昔から人は、痛かったら他の部位をつねってみて痛みを紛らわす。傷の部位
が腫れて赤くなったら冷やす。などの治療を自らしてきました。これが根本的治療でしたし、今も合目的な根本治療です。
でも、強い細菌などが襲ってきたら体の方が負けることがありました。
そこで、細菌を殺す抗生物質の登場です。これで、助かる人が多く出ました。結核や集団感染などが典型です。
次に問題となるのが、外傷です。血が吹き出たり戦争の時は、とりあえず、血を止め、傷を修復するのが必要です。....外科の発達がありました。
この間は、人の医学の勝利とも人は、思いましたが、さらに病気を治そうといろいろな薬というものを発展させてきました。
ところが、多くの薬は、化学反応を抑える役目を担っています。他の細菌の化学反応を抑えるだけならよかったのですが、自分の身体の異常を治療をするときは、体で、一つの箇所の化学反応の停止が他の部位では、大変な異常を導き出す場合があるという事実です。いわゆる副作用です。作用は一緒でも、体にとっては迷惑なのです。
また、体は、多くの化学反応の道をもち、一箇所を止めても他の経路を迂回したり、細胞が薬に対し、反応しないように変化する場合もあります。他の薬と併用するときはさらに複雑となり、全く違う反応をする場合があります。A+B➡︎Cが DになったりEになり得ます。
さらに、現実では、病院での医者の処方は、細かく規定され、患者の反応を見て細かく変えることが困難位なっています。つまり、医者のさじ加減はなくなりつつあります。このような社会的問題と、薬の反応の難しさもごっちゃになり、薬は飲むのをやめようとなるのは、仕方がない部分もあり得ます。
例えば、免疫反応は、ずっと働いていたり過剰反応すると、かえって免疫が疲れ働きが弱くなり得ます。今まで痛み止めに使っていた薬を、免疫反応を少し休ませ、行き過ぎないように使うように一時的に少し使うなどの工夫など。
また、この際、思い切って発想を変えて、鍼灸や超音波療法やその他の化学反応ではない、薬でない方法でもう一度治し方を考え直そう、薬の使用をその間控えるという動きもあります。
話は飛びますが、上記の具体例的に、薬では今一番私的に、関心のあるのは、細胞の中での信号伝達を担うとされているTOR(target of rapamycin)複合体1というタンパク形成を担う酵素の働きです。細胞の外の栄養源を感知して細胞成長(大きさ)を制御する過程に必須の役割を担っ ている、生物の根幹をなしているがゆえに緻密に制御されるもので,また、栄養源量のみならず種々のストレスにも深く関与するものです。
この酵素の制御の薬が期待を持って、今先端で開発され色々の病気に対し発売されようとしています。非常に面白いのですが、体全体の細胞根幹に関わるものであり、いろんな別の効果が出る可能性もあります。
わたし的には、別の方法で、細胞内信号伝達調節ができたらなと、思っていますが...。
私の思うのは、過剰に薬を毛嫌いするのではなく、うまく使いこなし利用してゆくのが必要だと重々思うことは、思うんですが.........。