バーゼルワールドで発表される新作というと、最も注目を集めるのがやはりロレックスですね。
バーゼルワールド2019ではファン待望のGMTマスターII第二弾で新型青黒ベゼル―通称バッドマン―Ref.126710BLNRをシリーズに加えたり、シードゥエラー史上初となるステンレススティール×イエローゴールドコンビRef.126603を登場させたりと、例年通り話題をさらいました。
2020年は、スウォッチグループに続いてブライトリングが同見本市出展を見合わせることが判明し、盛り上がりが危惧されています。一方で「ロレックスさえいれば安泰」と言われていることも事実。
そんな万人の胸躍らせる―あるいは憶測にやきもきさせられるロレックスの新作。この度はどのようなモデルがリリースされるのでしょうか。
この記事では、バーゼルワールド2020に先駆けて、ロレックスの年新作を大胆予想いたします!
 
近年のロレックスの動向。それは、順次「新世代」と呼ばれるムーブメントを搭載し続けていることに他なりません。
2015年にロレックスのハイエンドシリーズ「デイデイト」にてCal.3255をお披露目して以来、
バーゼルワールド2018では新型ディープシーでCal.3135⇒Cal.3235、GMTマスターIIはCal.3186⇒Cal.3285へ・・・
このように、2000年頃から活躍してきた3100番台ムーブメントが、順次3200番台へと変更されていくようになりました。
もちろん3100番台もまた名機であることに間違いありません。
Cal.3000の後継機であり、精度・信頼性の面で格段のアップデートを行い、当機械よりノンクロノメーターはロレックスのラインから姿を消しました。
そんな名機のさらに上をいき、ロレックス自身が「新世代」と自負する3200番台ムーブメント。大きな変更点は約70時間のロングパワーリザーブを獲得したことでしょう。3100番台までは48時間だったことを考えると、約1日分もの延長を実現したということになります。
加えて、ロレックスが特許を取得した、新しいクロナジーエスケープメントによる高いエネルギー効率と信頼性。さらにニッケル・リン合金を使用し、高耐磁性をも獲得していること。カレンダーをどの時間帯でも日付変更可能にしたことも特筆すべき特徴です。
 
②新型WGサブマリーナ Ref.126619LBの登場
116610LNが登場するよりも前の2008年。
サブマリーナ史上初となるホワイトゴールド製モデルとして登場したのがRef.116619LBです。
これまでイエローゴールドモデルは存在しましたがスポーツウォッチとしては異例のWG。「これほどまでに上品かつ気品あるダイバーズウォッチがあっただろうか」と大きな話題になりました。
ちなみにロレックス人気を一気に押し上げたプラチナ(またはゴールド)コーティングのセラクロムベゼルが搭載されたのもサブマリーナとしては当モデルが初です。
そんなロレックスにとっても私たちロレックスファンにとってもどこか特別な存在のこちら、やはり新型ムーブメントCal.3235を搭載してアップデートしてくるのでは、と予想します!!
さらに、最近これまたロレックスが順次押し出していっているオイスターフレックスを搭載させてくるのではないでしょうか!?
オイスターフレックスは2015年、ヨットマスターRef.268655およびRef.116655に搭載された次世代ラバーベルトです。ちなみにこれまたロレックス史上初となります。
一般的なラバー素材ではなく、「ブラックエラストマー」(エラストマー=「erastic(弾性のある)」+「polymer(重合体)」を合わせた造語)という極めて豊かな弾性を持つゴム状の高分子物質が使われていることがミソ。
この物質をコーティングすることで、メタルブレスレット並みの堅牢性や防水性が確保されることとなりました。
こういった実用性もさることながら、ラバーというスポーティー寄りの素材が、ラグジュアリー感の強いロレックスモデルにベストマッチなのです!
 
③新型エクスプローラーIIの登場
ここ数年時計業界で、いよいよかと憶測が飛び交う新型エクスプローラーII。そろそろ出てもいい頃ではありませんか?
2011年に20年ぶりのモデルチェンジを果たし、以来愛され続けてきた現行Ref.216570の黒・白文字盤。エクスプローラーIの上位モデルで、24時間針とツヤ消しされたベゼルが非常に男らしく、「探検家」の名前にふさわしい一大コレクションですね。
実は、昨年バーゼルワールド2019予想では、新世代ムーブメントを搭載した新エクスプローラーIIが当店予想の大本命でした。
と言うのも、エクスプローラーIIに搭載されてきたCal.3187。実は旧型GMTマスターIIで採用されてきたCal.3186と同系統です(前世代のRef,16570ではCal.3186と同一ムーブだった)。
ちなみにCal.3187と3186は機能自体は大きくは変わりませんが、前者は耐震装置となるパラフレックス ショック・アブソーバが搭載され、より利便性が増しています。
GMTマスターIIの全てのモデルが新世代ムーブメントへと移行された今、次はエクスプローラーIIにテコ入れされ、新ムーブメントCal.3285搭載機が出るのではないか、と予想します!!
新リファレンスは確定ではありませんが、これまでの流れを鑑みてRef.226570とさせていただきました。
さらに、こちらも時計業界では根強い噂なのですが、2019年新作エクスプローラーIIで、ついにセラクロムベゼルが採用されるのではないか、ということも予想してみます!!
WGサブマリーナのところでも言及したセラクロムベゼル。
ロレックス独自技術によって製造したセラミック製ベゼルに、プラチナやゴールドでコーティングを施した仕様です。アルミやメタルにはない、えも言われぬ高級感を備えるとあって、もともと高かったロレックス人気を大きく飛躍させることとなりました。特に2016年に発表されたデイトナ116500LNにセラクロムベゼルが搭載させたことが大きな契機でしたね。
その後、ロレックス相場がかつてないほど上昇したことは周知の通りです。