実家に帰ると、庭におキミさんの姿が・・

父、母は留守だったが、一人で表に出てきて植木いじりをしていた様子。

しかも、杖を忘れて・・・

危ない、危ない。



とりあえず、家に入ってもらうと今度は、行きつけの美容院に行きたいと言い出し、

お金を取り出しバッグに入れだした。

話を聞くと、長年お世話になっていた美容院の師匠さんがこの13日で辞められるとか。

祖母は98歳になったが、ずっと頭だけはアップにしていて2,3ヶ月に一度は美容院へ行っていたのだ。

頭の上はもうツルツルなんだけど、うまく残っている髪をまとめて上手にアップにしてくれていた。

5月に入院する前に、師匠さんが祖母のためにカツラを探してくれるという話があった。

祖母はそれを覚えていて、退院後は美容院にはまだ行っていないので、師匠さんが買ってくれていたら

お支払いを済ませておかなければ、と思ったらしい。



早速、車椅子に座ってもらい美容院へ向かった・・

美容室の前で、祖母の所属していた(いまも所属中だと思うが)老人クラブの仲間の一人と出会った。

その女性は祖母よりずっと若く綺麗な方だったが、祖母を見つけて駈け寄ってこられ、

退院してきたことをとても喜んでくれていた。

祖母も「ホンマに、お目にぶらさがって(かかって)良かったわ・・」と。

美容院の師匠さんも、出てこられておキミさんの手や、膝を撫でて、良かった、良かったと

喜んでくださった。

祖母が、入院したと聞いてカツラは買ってはいなかったそうだが、

もう閉店するからと祖母に持って帰ってと、ムースやネットなどを下さった。

そのネットは、ちょっと光ものが付いた高級なもので中々売っていない物で

祖母は、そのネットを前から買いだめをしていた。

これで4つになったと喜んでいる祖母。



今は、母が少ない髪をまとめてアップにし、小さいダンゴを作りセットしてくれている。

師匠さんは、祖母のために出張するよ、と言ってくださった。

でも、今のダンゴがかわいくて、おばあさんらしくて、いいかなと思っている。

しかし、今までずっと美容院へ行って頭のセットをしていたおキミさんは、はやり、スゴイ。