人が虎を殺そうとする場合はスポーツ、
虎が人を殺そうとする場合は狂暴と呼ばれる。
なかなか考えさせられる言葉ですね。
人は、自分中心にすべてを考えます。「雑草」や「害虫」などという言葉をつくって、その中にとり込み、区別していますが、草や虫たちにとっては雑草も害虫もない。それぞれに名前があり、一生懸命生きているわけです。
「雑草」ならばと毟り、「害虫」は叩き潰す。確かに、美しいとはいえず蔓延(はびこ)るだけの草は毟り取り、人に害をあたえる虫は殺すしかないのでしょう。・・・
動物園で見る熊は、なんとも愛らしく、見飽きませんが、野生の熊が人里に近づけば、即「害獣」です。猪や鹿も同じですね。何とか共存できないものかと思いながら、狭い日本では、なかなか妙案が浮かびません。
バーナード・ショー(1856-1950)は、物事を裏側から見るというか、辛辣な批評家でもあり、彼といえば思い出されるのは次の挿話です。
当時のイギリスの社交界で、著名な劇作家だったショーは人気者で、彼に近づく女性は少なくなかったそうです。或る時、その中のひとりが、こんなことを言って迫ってきたとか・・・
「あなたの頭脳と、私の美貌とが一緒になれば、どんなに素晴らしい子供が授かることでしょう!」
すかさず、彼は答えたそうです。
「確かにその通りでしょう。ただし、そうはうまく行かず、あなたの頭脳と、わたくしの容貌とを受け継いだ時には、これは最悪ですね!」
★バーナード・ショー(右)と、チャップリン(左)
★『マイ・フエア・レディ』もショーの戯曲『ピグマリオン』から