いよいよ、あの読売も一応以下の報道だけはしたようだが、問題の本質を突くような書き方ではない。
この不祥事の本質は、これまでも指摘したように、
1、公益通報制度の存在そのものを無にする、通報者の「逮捕」という愚行
2、報道機関の命綱である「情報源の秘匿」を乱暴にも「家宅捜索」の強行で事実上
権力側が反故にしてしまった愚行
3、公益通報で不正隠蔽の疑惑の対象者とされた野川本部長をして、この事案の捜査
指揮を続けさせ、もし告発が正しければ、本部長が証拠隠滅を図ることを可能にし
たという愚行
4、犯人の「逮捕」発表の当日に、同案件で「家宅捜索」を実行した異常さとその
理由が事実上全く合理性のないものだったことで、結局その目的がパソコンの押収
だったことがバレバレとなった、性急で稚拙な「家宅捜索」という愚行
の4点の問題なのだ。
現状マスコミは、1と2については批判し始めているが、特に3の問題は極めて重要な視点で、絶対に許してはいけない問題だということは明らかなことだ。
しかし、現状では、誰もこの点を指摘しようとしないのは何故なんだろう。
『監察』に入る前に、「隠蔽は無かった」と警察庁がコメントしてしまった。
そりゃそうだ、犯人に証拠隠滅をやるように自らが指示していたようなもので、隠蔽の証拠が残っていたはずは無いのだからな。
前のブログで紹介したように、広島県警では、監察官自身が率先して不正の隠蔽をしていたことが報道されている。
この警察庁の有り様は、まさにそれを繰り返しているようなもんだ。
ずっと以前から、鹿児島県警の事案について相談も受け指導してきたはずだと思うが?
ズルズルと同じ土俵に乗って指導をしてきたんだろうな?
灯台下暗し、みたいな話か?
論理的にも、そこに「正義」はあるんか!?ということだ。
権力の不正を暴くのはジャーナリズムの本来使命だ。
マスコミは何をしている?
4については、これからの裁判で証拠の開示がなされないと、今の段階では疑惑でしかないが、実際上県警の動きを見れば、それは説明がつく話だ。
ただ、問題は4月3日時点で「ハンター」へ本田氏の告発資料が送られていたことを何故鹿児島県警が知っていたか?
という点については、自白や告発が無ければ闇の中のままだろう。
いずれにしろ、この問題は、日本のジャーナリズムの死活=言論の自由と民主主義の否定にかかわる問題だということだ。
テレビ西日本のこの記事は、まだチャント事件の経緯をしっかり書いてます。
一読をお勧めします。