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テレビで楽しむプロ野球

テレビで野球観戦し続けることウン10年のプロ野球ファン。CS放送以外のジャイアンツ戦は全て録画してでも観戦しています。日々の観戦ノートを元に、1カードにつき1記事ぐらい、書いています。

 2戦目のファイターズの先発は吉川投手。ここまで、今シーズン6勝2敗、防御率は1.19。パリーグで勝ち星は2位、防御率は1位という素晴らしい成績。昨年までは3年間勝ち星なし、入団5年で通算6勝18敗という投手でした。武田氏は彼について語り出します。
「監督が替わった時に、意外とこういうふうにピッチャーの中でも、プレイクするピッチャー、出てくるので。ピッチャーっていうのは信頼されると、力以上のものを結構発揮するんですよね。
 どこかのインタビューで聞いたんですけど、栗山監督にね、『今年は(お前を)使うから』と言われて、それでやっぱりこう、開き直ってというかね。そう言う気持ちが出て、大胆なピッチングができるようになってきた、っていうのは本人も言ってたんですけどね。
 僕も、亡くなった大沢監督だった時に、先発に代わったんですけども。その時に僕もなかなか勝てなくて。試合はつくってたんですけども、6月まで勝てなかったんですね。0勝4敗で、開幕してから1回も、2か月勝ってなかったんですけども使ってもらって。その時に(大沢監督に)呼ばれてですね、『もう、最初に決めたことだから、1年間使う』って言われて。そこからやっぱり開き直った気持ちになりましたよね。それは覚えてますね」
 吉川投手は、7イニングを投げ、球数100、被安打3、奪三振5、与四死球4、失点1、と好投。7勝目を挙げてハーラーダービートップタイに。試合終了後に、アナウンサーはこんな取材ネタを明かしました。
「栗山監督が就任した時には『今年1年ダメなら、オレがユニフォームを脱がせるぞ』ぐらいの強い言葉を掛けたそうです」
 すかさず武田氏は応じます。
「それはやっぱりね、選手としては嬉しいです。それだけかけて、気にかけてくれているということもありますし、『それだけ監督も使ってくれるのか』って思えばね、『やるしかないな』って思いますからね。
 近藤貞雄さんにも(元ファイターズ監督)リリーフにされた時、『勝ち負けは、お前のせいじゃないから』って言われて。『使うのはオレだ』と」

 監督の言葉を、そのまま純粋に素直にすいすいと受け止め、意気に感じて好成績を出すという投手心理。1戦目の8回に見られたデリケートで難しい投手心理(前日記事参照)とは打って変わった、単純明快なエピソードです。投手心理とは、なんて複雑なようで単純。ということは、やっぱり複雑。
 栗山監督が選手たちに言葉を掛けて、その言葉に選手が応えているといった話は雑誌やスポーツニュースでも耳にします。ファイターズが優勝した暁には、「栗山新監督が選手に掛けた言葉たち」「栗山監督にみる選手対話術」「栗山式リーダー論ーー言葉が部下を伸ばす」といったような書籍が書店に並ぶに違いありません。

G×Fs @札幌ドーム
6/13 BS朝日 中山アナ、解説:小宮山悟
6/14 BS日テレ 坂梨アナ、解説:武田一浩





 統一球の導入でスコアが低くなった昨今だというのに、1戦目はジャイアンツが8点も得点。8回表の時点で7点差をつけてリード。このスコアは、もう明らかにワンサイドゲームといえます。先発の内海投手は3回まではパーフェクト、7回1失点で降板。余裕綽々、勝ち投手の権利を得てのお役御免といったところです。残すは8回と9回、わずか2回のみ。もちろん点差を考えれば、いつものリレーではありません。マシソン投手でも山口投手でもなく、8回裏のマウンドに登ったのは高木投手です。彼はリードした場面でもビハインドの場面でも投げるピッチャー。13年目のベテランです。
 このまま、無難にゲームは進んでゲームセット。誰もがそう考えて観戦していたのではないでしょうか。
 ところが、ところが。ここから、ハラハラドキドキ、ワクワクゾクゾクの展開が幕を開けたのでした。

