英語コーチ、英日翻訳者の門田直樹です。
以前から学校英語への批判は根強いものがありますね。
林剛司先生がこのようなブログ記事を書かれています。
私も林剛司先生の意見に賛成です。
中高の英語教育が実用英語ではないという人が多いですが、現在の中高の英語の教科書には会話表現も多く採用されていますので、実用的でないとは私は思いません。
大学入試の英文も以前は英米の作家の小説の一節が採られていましたが、現在の入試の英文の出典はTIMEやThe New York Times, The Economistといった英米のメディアから抜粋されています。
大学入試の英文も十分実用的なものだと思います。
学校英語と実用英語の境界線があいまいになっている現在この2つを区別するのはあまり意味がないのではないでしょうか?
実用英語=スピーキングと考えるのは少し短絡的すぎます。
実用英語を一番必要としているのはビジネスパーソンだと思いますが、鳥飼玖美子先生や成毛眞氏がおっしゃるようにビジネスで一番必要なのはリーディングとライティングです。
話せないから学校英語はダメだというのは少し短絡的すぎます。
多くの日本人は英語が話せないと言われますが、それでも英語を話せる人はかなりいます。
そろそろ多くの日本人が英語が話せないのは学校教育のせいだと言うのは止めにした方がよいのではないでしょうか?
私達の先人達は私達よりはるかに恵まれない環境で高い英語力を身に付けられています。
故國弘正雄氏は戦時中だっためきちんとした英語の授業を受けることができず、かつ教材も教科書しかなかったため、教科書を数百回音読して同時通訳の神様と呼ばれました。
アメリカ大使館の同時通訳を務めた松本道弘氏は、関西在住のためFENが入らず、生の英語に触れる機会がなかったため、映画館に入り浸って映画を何度も見たり、TIMEを速読することで実用的な英語を身につけたそうです。
松本道弘氏は関東に来た時はFENが入るのが嬉しくて一日中聞いていたと著書のなかでおっしゃっていました。
こうした先人達に比べたら私達の英語学習の環境は本当に恵まれています。
インターネットが発達した現在であれば無料で生の英語に触れることができますし、安価でオンライン英会話のレッスンを受けることもできます。
本当に英語を話せるようになりたいと思うのであれば、学校教育がどうであれ主体的に学習することが必要です。
以前も書きましたが英語教育がいつもおかしな方向に進むのは英語教育へのルサンチマン(鬱積した恨み)が原因だと私は考えています。
日本人であればみんな学校で英語を学んでいますので、仕方ないと言えば仕方ないのですが・・・![]()
そろそろルサンチマンは脇に置いておいて英語学習に主体的に向き合いましょう。
学校教育がどうであれ、英語が身につくかどうかは本人次第です。
頑張りましょう!!
御意見、感想、大歓迎です。
