2月27~28日、草津温泉に単独で湯治に行って来た。

 

今回、草津温泉に行くことにしたきっかけ、目的は、

  • 身体を動かしまくるアウトドア・アクティビティを敢えてやらず、疲れを取るためだけの「湯治旅」をしたい。
  • 去年(一昨年?)頃に運行が始まった吉祥寺⇄草津温泉の長距離バスに乗って行きたい。吉祥寺なら(長距離高速バスタのある)新宿や渋谷に比べても自宅に近いし、バスなら安いから。
  • 日本百名山の1つである草津白根山は、噴火の影響で登山コースが立入禁止になって以来久しい。また、草津には18ヶ所の無料共同浴場があり、かつては部外者=観光客も自由に入れたが、コロナ禍以降、湯畑周辺の3ヶ所を覗いては地域住民以外入浴禁止になったという。現地に赴くことで、それらの実状を知りたい。
といったところ。2月の勤務シフトが出て、たまたま2連休になった平日があったので、予約を入れて行ってみた。
 
遊歴:2025年2月27~28日
 
2月27日、5時起床、6時自宅を出発、7時に武蔵小金井駅でJR中央線に乗車。吉祥寺駅に到着し、象の花子像を目印にバス乗り場へ。7:40、バス発車。乗客数は7割程度。俺は1人旅なので、隣の席が空いていて快適に使えた。途中、上里SAで30分程度の休憩もあり、予定時刻の11:20を少し過ぎた頃、草津温泉バスターミナルに到着。
 
 
草津温泉バスターミナルにて、吉祥寺駅からの長距離バスを撮影。料金は往復7200円(税込)。ネットで事前予約のクレカ支払い。まあ、お得と思われる。
 
草津温泉バスターミナルに観光案内所があるので、地図やリーフレットを入手する。ここで草津白根山についての情報が得られるかと思っていたのだが…資料は何もない。バスのチケット売り場には草津白根山方面への路線図や料金表が提示されていたが、それらすべてに「現在運行中止」との張り紙がなされている。この運行中止というのは、噴火の影響なのか、冬期だからかは不明。
 
なお、俺が草津温泉に来るのはこれで5回目。最初に来たのは2003年9月で、直近では2012年10月。いずれも車で、うち2回は他の地を旅行した後に寄った。1回は常布の滝下温泉、常布の滝を訪れた帰りに寄った。直近の1回はロードバイクを持ち込んで、当時は観光客も入れた18ヶ所の無料共同浴場を回れるだけ回った。結果、4回で18ヶ所中17ヶ所の共同浴場に入った。
 
残りの未入湯1ヶ所は長栄の湯。しかしこの無料共同浴場は現在、地域住民以外入浴禁止である。また、近年になり19ヶ所めとして「碧乃湯」なる無料共同浴場ができたらしいが、これは閉業したペンションの湯を改装したもので、こちらも地域住民以外入浴禁止とのこと。
 
バスターミナルを出る。時刻はちょうどお昼時。目星をつけていた店に行くことにする。バスの車窓から見えていたので場所はわかりやすい。
 
 
 
とんかつの店「とん香」にて、ロースかつ定食税込1980円(税込)を食す。普通に美味いが…あまりに厳しい昨今の価格高騰。なお、この店の名物はジャンボロースかつ定食2420円なのだが、12時過ぎに入店した時点で売り切れていた。
 
 
「とん香」に面する道をさらに進むと「温泉門」なる道にかかるオブジェがあり、大きな足浴槽がある。昔はこんなのはなかったが。草津温泉ではインバウンド需要に対応し、近年、こういうオブジェを結構造っているようだ。
 
宿のチェックイン時刻は14時だが、先に荷物だけ置かせてもらえることになっているので、宿を目指して歩く。
 
 
宿に向かう途中でたまたま見つけた無料共同浴場「千歳乃湯」。「住民以外入湯禁止」の旨、入口に大きく張り出されていた。外観のみ撮影。
 
 
移動途中、「スーパーもくべえ」の場所を確認。旅行中とはいえ、この物価高で外食ばかりをしていたら家計が破綻してしまうため、このスーパーで夕食を見繕うことにしていた。
 
 
たまたま見つけた無料共同浴場「喜美乃湯」。こちらにも「住民以外入湯禁止」の旨、入口に大きく張り出されていた。外観のみ撮影。
 
昔、草津温泉の醍醐味といえば、観光客でもアテもなく歩いてて、たまたま見つけた無料共同浴場に「ひと風呂浴びるか」とふらりと入って汗を流す、みたいなことだったのだが…。観光客が利用できなくなったのは、きっかけはコロナウィルス感染予防のためというが、今は正直、だいぶコロナ(が怖いというイメージ)は和らいできている。それでも入湯禁止を続けているのは、おそらくはインバウンド需要が進み、いわゆるマナーの悪い外国人観光客の入湯を防ぐためでもあるのだろうが…それにしても、世知辛い。
 
 
戻って来るように歩いて、草津温泉バスターミナルの前を通る。駅舎は一部、改築中であった。
 
 
 
宿の近くの草津山「光泉寺」。敷地内には茅葺屋根の釈迦堂や五重塔もある。本尊と釈迦堂は草津町指定文化財らしい。
 
 
宿の「飯島館」に到着。光泉寺と湯畑周辺とは標高差があり、長い階段で繋がっているのだが、その階段と平行するような感じの急な坂道の途中にある。顔を出し、草津には間違いなく来ていることを示す。チェックイン時刻には早いため、荷物だけ置かさせてもらう。
 
 
 
宿から適当に坂道を下りて行ったところ、湯畑ではなく「裏草津」なるエリアに着いた。観光客でも入れる無料共同浴場「地蔵乃湯」に入って温まる。源泉は地蔵源泉。湯温は熱め。入湯者が多かったため、内部の撮影はできず。
 
 
 
地蔵乃湯から出た後、源泉の「地蔵源泉」を撮影。
 
 
 
「顔湯」なる設備(?)もあった。木枠の窓に顔を突っ込んで、硫黄の蒸気を浴びるというものだが、ほんのりぬるい感じしかしなかった。他には手洗い湯、足湯もある。それらを利用する人々から聞こえて来るのは中国語。最近ではこのエリアを「裏草津」と名付け、こういった新しい設備を造ることでインバウンド需要に応じているようだ。
 
 
地蔵源泉の近くの宿「月洲屋」。かつて、エアコンが普及していなかった時代に勉学生に使われた「勉強宿」で、その後も自炊ができて安く泊まれる湯治宿(但し要3泊以上)だったらしいが、2020年頃から現在まで休業しており、現在は廃墟感がある。こういう味のある宿に泊まってみたかった…。
 
続く。