英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
今さら慶応義塾高校の甲子園の優勝について書くのはどうかと思いますが、いくつか感じたことを書きたいと思います。
①慶応義塾高校の応援について
これについてはかなり物議を醸していましたね。
ただ応援のおかげで慶応義塾高校は勝てた、応援のせいで仙台育英高校が負けたという発言は球児への敬意が欠けていると感じます。
慶応義塾高校の応援の声援の声が大きく、選手間の声が聞こえず仙台育英の選手がフライを取れずに落球したことも非難される原因になりました。
今回の慶応義塾高校の応援について色々言われるのは、東京6大学のの早慶戦のノリで応援した人が多かったことが原因だと私は考えています。(特に大学のOB,OG)
私も早慶戦は4年間で何度も行きましたが、とにかく応援合戦が激しく、攻撃時だけでなく、守備の時もすごい応援です。
相手バッターが三振したりすると拍手するのもごく普通のことでした。
ただこれは相手校への敬意があってのことなので、決してバカにしたり、煽っているわけではありません。
慶応義塾高校の応援の仕方については高校野球の応援ルールに合わせて相手校に配慮していました。
チャンスパターンメドレーの突撃のテーマやダッシュ慶應の「○○倒せ」というところは変えていましたし、相手校に対する敬意は十分に払っていました。
問題はアルプス席です。
特にOB、OGと思われる人が立って若き血(応援歌)を歌ったり、相手校の攻撃時に声を上げていたのが、かなり批判の的になってました。
先程書きましたようにあのノリは典型的な早慶戦の時のノリです。
私はあのノリには慣れていますので、そこまでヒドイとは思いませんが、一般的に言えば何だあれはと思うでしょうね。
高校野球の応援ルールを守れというのはもっともですが、あれだけの人が大挙して甲子園に押し掛けると全員に応援ルールを徹底させるのは現実的にはかなり難しいでしょう。
日刊ゲンダイが「慶応107年ぶりの優勝もいけ好かないのはナゼ?早稲田はそうでもないのに」という記事がありました。
いけ好かないは少し可哀想かな?
②慶応義塾高校のエンジョイベースボール、長髪について
慶応義塾高校はお坊ちゃんばかり集まる学校だと思われていますが、普通のサラリーマンの家庭の人も多いです。
新聞に学費が100万以上かかるから、お金持ちしか来れないと書いていましたが、首都圏の私立であれば授業料が100万以上かかるところはたくさんありますから、慶応義塾高校が特別高いわけではありません。
慶應の幼稚舎は間違いなくお金持ちが多いですけど…
慶応義塾高校は全体の練習時間が少なく、自主性を重視した練習をしていると書かれていましたが、上原浩治氏も指摘していましたが、言葉だけが独り歩きしているように感じました。
確かに全体の練習時間は少ないようですが、あとは個人が自主的に基礎練習をしているそうです。
エンジョイベースボールと言っても確かな技術がなければ楽しむことはできません。
技術がなけれあ甲子園で優勝なんて無理です。
自主性を重視した練習というのは言うのは簡単ですが、実行することは簡単ではありません。
慶応義塾高校でそれが可能なのは選手の意識、能力が高いことと野球をやる環境が整っていることも大きく関係しています。
高校にデータを収集する人もいるようですし、大学とも連携してデータの収集、分析もやっているそうです。
ここまでやれる高校は全国でもそこまでたくさんないでしょう。
慶応義塾高校の監督がインタビューで多様性ということをおっしゃっていましたね。
高校野球で坊主頭を強制するのはおかしい、長髪でも良いではないかという人はかなりいらっしゃいます。
でも現在の高校野球では25%以上の学校で長髪OKになっているようです。
慶応義塾高校だけが長髪ではないんです。
坊主も強制されているというより、自主的にやっている球児が多いのも現実。
私も野球をやっていたから分かるのですが、練習で汗をかいた後に坊主であればホースで水をかけて汗を流すこともできますが、長髪だとそうもいきません。
後強豪校だと休みの日が少なく、髪を切りに行く時間がないので、坊主の方が良いという球児も多いですね。
広島の広陵高校では監督が長髪にしても良いと言ったそうですが、学生が坊主の方が良いと言ったそうです。
多様性だ大切だというのであれば、「長髪が〇、坊主が✖」というのではなくて、球児に任せればよいのではないかと個人的には感じます。
頭髪に関しては外野があれこれ言わず、球児に任せましょう。
③慶應の結び付きの強さに改めて驚く
今回の慶応義塾高校の107年ぶりの優勝を慶応義塾高校のOBが喜んでいるのはよく分かるのですが、慶応義塾大学のOB,OGが物凄く喜んでいるのには驚きました。
慶應義塾大学のOBがテレビのインタビューで社中という言葉を口にしていましたが、慶応の結び付きの強さはまさにこの社中協力という言葉に集約されている気がします。
慶応の同窓会の三田会は結び付きが強いと有名ですが、この社中協力という精神から来ているのでしょうね。
仮に早稲田実業が甲子園で決勝に進んで、優勝したとしてもおそらく今回の慶応義塾高校の優勝程の人は集まらないと思います。
早稲田実業は付属高でなく、系列校だからという人もいるかもしれませんが、仮にに付属高の早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院が甲子園に出ても今回のような盛り上がりはまず考えにくいです。
多分私もそこまでは盛り上がれない気がします。
騒ぐのはOBだけでしょう。
それを考えると今回の慶応義塾高校優勝の盛り上がりは凄いと感じざるを得ません。
ツイッターである人が今回の慶応義塾高校の応援の熱狂を見ても分かるように慶応にも宗教性があるとおっしゃっていましたが、中らずと雖も遠からずという感じですね。
私の身近にいる慶応OB,OG(母、叔父)は愛校心があまりないですが、慶応OB,OGの愛校心の強さは凄いなと改めて感じました。
ただその分上手く馴染めないと結構辛い学生生活になるかもしれません。
私の周りにも上手く馴染めなくて苦労した慶応OB,OGがいます。
何はともあれ慶応義塾高校の優勝おめでとうございます!!
激戦の神奈川県を勝ち抜いて甲子園で優勝するのは素晴らしいことです。
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