「関心領域」🎥を鑑賞。
原題の「THE ZONE OF INTEREST」というのは、アウシュビッツ強制収容所を取り囲む40平方kmの地域を表現するためにナチス親衛隊が使った言葉だそうだ。
その強制収容所の所長一家が、壁1枚隔てただけの場所で優雅な生活を送っている(ドイツの他地区では色々制約があるらしい)。
壁の向こう側の悍ましい出来事は、家族達も「見ないことに、知らないことに」しているらしい。
でも、すぐ隣なのである。
風に乗って流れてくる音(銃声や人の声も)や煙や臭いを全てなかったことにできるはずもなく、表向きは幸せそうでも皆心を病んでいるように思えた。
悲惨な場面は皆無なのに、居心地の悪さを感じる気味悪さの連続。
最後に突然現在の記念館の様子が映し出される手法もあった。
それと、不協和音満載の音楽も暗く不気味さを増す演出。
「後味爽やか」な作品であるはずのないことは承知の上での鑑賞である。