昨日のブログで以下の対談記事を基にこの問題について書いたが、ちょっとわかりにくい点もあったので、あえて再度整理してみた。

 

上記の対談で、まず経過を書いてあるので、それを基にして問題点を整理する。

 

以下上記から引用

 

蓮舫氏は1967年に台湾籍の父と日本人の母の長女として日本に生まれる。

当時の日本の国籍法では父親の国籍しか取得できなかったため、台湾籍として日本で暮らした。

日本と台湾が断交した1972年以降は中国籍の表記となり、その後1985年に日本の国籍法が改正され、父親だけでなく母親が日本人の子どもについても日本の国籍を取得することができるようになった。

その経過措置として、改正法の施行前に生まれた蓮舫氏も、1985年1月21日、17歳の時に届け出により日本国籍を取得した。

 

蓮舫氏は同じ時期に父親と大使館に相当する台北駐日経済文化代表処を訪れ、台湾籍を放棄する手続きをしたと記憶し、過去にそう説明していたが、昨年9月6日の会見で「代表処での父親の台湾語が分からなかったので、実際にどういう作業が行われていたか分からなかった」と説明を修正。

同じ日に、念のため台湾国籍を放棄する書類を提出し同時に国籍について台湾側に問い合わせたところ、9月12日に「戸籍が残っている」との回答があった。

その後9月23日の会見で、台湾当局から台湾籍放棄の手続きが完了し、その証明書が届いたと明らかにした。

・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

上記を整理すると以下のようになる。

 

1967年 日本生まれ、当時の日本の国籍法で父親国籍の「台湾籍」

1972年 台湾との断交により「中国籍」となる。 

     *台湾籍は手続きなしなので台湾の戸籍は残っている状態だが、法的には

     中国籍だけだ。

 

1985年 国籍法改正により、1月届け出により「日本国籍」取得。「中国籍」は当然

     抹消。

     *このとき、17歳の蓮舫氏は父親と大使館に相当する台北駐日経済文化代

     表処を訪れ、台湾籍を放棄する手続きをしたと記憶

 

     <この間2016年までの31年間、法的な国籍は日本だが、台湾には戸籍が

      残っていたことになる。>

 

     しかしながら、戸籍が残っていたとしても、実際に台湾国籍を利用して何

     かをしたかどうかということは別問題であり、日本の法律上は日本国籍し

     かない。

 

2016年 9月6日の会見で「代表処での父親の台湾語が分からなかったので、実際に

     どういう作業が行われていたか分からなかった」と説明を修正。同じ日

    に、念のため台湾国籍を放棄する書類を提出し同時に国籍について台湾側に

    問い合わせたところ、9月12日に「戸籍が残っている」との回答があった。

    その後9月23日の会見で、台湾当局から台湾籍放棄の手続きが完了し、その

    証明書が届いたと明らかにした。

 

 

八幡氏の主張は以下の通りだ。

「蓮舫氏は、生まれたときは父と同じく台湾(中華民国)籍だったが、17歳のときに法律改正で母の日本国籍も取れることになったため取得。23歳になるまでに国籍選択をすべきなのに放置し、しかも、参議院選挙の立候補時には「日本に帰化」したと選挙公報に虚偽記載した。

 結局、2016年に私から二重国籍のままの可能性を指摘され、だいぶ抵抗したが、同年10月7日に国籍選択宣言をし、台湾籍は抜いたようである。」

・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

しかし、この主張には重大な事実誤認と意図的な誇張があると、私は考える。

何故なら、日本は公式には台湾を国家として認めていない。

蓮舫氏の国籍は、日本の法律上は日本国籍しかないのだ、もし「台湾籍」もあるとしたら日本の法律ではそれは一つの中国の建前上「中国籍」となってしまうので、中国の国籍法がある限りそれは許されない話になり、絶対にありえない事なのだ。

台湾籍を持つことができるとしても、それは実際上は持てるという可能性があるということだということでしかない。

 