●第一章~徴候
 高木投手は先頭打者にいきなりフォアボールを与えてしまいます。「じっとスコアボードを見つめている原監督……」というアナウンサーの言葉とともに大きく映し出された監督の映像に対して、小宮山氏は監督の心理を解説します。
「まあ、どうでしょう。『この点差があるのにフォアボールを出して』という、そういうことだと思うんですけど」
 この時、アップに映し出されたのは原監督だけはありませんでした。マウンドからキャッチャー方面へと半分降りながら、ボールを受け取る高木投手の表情もテレビカメラは捉えたのでした。ただならぬ表情を見せているではありませんか。浮かない顔というよりも、まさに、虚ろな顔。7点リードしてのマウンドだというのに、余裕がまったくありません。どうしたことでしょう。高木投手に絡みつくように虫酸が走っているのが目に見えるよう。虫酸たちが一斉にランニング。マラソンのスタート地点のようにうじゃうじゃ走っています。
 小宮山氏は続いてピ投手心理と野手心理を語ります。
「ピッチャーとすると、点差ってそんなに関係ないんですよね。投げにいって、おそらく先頭バッターにストライク投げにいかないと、ということで投げてるんですけど、なかなか思うようにコントロールできてないという状況なわけです。だから、点差うんぬんということで言うと、野手から見ると『何やってんだ』みたいなことに受け取られがちなんですけど、投げる方はもちろん、点差、関係ないんです。ストライク投げるのにも四苦八苦してる状況なので」
●第二章~明らかに表面化
 次の打者・小谷野選手への初球も、實松捕手は上に大きく手を伸ばして跳ね上がるように捕球。すかさずマウンドへ駆け寄る川口コーチを見て、小宮山氏は、マウンドに立っている投手心理を解説します。
「掛ける言葉としたら、『点差考えろ』としか、たぶん言わないと思うんですけど。その点差に関して言えば、(高木投手は)もう十分承知のマウンドに上がってますから、今さら点差がどうこう言われても困るんですよね。調子そのものが良くないということだと思うんです」
 小谷野選手はショートフライを上げて、ワンアウト。次の打者・田中賢介選手を迎え、高木投手は1塁に牽制球を投げます。一塁のエドガー選手は大きくジャンプして捕球するという、悪送球。ここで、さらに小宮山氏。
「いま、一塁に牽制投げたボールも、エドガーがジャンプして捕れないようなところですから。まあ、本人が一番分かってると思いますね。もうどうしようもない、と。自分が思い描いているようなボールをちょっと投げられそうにない、というような感じでいると思いますよ」
 その通り、思い描いた球が投げられなかったもよう。田中賢介選手にセンター前ヒットを打たれたところで、高木投手は交代を告げられたのでした。
●第三章~沈静化への冷静なヨミ
 次に、マウンドに登ったのは福田投手。ピッチング練習の合間に小宮山氏はブルペンにスタンバイしている投手心理に触れます。
「ブルペンでどうだったんだって話になると、今日の内海の初回からの感じを見ると、少ない球数でかなり良いペースで投げて、球数でいうと『間違いなく一人で最後まで投げるかもしれない』っていうようなことで、ブルペンで序盤、中盤、いたと思うんですよ。それが、急に『投げるかもしれない』ということになってバタバタしながらマウンドに上がったとなると、この結果は頷けるなという感じですよね。
 で、先頭(打者に)フォアボールというところで、ブルペンが、またちょっと『あれっ』ということで動き出したとすると、いま出てきた福田は『すぐにも代えられる』『高木が代わるかもしれない』という思いでピッチング練習をした。ということで言えば、ピシャッといく可能性はありますよね」
 福田投手はナイスピッチングを魅せてくれそう。多くのジャイアンツファンは、小宮山氏のヨミに胸を撫で下ろしかけたのではないでしょうか。
●第四章~ヨミを超越した流れ
 1アウトランナー1・2塁という場面で、福田投手が対戦する1人目は中田選手。ところが、です。いきなりセンター前にはじかれセカンドランナーが生還してスコアは8-2に。次の打者・稲葉選手にも請求が定まらず、明らかなボール球でフルカウント。ここで小宮山氏は「ピシャッといく可能性」の低いことを断言します。
「(ジャイアンツのブルペンが)バタバタしているのは事実です」
 この直後、稲葉選手の打球は、福田投手の左の足首あたりをかすめてライト前へ。ピッチャー強襲のヒットでスコアは8-3。小宮山氏のヨミは、あっさり外されてしまったのでした。あなおそろしや、ピッチャー心理。小宮山氏は、そんなおそろしさを冷静に受け止めながら、ただごとではないジャイアンツブルペンの動揺をかみしめているようでした。
「今のも、打球としては、そんなに強くはないんですよ。(福田投手の)グローブが届く範囲のところに(打球が)きているので。もしさばけていたら、ひょっとしたら、ダブルプレイという感じにもなるので……」
 本来であれば、ゲッツーをとってスリーアウトチェンジになる可能性の高い打球だったわけです。けれども、ジャイアンツブルペンの動揺が福田投手を呪縛した。だから、福田投手は捕球できなかった。できなかっただけではありませんでした。打球を自ら見事にライトへとはじき飛ばしてしまった。という、おそろしい事象がこのとき起こっていたのです。
 直後に、福田投手の表情もアップで映し出されました。最近見られていたキリリとした雰囲気はどこへやら。見るからにスポーツ選手の輝かせるさわやかな汗ではなく、サスペンス映画やホラー映画で見られるような、イヤ~な汗が妙に顔から吹き出してギラギラ光っているではありませんか。これぞ呪縛。彼を救えるのは、呪縛から解き放つのは、もはや降板の二文字だけ、といった様相。
●第五章~まさかのクライマックス
 けれども、原監督も川口コーチも救いの手を差し伸べてはくれません。まだ1アウトも取れてはいない福田選手ですが、続投。ランナー1・3塁。次の打者・陽選手は、2球目をポーンとセンターのスタンドへ放り込んだのでした。3ランホームラン。スコアは8-6。復習します。この回が始まった時には7点の差が両チームにありました。それが、この時点でついに2点差に接近。復習します。言うまでもなく、球は統一球。しかも広い札幌ドーム。
 小宮山氏は、ジャイアンツのブルペンのようにバタバタすることなく、冷静に事態をまとめました。
「内海が好投していただけに、ここまでバタバタになってしまったところが、ホントにジャイアンツサイドとしては誤算だったと思いますね」
 いくら塁上のランナーがすっきりなくなったとはいえ、3ランまで打たれた福田投手をそのままマウンドに残しておくわけありません。ついにジャイアンツは真打ちを出さざるを得なくなったのでした。山口投手がマウンドへ向かいます。けれども、彼でさえ、バタバタしたブルペンとザワザワした客席を鎮めることができるとは、もちろん断言できません。小宮山氏も、彼の心理を分析します。
「まあ、先ほども言いましたけど、山口がどこまで準備しているか、ですよね。正直、内海が投げている時には『今日は(自分の出番は)ない』というぐらいの感じでしたから」
 山口投手は、火のついたファイターズ打線にそのままヤケドしてしまうのではないか。小宮山氏のこの一言は、さきほどの福田投手に対するヨミより厳しい雰囲気を漂わせているものでした。
●第六章~あっさりと終焉
 火消し消防隊長出動。さすが、先日まで開幕から24試合無失点という大魔神・佐々木に並ぶ記録を続けていた山口投手です。大リーグでのマイナーリーグ経験もモノ言います。いかつさを見せない温厚な表情とは裏腹な、育成上がりのたくましさ。二岡選手をファウルフライ、大野選手を内野ゴロ。テンポよくツーアウトを取ってチェンジ。9回裏も三者凡退で消火完了。
 こうして、ファイターズの大逆転劇の夢のフィナーレはもう一歩というところでついえたのでした。

