社説で鹿児島県警の不祥事疑惑について、厳しく批判する新聞社も出てきた。

警察庁の野川本部長の「不祥事隠蔽なし」という対応にも明確に反論している。

 

以下上記社説から引用

 

「疑念は晴れるどころか深まるばかりだ。このまま幕引きをさせてはならない。

 

  不祥事のもみ消し疑惑を巡り、鹿児島県警は記者会見を開いて原因分析と再発防止策の報告書を公表した。 

 枕崎署員によるトイレ盗撮事件について、前生活安全部長=国家公務員法(守秘義務)違反罪で起訴=が「本部長の隠蔽(いんぺい)指示があった」と内部告発していた。野川明輝本部長は会見で、改めて隠蔽を否定した。 

 しかし報告書や野川氏の説明は依然として不自然な点が多く、説得力に乏しい。 

 

 報告書によると野川氏は昨年12月、この事件について「署員が犯人の可能性がある」と報告を受けている。

  野川氏は捜査の継続を指示したというが「万が一その署員が犯人だった場合、同様の事案が起きるようなことはあってはならない」と考え、この署員を含む全枕崎署員を対象に、盗撮などをテーマにした不祥事防止の研修を急きょ実施させていた。 

 

 問題の署員に「疑われているぞ」と教えるようなものだ。証拠隠滅の恐れさえある。この不可解な対応に野川氏から納得できる説明はない。

 

 霧島署員によるストーカー規制法違反事件では、防犯カメラの映像に署員の車が写っているのを捜査員が確認し、一部を静止画に残して映像を消去した。県警は証拠として保全しなかった不手際を認めつつ「隠蔽の意図はなかった」と繰り返すだけだ。 

 

 県警は警部補以下が本部長に直接提言する組織を設置するなど再発防止策を示したが、真相究明なしに再発防止などあり得ない。

 

・・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・

 

 信じ難いのは警察庁の対応だ。不審点だらけにもかかわらず、特別監察で「隠蔽なし」と早々に結論付けた。 

 

 野川氏には、現場へのきめ細かい確認と指示を怠ったとして、警察庁長官訓戒の処分を出しただけだ。健全な組織を願い不正を暴いた前部長は逮捕されたのに、である。 

 

 国民の目には、警察庁も隠蔽に加担していると映っていよう。警察組織全体に不信感が募っていることに気付くべきだ。再調査を強く求める。」以上

 

 

 

鹿児島県議会が百条委員会を設置するのかどうかが問われている。