スペース1999(SPACE:1999 1973~76)

解説
それは「UFO2」の製作が事実上キャンセルになった時からスタートした。
「UFO」のアメリカでの視聴率が良かったことからその続編のオファーが来て製作準備をしていた「2」だったが、後半のエピソードの視聴率がいきなり低下し尚且つルー・グレイドもまた前の作品の続編を快く思っていなかったので準備もかなり進んでいた作品がキャンセル同様になってしまいジェリーは途方に暮れていた。
だが、もう予算の計上まで進んでしまった作品なだけにその対策を考えなければならなかった。そして「UFO2」はルーの許可を貰って全く新しい作品として製作されることとなったのだ。
これにジェリーは喜んだものの次第に高額のテレビシリーズを製作しなければならないというプレッシャーに襲われることとなった。
今度のシリーズの舞台は主に月でのアクションがメインとなるために新しいより巨大なムーンベースの設計が行われた。
それを知ったエイブ・マンデルは地球でのアクションもあるのかどうかを聞くためにジェリーに電話をかけてきた。
「いくつかはあるよ。ただメインは月をメインにした物語になるけど」と言ったジェリーだったがマンデルの反応は予想にも反してそれには否定的だった。そこでジェリーは月で核廃棄物が爆発しその衝撃によって地球の軌道から外れムーンベースは宇宙をさ迷う話にしたらと提案しマンデルはそのアイデアを気に入って製作準備に入った。
1973年の夏に新しいシリーズのタイトルとして「UFO2」はやがて「MENACE in SPASE」や「SPACE PROVE」などタイトルとなりアイデアが出されたものの決定にはならなかった。
というのもエイブ・マンデルはアメリカに輸出するためにはアメリカの監督と脚本家を起用しなければアメリカ受けしないという考えに固執していたからであった。やがてジェリーの処にアメリカ人脚本家ジョージ・べラックが派遣されてきた。ジェリーのコンセプトをアメリカの人にわかりやすくするという目的のためにである。
彼と共同に検討した結果、「THE VOID AHEAD」となり更に改題されて「TURNING POI

NT」となった。
しかしシリーズタイトルは仮題としていた「スペース1999」が最終的に採用された。
ジェリーは従来の作品同様にストーリーのコンセプトを作る際には科学者などのアドヴァイスは受けなかった。そしてシリーズの準備をするにあたっては出資者や支援をしてくれる人々の機嫌を損ねないように細心の注意を払った。重要な市場はアメリカで彼等の機嫌が損ねたらセールスは失敗しお蔵入りになることは間違いないからだ。
そして独断的という印象を与えないよう配給業者とバランスよく付き合うよう努力しながらヴィジョンを保って番組制作を進めるという手段に出たのである。

ITC/ITP製作配給全作品リスト

このリストはITCが製作あるいは配給した全ての作品を掲載している。ちなみに1992年以降はITC自身の新作の製作はストップしている。更に1999年に代表のルー・グレイド社長が他界し作品などの権利は1995年にポリグラムに売られていたがポリグラムが更に某社に合併したためにカールトンエンターテイメントに売却されて現在ではITCは事実上消滅している。しかし、今年(2004年)サンダーバードの映画化とライブラリーの表記に伴ない(製作はITC/ポリグラムの系列会社であるワーキングタイトル社)名義だけは復活している。

なお、基本的に原語タイトルのみで掲載してることをご了承下さい。

(何せ資料不足で判明していない作品もありますので(^_^;)

tTHE ADVENTURES of ROBINHOOD(1955-60)

FURY (1955-59)

THE COUNT of MONTE CRISTO(1955)

SAILOR of FORTUNE(1955)

THE ADVENTURE of SIR LANCEROT(1956)

THE BUCCANEERS(1956)

THE SCARLET PIMPERNEL(1956)

THE ADVENTURE of WILLIAM TELL(1957)

THE LAST of THE MOHICANS (1957)

THE NEW ADVENTURE of CHARLIE CHAN (1957)

O.S.S (1957)

THE SWORD of FREEDOM(1957)

WHITE HUNTER (1957)

THE ADVENTURE of TUGBOAT ANNIE (1958)

CANNONBALL (1958)

THE FOUR JUSTMEN (1959)

INTERPOL CALLING (1959)

H.G WELLS INVISIBLE MAN (1959)

NEW YORK CONFIDENTAL (1959)

DANGERMAN1 (1960)

GHOSTSQUAD 1 (1960)

WHIPLASH (1960)

SUPERCAR (1961)

