英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
Xで驚きのツイートを見かけました。
過去の日本語訳に原文はないストーリーやエピソードを随所に入れていることが分かって、自由にやっていいんだと吹っ切れました。それからは頭の中にいるクローニンと相談をしながら訳すことに加え、作家として「書く」作業に移りました。#夏川草介 #城砦 https://t.co/IIddeuAlJ3
— 日経BOOKプラス (@nikkeipub) July 25, 2024
この方がやっているのは翻訳ではなくて良くて超訳ですね。
超訳にしてもひどいですけど…
AIや機械翻訳が普及するのは良いのですが、雑な翻訳や誤訳が出回っているという話をよく聞きます。
翻訳というのは原文に忠実に訳さなければいけないと言われてきたのですがいつから創作していいことになったのでしょうか?
この本の原作者は亡くなっているようですが、だからといって原作にないことを勝手に付け足してはダメでしょう。
しかもこんな記事を出版社が出しているのことに驚きです。
翻訳という作業を軽んじているとしか思えません。
私自身は最近は翻訳の仕事はそこまでたくさんしていませんが、翻訳の単価が下がっているという話はよく聞きます。(エージェント経由の場合は特に)
その結果翻訳スキルが低い人が翻訳して、質の悪い翻訳が出回っているのでしょう。
巷ではTOEIC600点でも翻訳ができるという講座もあると聞きますし、翻訳業界も大変なことになっているようです。
翻訳は英語力だけでできるわけではありませんが、英語力がないとそもそもスタートラインに立てません。
このような雑な翻訳本が出回らないことを願うばかりです。
御意見、感想、大歓迎です。