こちらの続き





ウニーポッターは普段は

ノロマな怠け者だけど、


怒っている時だけは

働き者になる。


だから。



この時も

コマネズミのように働いた。




ダンを思いっきり困らせてやるんだ!



そう思って

ほんの数週間前に封印をした

秘密の蔵を2番の鍵を手に取る。







がちゃり。



この前と同じ様に

蔵の中の

しっとりとした空気が

ウニーをつつむ。



この前は

たくさんの真綿を見つけ出して

片付けるだけで

精一杯だったんだ。



今回はもう少し奥まで

進んでみよう。




、、、。


あちこちから

糸紡ぎの道具

脚付きのお盆が出てくる。



蔵には

封印した人の人柄が現れている。


ウニーはそう思う。





例えば

米蔵は埃だらけとはいえ

わりと整然と

カテゴリー別に古い物が並んでいた。


ここは

ダンの父親が片付けたんだと思う。



じゃあ

秘密の蔵は?



ここは、、

多分、、、、


いや、


絶対に

ダンの母親だ!

汚義母よ。



雑然とした色々な所から

同じ様な物が出てくる。



しかも

多分投げ入れたんだろうか。



一部は箱が

グズグズに崩れている。




恐らく

50年以上前の

お盆の提灯。


もう、

名前すら知らない

はるか昔の

ダンのご先祖の教科書。


ホコリだらけで

剥き出しの掛け軸。



触るのも

中を確認するのも嫌だ。




それでも

黙々と手を動かす。




するとやはり

ソレはあった。



ウニーがこの秘密の蔵を見た瞬間から

恐れていた物が。




それは、、




たくさんの日本人形。





恐らくダンの姉2人の人形。

かつてのウニワーズのプリンセス2人

幸せを願って飾られていた人形達。


ひな祭りにお雛様以外に

親類から貰う


菊人形。

藤娘。

翁人形。



今までは何でも

頑張って片付けて来た。



あぁ。



でも、、



これは一体どうしたら良いのだろう。



奇しくもこの日は

3月3日。




ウニーは頭を抱えた。

実はウニーは人形が大の苦手。







続く。