FIREBALL XL5 (1962)

MAN of THE WORLD (1962)

THE SAINT (1962-68)

SIR FRANCIS DRAKE (1962)

ESPIONAGE (1963)

THE SENTIMEENTAL AGENT (1963)

COURT MARTIAL (1964)

DANGERMAN 2 (1964-67)

THE FOREST RANGERS (1964-67)

GIDEON's WAY (1964)

SEAWAY (1964)

STINGRAY (1964)

THUNDERBIRDS (1965-66)

THE BARON (1966)

CAPTAIN SCARLET and the MYSTERONS (1967)

MAN in A SURRCASE (1967)

THE PRISONER (1967)

THE CHAMPIONS (1967)

GOODBYE AGAIN (1968)

JOE90 (1968)

STRANGE REPORT (1968)

DEPARTMENT S (1969)

RANDALL and HOPKIRK DECEASED (1969)

THE SECRET SERVICE (1969)

UFO (1970)

FROM A BIRD's EYE VIEW (1971)

JASON KING (1971)

THE PERSUADERS ! (1971)

SHIRLEY's WORLD (1971)

THE ADVENTURER (1972)

KOPYCATS (1972)

THE PROTECTORS (1972-73)

THE ZOO GANG (1963)

MOSES THE LAWGIVER (1975)

SPACE 1999 (1975-76)

THE MUPPET SHOW (1976-81)

JESUS of NAZARETH (1977)

RETURN of the SAINT (1978)

BONKERS ! (1979)

SAPPHIRE and STEEL (1979-82)

HAMMER HOUSE of HORRER (1980)

SHILLINGBURY TALES (1981)

SEAGULL ISLAND (1981)


 


ロンドン指令X(The SECRET SURVICE 1969)



解説

「ドッペルゲンガ―」を製作した直後、ジェリーの作品に対する向上心はとどまることを知らずまた新たなるスーパーマリオネ―ション作品の可能性を追求した。それは従来のような21世紀の世界が舞台となる作品ではなく設定を近未来としよりリアルな世界観をもって製作することだった。それは「ドッペルゲンガ―」の時にパインウッドスタジオでスタンレー・アンウィンと出会ったときに本作品のストーリーを思いついたという。ジェリーはスタンレーのテレビやラジオ番組が好きだったため迷うことなく今度の新作に彼を主役にしようと思ったのだ。

当初この作品は実際の俳優を使い完全な実写作品とする予定だったのだが、ルー・グレイドが承知しなかったので今回は妥協案としてアップには人形、ロングショットなどには実際の人間の俳優というふうにこれまで以上に人間と人形を融合させ、そしてセットとロケーション撮影の違和感を払拭させようと努力をした作品であった。撮影にはまずロケーションから始めてあとで人形の部分を実景ロケにセットを合わせるというこれまでの作品と逆の方法で行われた。そして撮影は順調に行われたが第一話の完成試写でルーがクレームを出したために製作は打ち切られるかたちとなり僅か13話のみの製作放映となってしまった。原因はスタンレーの喋り具合が訳が判らず(アンフィニ―というギャグ風の喋り方が当時イギリスで受けていた。ただこれは訳の判らない喋り方だったのでイギリスでは知ってても他国では全く不明のために輸出の際には不利となった)しかもイギリスを舞台にしたためにローカル向けの番組になってしまって海外に売るときに不利になってしまったからだった。皮肉にもこれがスーパーマリオネ―ション最後の作品となってしまった。アンダーソン作品の人形映画はこの後、1983年の「テラホークス」まで待たなくてはならない。(もっとも1973年に「The INVESTIGATOR」という作品を手がけているが未公開に終わった)

この作品は以上の理由でアンダーソン作品の中では最もマイナーな作品となってしまったが人形などの出来は最高にリアルなもので実際のスタンレーと人形のスタンレーとの違和感はなかった。また本作品の主題歌は「スーパーカー」セカンドシリーズ以来だったマイクサマーシンガーズがアンダーソン作品に久しぶりに担当し美しいフーガを聞かせてくれる。思えば「スカーレット」以降、急にリアルかつ地味な作風となってしまったために人気が嘘のように落ちたのだと思う。つまりはリアル過ぎたのだ。私はこの作品に関しては未見なのだが日本版は「スタートレック」のミスタースポックで有名な久松保夫がスタンレーの声をあてており少なくとも本国版での違和感を払拭出来たのだと思えるのだが。(アンダーソン作品は日本語版のほうが違和感なく見れるしこっちのほうが個人的に好みである。)