腸管内環境について | Goukkunのブログ

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昔、私が、中学校の頃食べ物をたべると、胃や腸の働きで十分に食べ物は消化され、栄養だけが吸収されるものだと教えられました。

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一方、よく考えると、体には、自分だけのものを認識し、他のものを除去しようとする働きがあります。このメインの働きが、免疫機構であり、細菌から敵から身を守ります。

つまり、他人ではなく自分であることが分子レベルでシビアに決定され、自己確立されています。…..

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では、食べたもの(異物)は、本当に、拒絶されないのでしょうか?体に、すんなり受け入れられるのでしょうか?それとも、反応さえ起こらないほど必ずバラバラに分解され、吸収されるのでしょうか?

 

私の辛い思い出ですが、約40年近く前、大阪で研究についたとき、与えられた研究課題がうまく結果が出ず、非常に困ったとき、、自分を信じ、マウスを使って、この腸管のことを、課題として自分一人孤独の中で、研究を始めたのが思い出されます。

 (この時の、辛い時期の唯一のいい思い出は、当時は、遺伝子DNA配列は、生まれつきの固定した動かないものと考えられていたのを、固定したものでなく、遺伝子が動くことで、抗体の多様化が出る(IgMだけでない)ということで、ノーベル賞かと言われた本庶佑先生と、野球の野試合で1時間ご一緒できたことだけか...と思います。)....その後の本庶佑先生らによるオブジーボは、それからずいぶん後の発見です。

 

 

マウスに、他の系統の細胞やがん細胞を、多量に飲んでもらい、その後の、免疫反応の変化を見ました。

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結果は、明白に出ました。投与したものに対し、免疫に変化が出ました。条件によりupしたりdownしたりし、(特にタイプIV免疫)反応が抑制(増強の条件もあり)されました。そして、それは、体全身の免疫反応にも及びます。

 もっと、わかりやすくするため、その時の助教授の先生の助言もあり、当時の自分の外科的テクニックで腸管からの吸収物質が、集まり、運ぶ門脈という血管に直接静注すると、はっきりと、投与した細胞だけに綺麗な免疫の抑制がかかりました。

泣けるほどの思い出と共に思い出されます。  

 

今は、食べるものでのアレルギーが問題視される時代となりました。食べるものに、免疫反応が過剰に反応しアレルギーが起こっています。

 

つまり、食物を食べた時、まず、腸管内環境で、消化吸収に、影響があり、吸収され、血管に入るまでに第一段階の、高度な免疫コントロールが起こり、一旦門脈内に入ると、その物質に対し、体は、反応しないようになる第二コントロールが起こるのでしょう。

 

食べることは、実は、異物を自分に受け入れ、アレルギーや、拒絶反応なしに、自分の体のものにするための、ドラマチックな激しい免疫コントロールが、その時その時で、巧妙に行われている、高度な作業なのです。

 

また、近年、免疫を制御し抑制する免疫抑制生細胞の存在がわかり(T-reg細胞)腸管付近に多量に見つかっています。

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これに影響する腸内環境が注目をされ始めています。寄生虫の存在、あるいは細菌の存在などです。細菌に関しては、数百種類に分かれ、約100兆個いるといわれ、これらの細菌は、その種類ごとに集団を形成しながら住み着いています(腸内フローラ)

 

消化液が多い胃や十二指腸では菌が少ないようですが、それより下の小腸(空腸~回腸)になると、多くの菌が見つかるようになります。位置的にみて、小腸には、乳酸捍菌が多く住み着いています。盲腸から大腸になると、殆ど無酸素状態になり、酸素の嫌いな細菌(偏性嫌気性菌)が爆発的に多くなります。ビフィズス菌は偏性嫌気性菌の代表です。

腸内には、人にとって良い働きをする有用菌(ビフィズス菌や乳酸捍菌)だけでなく、発がん物質や毒素を作ったり、腸内腐敗をおこしたりする有害菌(ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌毒性株、バクテロイデス菌毒性菌株など、多くの細菌群)も住んでいます。 (悪い細菌がすべて悪いとは言い切れません。)これらのバランスと、これらの細菌の良い面と悪い面のさらなる研究が必要です。

 

 それにもまして、これらの細菌の食物に与える影響、腸管内PHへの影響、免疫細胞への影響(おそらく、マクロファージに近い細胞群?)、そして、例えば、乳酸菌と言ってもその中で、数多くある菌株のどれがどの程度の影響があるかを知り、個人別に正確に、長期間与えられるようにしないと、腸管内環境は一筋縄では、変えられないものだとは思います。

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 例えば、他人の糞便の菌を注腸して免疫が上がる?のは、注腸では大腸にまでしか届かず、小腸には、注腸物は届きません。これで。免疫が上がるのが、たまたまで、ないなら、小腸でなく大腸が免疫への影響を司ることになります。影響があることは確かでしょうが、私的には、100%には信じられません。.....................................................................................

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P.S:

 

最近、当初は、皮膚アレルギーの多発と腸管内寄生虫と腸内環境が、言われてきました。

次に、腸内細菌について注目されてきております。

 

ヒトの腸管、主に大腸には先ほど書いた通り、約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内細菌叢(そう)や腸内フローラとよばれます)が生息しています。......... これらと、人の免疫や健康状態がいろいろ言われています。腸内細菌は健康に有益に働いてくれる善玉菌、健康に有害な悪玉菌、そして状況によって善玉にも悪玉にも変化する日和見菌の3つに分けられます。その一部は、商品の宣伝とも関わり、本当かどうか悩む部分もありますが、事実人間の健康に深く関与していることには間違いないと思われます。

 

なぜなら、人はほんの数十年前まで、土の中の虫や、木の根などを最近ごと食べて生き抜いてきたから、腸管はそれに順応して体に有効になる仕組みを生存権をかけて獲得してきたはずだからです。

 

この数はヒトの体の細胞数の10倍にあたります。腸内フローラのなかにはビフィズス菌や乳酸菌などの体に良い効果を及ぼす菌すなわち善玉菌や、クロストリジウム属菌(ウェルシュ菌)などの有害菌が含まれています。

 

また、悪玉菌に対する抗IgA抗体の産生、免疫抑制物質(抗PDL-1のように免疫を抑制物質の同定:私のやったときには、少なくとも、IV型免疫抑制物質は、他のマウスに注入してそのマウスにも再現可能でしたが。......)色々な研究が進んでいます。

 

 一般に健康な人では腸内の善玉菌の方が悪玉菌より多く存在し、善玉菌と悪玉菌と日和見菌の理想の割合は2:1:7と言う方もおられます。そしてこれらのバランスを腸内環境と呼んでいます。

最近は、乳酸菌、ビフィズ菌など、いわゆる善玉菌をよく研究され、推薦されております。が...これらについては、また別項で書きます。

 

つまり......................もっと、ミステリアスな反応が、多くあるのでしょう。将来の、人たちの研究が楽しみです。