ウニーポッターには
大好きな事もたくさんあるけど
大嫌いな事もたくさんある。



寒い朝。
ボール遊び。
お腹が空いた時。
みんなの前で話す事。
たくさん走る事。
ツルッとしたカエル。
大きなイモムシ。


そうして、、、

お人形。

お人形は、嫌いというより
怖いんだ。

小さな頃から
お人形のある部屋には入れない。
怖くて入る事が出来ない。


それなのに。

夕暮れ時の
日の入らない薄暗い蔵の中で
ホコリだらけの箱を開けて出て来た
お人形達。




ウニーは小さく悲鳴をあげて
それから慌てて箱を閉めた。


奇しくもその日は
3月3日。

お人形達の出して欲しいという
願いだったのだろうか。





それでも。


今、この夕暮れ時に
このお人形全てを出すわけには行かない。


乱雑に投げ入れられた
色々な中身の入った箱のせいで
お人形だけ抜き出すなんて
出来っこない。


ごめんよ。
今はみんなを外に出してあげる事は出来ないよ。
でも必ず
外に出してあげるからね。



ウニーは
お人形達に小さな声で謝った。



そうして
ダンを困らせるためだけに

いくつかの
ホコリだらけの箱を抱えて
秘密の蔵を出た。



ダンの元に戻ってみると
まだプリプリと怒っている。


ダンの横で
1番大きな箱を開けてみる。


箱には
○○百貨店特別お誂え
書いてある。





中には、、




あっ!








ウニワーズの
※うに田家ね
プリンスが着たであろう
子供用の裃が!



ねぇ!
ダン!ダンたら!
見てごらんよ。
ウニワーズのプリンスが着た
裃だよ。

へー。

ねぇ‼︎
ダンたら!
コレを着たプリンスは
一体だれなんだろうね。

ボクはしらないよ。





秘密の蔵には
謎のプリンスの裃
隠されていたんだ。



謎のプリンス、、
一体誰なんだろう。





いつかダンと仲直りしたら
ゆっくり話してみよう。


お人形の事。
謎のプリンスの事。

やっぱり1人では何にも出来ない事。
2人でやったら
どんな事だって楽しいって事。



そこまで考えた時
一つの可能性に気がついた。




あ!
ねぇ。ダン?
謎のプリンスって
もしかして、、


ダンはまだまだプンプン怒っていて
何にも答えない。



でも、ウニーは
その横顔を見ていたら
自然と笑いが込み上げてきた。


気がつくとあたりは暗くなって
一番星が輝いていた。


終。


長々とくだらないお話に
お付き合い下さいまして
ありがとうございます。

お人形さんは怖いからこそ
あんな雑な保管方法で
置いて置くのも怖くてね💦

ただ今は
蔵の中がぐちゃぐちゃで
上手くお人形が取り出せないので

全てが落ち着いたら
蔵の中を全て整理してみて

その後
早めに箱から外に出してあげて
人形供養をしたいと思います。