 先発投手の好投と、大差のスコアという左うちわ状態は、決して中継ぎや抑えのピッチャーたちに左うちわをリレーするとは限らない。ということを、これでもかこれでもかと学ばされた8回裏となりました。投手心理は本当にデリケート。しかも、元投手である小宮山氏の想像以上の展開が起こったところが、いちだんとそのデリケートさを伝えてくれたと思います。珍しく、統一球らしくないスコアの動きには、野球の神様のちょっとしたお遊びをも感じることができたのでした。

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G×Fs @札幌ドーム
6/13 BS朝日 中山アナ、解説:小宮山悟
6/14 BS日テレ 坂梨アナ、解説:武田一浩



 これほど視聴者に対して視覚的な力を持ち、ストレートに訴えてくるだけでなく、パブロフの犬的な反応を身体に及ぼしてくる広告は、記憶にありません。第2戦目のバックネット下の「プロ野球チップス第2弾」ときたら。色彩としてテレビ画面の中で目立つだけでなく、商品そのものへの欲望ゴコロを巧妙にくすぐってくるではありませんか。消費ターゲット層に伝えたい情報を、コンパクトに効率よく確実に伝えるという意味では、百点満点の広告だったのではないでしょうか。
 ただ、テレビ観戦者としては、試合の行方が気になるのはもちろんのことですが、同時に、いったいどの選手が第2弾のカードに加わったのかしら。などと気になってしまうわけです(カルビーのホームページに掲載されています、あしからず)。できれば、試合が進むにつれ、回ごとに、第2弾の選手のカードを見せてくれるという広告展開をしてほしかった。パブロフの犬としては尻尾まで振りまくっていたに違いありません。
 否。やはり、やりすぎは禁物。手の内を見せすぎるのはよくありません。決め球はここぞというタイミングで投げるものです。それに、選手のカードをバックネット下で次々と見せてくれるとなると、観戦者たちの注意力や集中力が分散されてしまい、野球観戦の邪魔になること必至。やはり、このままの広告でよかったのかもしれないと、ひとりごつのでありました。
 ただ、個人的にはじゃがりこにプロ野球カードがついているほうがうれしい。

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G×M @東京ドーム
6/10 BS日テレ 上重アナ→町田アナ、解説:江川卓、篠塚和典
6/11 BS日テレ 平川アナ、解説:堀内恒夫