難しいところは難しい。それだのに、私はもう十日も声出ししてない。最後の練習も休んだから、ぶっつけ本番だ。そういうスリルは好まない。好まないけど、仕方ない。

車中には、リハーサルの音源が流れる。今回、指揮は作曲者、伴奏は地元ブラバンと、いつもとは違う編成だ。そもそも合唱隊も北は北海道から南は沖縄まで、総勢1700人。本当は5000人募集していたから、ガッカリな数字らしいが、1700人っていやぁこれはこれで大変な人数っすよ。クラシック音楽の世界では「マーラーの1000人の合唱」とか、年末おなじみ第九とか、数はいくらでも増やせる。しかし私たち、参加費を払って、交通費出して、儲け無しで来ている。動機も経緯も様々だ。つまり歌唱のレベルもあれこれ。

名古屋に着いた私たちは、急遽作った揃いのTシャツを着て、楽団客演含み2000人のリハーサルに臨む。し、指揮者が遠い…この曲は子どもコーラスが重要な役割を果たすので、指揮者の前に子どものかたまりが出来る。あとは、パートごとに隣は四国、前は中部、みたいに烏合の衆となる。地元での練習で指摘されたことを、あらためて確認。リハーサル会場から、本番会場に移動(すぐお隣でした)

ゲネプロ。ドイツ語だ。音楽用語はあちこちの言葉が入り雑じる。譜面の指示はイタリア語だし…私たちは階段状の座席で、最後のリハをやった。声がホールに吸いとられる。喉を使ってなかったから、細かい音の動きがうまく出来ない。指揮者は20メートルくらい下に、米粒くらいに見える。難しいところは…こんなに人がいるのに、落ちていってしまう。なにやってんだ自分。今度は、今度こそはバックれないでやるって決めて来たのに、このザマかよ。ちゃんとしようよ、ちゃんと。

仕出しの弁当を食べた。眼下では、別のリハが続いている。ゲネプロは、本番の演奏とは逆の順に行われる。そろそろ席について、開場までじっとしていろと指示あり。ステージの照明のため、私たちの席は薄暗く、読書には不向き。スマホの充電も減ったから、電源落とした(バイブ音だってうるさいからね)
退屈だ。ただの退屈じゃない、焦りが身を焦がす退屈だ。じりじり

しょうがねぇ、やけのやんぱち、やるだけやってやろうじゃないか!


これは別の団体のゲネ。照明や進行の確認が主な目的である。