悪党〜重犯罪捜査班[最終回]|ゴールデンで戦隊物演出! | テレビドラマに夢中!

悪党〜重犯罪捜査班[最終回]|ゴールデンで戦隊物演出!

2011年1月21日 -
金曜 21:00 - 21:54(54分)
制作局 ABC・テレビ朝日
脚本:深沢正樹
演出:小松隆志、塚本連平
音楽:朝倉紀行
ゼネラルプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、飯田新(ABC)、川西琢(テレビ朝日)、伊藤達哉(MMJ)
制作:ABC、テレビ朝日、MMJ
主題歌 [編集]
オープニングテーマ:4Minute「WHY」
主題歌:S.R.S「Real Lie」

* cast
横浜港町警察署刑事課第四係
 富樫 正義 - 高橋克典
 里中 啓一郎 - 小泉孝太郎
 飯沼 玲子 - 内山理名
 柴田 安春 - 鈴木浩介
 山下 学 - 平山浩行
 津上 譲司 - 八神蓮
横浜港町警察署
 猪原 勇作 - デビット伊東
 石黒 孝雄 - 梅沢富美男
 平松 亜美 - 松原夏海(AKB48)
 三枝 由美 - 桃永
神奈川県警
 前島 隆造 - 村上弘明
その他
 里中 理恵 - 原田佳奈
 富樫 のぞみ - 宮武美桜
 藤井 佐知代 - 大森暁美
 森川 明日香 - 滝沢沙織
 西村 和也 - 敦士

*ゲスト
警視庁長官官房長 - 石丸謙二郎
民政党元幹事長 - 山田命郷
藤堂秘書・岩村 - 滝藤賢一
国交省政策局長 - 城西良太


テレビドラマに夢中!-悪党~重犯罪捜査班

里中の留守中に自宅に上がり込んだ前島は、駆けつけた富樫と里中に「今回の事件から手を引け」と脅すと「俺に牙をむくと大切なものを失うことになる」とすごんで出て行く。富樫は全寮制の学校に行くと言い出した娘ののぞみを止めずに突き放す。翌日、富樫たちの不正を告発する怪文書が公となり署内は騒然。第四係は謹慎を命じられ、藤堂殺害事件は猪原ら第一係が引き継ぎ、明日香の殺害未遂は単なる事故と片付けられた。すべては前島の仕業か!? 憤る玲子や山下に富樫は「手を引く」と宣言。富樫は明日香の入院先を訪れるが、石黒が見張りを申し出る。街中で襲われた冨樫は柴田と撃退、明日香を襲ったのは藤堂秘書・岩村だと柴田から聞かされる。藤堂を殺したのも岩村か。意識を取り戻した明日香は、岩村の背後に警察庁幹部や与党大物政治家がおり、前島にはもう後がないと語る。明日香を転院させる偽装で岩村の手下を捕らえた富樫たちは岩村を逮捕する。その頃、前島は中華街で警察庁長官官房長の黒沢、与党元幹事長の白川、国交省幹部らとテーブルを囲んでいた。前島を脅す黒沢らに前島は日本刀を突きつける。そこに到着した富樫と里中。後から来た猪原は前島に手錠をかける。富樫は安心した黒沢らを恫喝する。猪原は前島を殺そうとしたが富樫に止められる。前島は行方不明になり、前島が握っていた政治家の不正証拠がマスコミに送られ、検察も動き出すことに。それぞれの生活に戻っていった第四係の面々だったが、冨樫は突然腹を刺される。玲子の元彼・西村だった。腹からこぼれる大量の血…。


いやー、笑いがとまらない最終回だった。
まったく、大胆きわまりない冒険であった。
前回の第8回から最終回にかけて、急に戦隊物の演出になってしまった。
警視庁長官官房長を演じる石丸謙二郎が、
テーブルを叩いてスプーンをくるりとひっくり返す技を意味もなく披露するのだが、
これは「仮面ライダー電王」で石丸が見せていたものだ。
(ちなみに石丸氏はスプーンに興味が尽きないらしいwww石丸氏のブログを参照)

話は前回幕切れの、小泉孝太郎の家に上がりこんだ村上弘明との対面から始まる。
村上の前には寿司桶がwww
小泉の細君はなにやら村上にたぶらかされているようなのだが、これがかなり怪しい。
村上の愛人なのではないかと思ってしまう過剰な演出である。

横浜の海岸通り(ここは本当の神奈川県警があるところだ)を冨樫が歩いていると、
泥酔した仲間を介抱していたサラリーマンの二人連れが
急に暴徒に変身して後ろから冨樫に斬りつける、
どこからともなく現れたキノコ(鈴木浩介)が加勢して無事に難を逃れる。
さらに、重傷を負った滝沢沙織を担架で移送する医師と看護夫たち、
すれ違う医師や掃除夫に化けた男たちが突如短刀を出して担架を襲い、
担架に被せた布をとり払うと、横たわっていた内山理名がトンファーを構えている、
そして看護夫に化けた平山浩行が白衣をかなぐり捨て、ジャキーンと警棒を伸ばす、
慌てた暴漢の逃げ道を、物陰からスッと現れた小泉孝太郎と高橋克典が塞ぐ。
BGMといい、切れ味といい、これらは完全に戦隊物ないし仮面ライダーの演出技術である。
そしてラストシーン、伊勢佐木町の青江三奈のでかい看板の前で刺される高橋克典。
かっこよすぐるwww

「俺たちゃ いつも一緒さ」という半音調の展開部がおかしな、
村上弘明の「おいらはチャンピオン♪」という謎の歌は、謎のまま終わってしまったが、
元々それを歌っていたらしいのは村上の父親であった。
貧窮のうちに父親を亡くした船上生活者としてのルサンチマンが、
神奈川県警警務部長である村上の
「横浜を掃除する」というフシギな意思の根底にあるらしく、
数々の食べ物へのこだわりも、飢えに苦しんだ少年時代と関係があるらしいのだが、
しかし県警の人間のわりに、あまりに横浜に集中しすぎじゃないか、
と横浜市以外の神奈川居住者は思うであろう。
何の説明もない船上生活者(1961年というテロップだけが出る)というのが、
そもそも横浜を知らない人には謎である。
(横浜に住んでいる人ですら、よく知らないのではないか)
さながら横浜市警という感じだが、そういう組織はない(横浜市警察部というものはある)。
終戦直後には横浜市警察本部という自治警察が1954年に神奈川県警になるのだが、
神奈川県警が横浜を中心として組織されていったことは確かであり、
ドラマのバックボーンはそういったことを踏まえているのかもしれない。

ともあれ、週末のゴールデンでこれだけ荒唐無稽なものを放送してしまった心臓は、
たいしたもので、このドラマを見過ごさずにいられたのは幸運だったと思う。

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他の回の「悪党~重犯罪捜査班」
第6回|「おいらはチャンピオン♪」の続き
第5回|ムダの満載がユニーク
第4回|サブストーリーが楽しすぎる
第3回|中途半端な出来栄えだなあ
第2回|急転直下
第1回|面白すぎる

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