とにかく、選挙公報は法的に何の問題もないことは自明な話で、本人が帰化したと思っていて、実際日本国籍なのだから、それを虚偽というのは無理やりなこじつけだ。

 

 

それに、二重国籍だといろいろと美味しいこともできます見たいなことを書き連ねているが、

 

台湾の戸籍が残っていたとしても、もしそれで実際に蓮舫氏が台湾発行のパスポートを取得したとしても、それを利用して日本と台湾を行き来することは出来ないし、アメリカだって台湾を国家として承認していない以上同じではないのか?

 

ちなみにネットで調べると、

 

台湾国籍で日本へ入国するには?

90日以下の観光であればビザは不要

台湾は外務省が指定しているビザ免除国、地域に含まれており、台湾人で観光目的の入国であれば90日以下の滞在の場合、ビザは不要です。 同じく90日以下であれば商用、会議、親族知人の訪問を目的とした滞在もビザは必要ありません。

・・・・・以上

 

と出てくるが、蓮舫氏は日本国籍があるので、入出国の審査でパスできないはずだし、そのような問題をわざわざ引き起こすメリットは何もない。

 

なお、

台湾と国交を結んでいる国は?

対外関係

  1. 1 外交関係のある国(計12か国) 大洋州(3か国) ツバル、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国 欧州(1か国) バチカン 中南米・カリブ(7か国) グアテマラ、パラグアイ、ハイチ、ベリーズ、セントビンセント、セントクリストファー・ネーヴィス、セントルシア アフリカ(1か国) エスワティニ
・・・・・・・・・・・・・・以上
 
わずかにこれだけの国としか正式な国交がないんですけどね。
実際上上記の国々と行き来したとして、台湾籍がどれだけ美味しいのだろうか?
 
 
しかも、実際にこの31年間に、蓮舫氏が台湾に戸籍が残っていることを利用して、例えば台湾の選挙に参加したとか、何か具体的に国籍を利用した行為をやったのかどうかについては何も書かれていないのだけど?
 
記憶が不正確であって、実際上勘違いしていたとしても、だから二重国籍者で問題だとか言える話ではないだろう?
実際上この30年間に、台湾国籍を利用していったいどんなことをやっていたのか、キチンと事実関係を上げて非難しなければ、それはただの言いがかりだ。
実際法的には「日本国籍」しかないのだから。
 
蓮舫氏の言っていることを信じれば、台湾に戸籍が残っていたことを知らなかったわけで、例えば台湾に旅行するからと言って、日本国籍であっても誰でも普通に旅行はできるのだから、わざわざ台湾のパスポートを取得して出入国で問題を起こす必要もない話で、一体「台湾国籍」を利用することに何の得があるんでしょうね。
 
それとも、彼女は台湾のパスポートを所持していたんでしょうか?
 
しかも、2016年以降は、全く国籍に関しては法的にも、台湾の戸籍も無くなった以上問題は全く無いはずなんですけどね。
 
問題が残っているとしたら、それは台湾発行の証明書を受け付けた区役所=政府の行政上の手続きの問題で、国が2重国籍になることを認めるのかどうかということしかないのだろうが、それは蓮舫氏個人の問題とは関係ない、国の国籍法の運用の問題だ。
 
 
それに、この国の国籍法の運用問題について、あえて言えば、
 
台湾有事の場合は米軍の動きに連動して、自衛隊までが動員されて、中国の攻撃から台湾を守りましょうという話さえ出ている、台湾はそういう国なのだ。
 
だから実際に、台湾の国籍法によって、何らかの手続きが必要だと判断するのなら、事実関係を確認するために形式的に受け付けただけだ、とでも言って、中国の強硬な一つの中国論に反論して、法的には日本国籍しかありませんと言えばいいだけのような気もするけどね。
 
そこは、日本の中国に対する弱腰外交を改めればいいだけじゃないのかな?