動乱の時代―76―【コロナ・パンデミック後の世界】 -その1-
「新型コロナの収束時期?」 と「100年前に起きたスペイン風邪」について
いまテレビをつけると何処のニュース番組も大半は新型コロナウィルス関連の話題です。
世界のいたる国や地域で、この新型コロナ・パンデミックにより人々の生活や経済や伝統文化までも破壊されています。
いま日本に限らず世界中の最大の関心事は、これが何時収束するのか?・・という事だと思います。
このことは第二次世界大戦後の歴史的な最悪な感染症災害であると言うことができます。
このコロナウィルスによる死者数は、インフルエンザの10倍と言われ、特に60歳以上の高齢者の致死率は若者や壮年の人の数倍と言われています。
日本政府も各国の首脳も、当初、3蜜(密閉、密着、密集)に注意すれば、「2~3週間か、せいぜい1か月間も辛抱すれば大丈夫」 という言い方をしていましたが、一か月たってもいっこうに収束しないため外出自粛や禁止の規制を、あっさりもう一か月延長してしまいました。
そしてそれは「今度は2~3カ月の辛抱だ・・・」という言い方に変わってきました。
しかし収束は7月には収束するという専門家もいれば、年末になるという人や最低1年かかるという専門家続くと言っている専門家もいます。
東京オリンピックは一年延期し2021年の7月に開催されることがほぼ決まりましたが、果たしてそれができるかどうか?分からなくなってきました。
新型コロナウィルスという感染症について、中国武漢市での発生から4カ月ほど過ぎて、いろ
いろなことが分かってきましたが、何時終息するかについては分かっていません。
一つだけデータとして非常に参考になるのは100年前に当時の世界を震撼させた【スペイン風邪 】の記録です。
100年前に起きたスペイン風邪は、当時の記録では第一次世界大戦に従軍していた英米仏独等の兵士達から広まり世界中に拡散していきました。 その後3年間で全世界的に流行し、世界人口の約1/3にあたる5億人が感染し、およそ2000万人の死者が出たされています。
1918年1月から1920年12月までに世界中で5億人が感染したとされ、これは当時の世界人口の4分の1程度に相当します。
スペイン風邪による死者数は推計では、世界中でおよそ2,000万人4,000万人と言われています。100年前のことなのではっきりしてデータや記録が残っているわけではないので、正確には言えませんが、1億人に達した可能性もあるとも指摘されています。これは間違いなく人類史上最悪の感染症でした。
このスペイン風邪は3派にわたって猛威を振るいました。 第1波は1918年3月にアメリカのデトロイト市やサウスカロライナ州で最初に流行が始まりました。その当時第一次世界大戦(1914年6月~1918年11月)がヨーロッパで行われていました。そこに大戦末期に途中から参戦したアメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、当時中立国のスペインを中心に5月から6月にヨーロッパで流行しました。
第2波は1918年秋にほぼ世界中で同時に起こり、病原菌がさらに強まり重篤な合併症を起こし死者が急増しました。
第3波は1919年春から同年秋にかけて、第2波と同じく世界中で流行しました。さらに、最初に医者や看護師などの医療関係者の感染者が多く医療体制が崩壊してしまったため、感染被害が甚大に拡大しました。
他方、日本では、1918年10月に大流行が始まり、世界各地で「スパニッシュ・インフルエンザ」が流行し多くの患者が発生していることが報じられました。 第1派の流行が1918年10月~1919年3月、 第2派が1919年12月~1920年3月、 第3派が1920年12月~1921年3月でした。 当時の日本の人口5500万人に対し約2380万人が感染したとされています。そして日本全体で40万人近い人が死亡したという報告があります。
第一次世界大戦の敗戦国ドイツの敗軍の将であったドイツ陸軍総指揮官ルーデンドルフは戦後、次のような有名な言葉を残しています。 「第1次世界大戦の勝者は英米仏など連合国ではない。それは【スペイン風邪】だった」。
第1次大戦(1914~18年)では、イギリス、フランス、アメリカ、イタリア、ロシア、日本などの連合国とドイツ、オーストリア・ハンガリー、トルコ、4年間に渡り、主にヨーロッパ大陸が戦場になりました。 そして、それまで使われていなかった戦車、飛行機、潜水艦、重機関銃、毒ガスなどの近代兵器が戦場で大量に使われました。
第一次大戦の死者は、実に670万人以上と言われ、それまでの戦争の概念を一変させ戦争の悲惨さは、国際連盟誕生させる運動になりました。
しかしほぼ同時期に起きたスペイン風邪パンデミックの死者の総数は、1700万から4000万人に達したと言われています。
第一次大戦での死者670万人以上を大きく上回ってしまったのです。第一次世界大戦の悲惨さは、戦争映画にも多く取り上げられ人々の心に語り告げられていますが、スペイン数についての悲惨さは過去のものとして人々に忘れ去られてしまっているように思います。
スペイン風邪は、コロナと同じウィルス性の感染症の一種で、歴史上記録にある限り人類が遭遇した最初の大パンデミックでした。これらの数字は戦争や大災害など人間の死因の中でも、最も多くの人間を短期間で死に至らしめた記録的なものでありました。
1918年~1920年にかけてパンデミックを引き起こしたスペイン風邪は、元来その発症地点がアメリカ・カンザス州の米陸軍兵営であったとされていました。
当時第1次大戦中で戦時報道管制の枠外だった中立国のスペインから情報が世界に発信されたために「スペイン風邪(スパニッシュ・インフルエンザ」と名付けられ言われています。
100年前と現代では医学や医療制度の進歩発達によって格段の差があることは事実です。従って新型コロナウィイルスに効くワクチンもすぐにでも開発されるとは思います。
しかし私が、ここでお話してきた100年前に起きたスペイン風邪の事例で見ればお分かりのように、その収束までに最低1~2年の期間を覚悟しておく必要があると考えています