大江戸曲者列伝―太平の巻 (新潮新書)/新潮社 野口武彦 | 江戸秋葉原文芸堂

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( ´・ω・) 江戸戯作を読んだり、江戸時代関連のニュースピックアップをしたり。江戸文化歴史検定一級第三回最年少合格。

大江戸曲者列伝―太平の巻 (新潮新書)/新潮社
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( ´・ω・)  読み終わったので、感想です。江戸時代における曲者……奇人変人や異彩を放つ人物が取り上げられています。


( ´・ω・) 出てくる人物は、学者、老中、役人、戯作者、旗本婦人、遊女などなど……多岐にわたります。太平の巻ですが、ペリー来航前後の人物も何名か出てきます(阿部正弘・徳川斉昭とか)。


( ´・ω・)幕末の巻よりもさらにマイナーな人物も出てきますが、知らない人物だけに面白く読めました。たとえば、「幽界を見た少年」仙童寅吉とか、「いつも万葉気分」の平賀元義とか、「官製美談」の遊女とか。本書には有名人も出てきますが、マイナーな人物の話のほうが面白い気がします。


( ´・ω・) 本書で提唱されている「ゴシップ史観」というのは、かえってその時代の本質を捉えている面もある気がします。しゃちほこばって歴史を読んでいるだけでは見えてこないものもあります。当時の庶民のように下世話に見ていく江戸時代は面白いです。瓦版的というか、噂話的というか、藤岡屋日記的というか……。


( ´・ω・) 一話が五ページぐらいなので、気軽に読めます。「歴史コント」と著者自らがいうだけあって、肩肘張らずに読めます。それでいて、どこか深みのある、いい本です。つまり、面白い。幕末の巻と合わせて読むと時代を総覧できていいかもです。おすすめです。


大江戸曲者列伝―幕末の巻 (新潮新書)/新潮社
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( ´・ω・) 「江戸巷談 藤岡屋ばなし」も面白いです。「大江戸曲者伝」よりは落ちますが……。

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