今朝のヤフーニュースで以下の記事を見た。

 

 

(以下次の記事から引用)

東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が将来の経済的な被害の発生に備え、日本に損害賠償制度の創設を水面下で要求していることが分かった。日本は、処理水の安全性に問題はないとして拒否した。

 

これについて、ヤフコメでは中国のほうが多く排出しているから云々で大いに盛り上がっていた。

 

以下2つほど、ヤフコメを紹介。

 

 

(その1)

中国の原発が2022年に放出したトリチウム量は、福島第一原発の年間放出計画量の9倍にのぼることが、公式資料である23年版の原子力専門書「中国核能鑑」より明らかになったとのニュースがYahooニュースに掲載されていました。

 これが事実なら日本政府は何故中国にこのことを主張し、中国の姿勢を問題にしないのでしょうか? まして福島第一原発は科学的に問題ないことは国際的に認められているのですから、大義は日本にあると思います。

 外交は駆け引きかもしれませんが、主張すべきことを主張するのは当たり前なのではないでしょうか?

 

 

(その2)

それならば世界を巻き込んで、トリチウム以外に工業廃水なども含め、悪影響を及ぼすもの濃度を測定し、悪化させている国が相応に負担して賠償すべきですね。

 中国は数倍支払う事になると思いますが。 少なくとも日本と中国が及ぼしている影響を比べて、受けている被害と比例させる必要がありますね。 万が一同じ量を輩出していても日本側から中国にどれだけの影響があるか疑問ですが。 

日本は拒否するというより、それに応じて支払うように枠組みをして、中国の方が汚染させていた場合請求できるようにするべきです。

 ついでに大気も測定しないといけないですね。

 勿論成立するわけはないですが、今の状況だと、中国の言ったことは真偽関係なく事実として流布されて、日本は賠償を断ったという事しか伝わりません。

 日本が汚染させていると信じている国からは日本だけの立場が落ちてしまいます。 受けの姿勢だけでは何も生まれません。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

私もつい以下のようにコメントしてしまった。てへぺろ

 

この記事には、中国の要求の中身が具体的には書かれて無いので、判断できないのだけれども、皆さん中国の方が放出量が多いとか批判されているが、世界中の原発で勿論日本も含めて放射性物質を放出しているが、放出にあたっては、国際的認められた排出基準を守ってやっている。

 日本では、稼働中の玄海原発の方が福島より通常運転中は排出量多かった。

 

 ところでお聞きしたいが、事故って廃炉になった原発に排出基準値ってあるのか?

無いよね。

 客観的には、事故後勝手に放出してる状態だよね。 

 

東電は今回の海洋投棄に際して、通常運転時の排出基準値を持ち出して、当面はそれでやると勝手に言っているだけで、それだって、廃炉の進捗次第で変えるとも言っている。

 

 基準値を守っているのも、基準値無いのに勝手に放出しているのも、同様に金出せとか言える根拠って一体何?

 是非教えてくれないか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

 

ヤフコメの投稿で特徴的なのは、これまでのプロパガンダで、事故を起こして廃炉になっている福島第一と、通常運転中で排出基準を守っている世界の原発と全く同じ土俵の上で論じてもいいような風潮が醸し出されているということだ。

 

 

この中国の賠償問題を、世界に訴えて問題にしましょうとか威勢のいいこと言っているが、もし日本政府がそんなことやったら、これは事故った原発の問題ですよねと言われて、結局日本が単独で基金を作らざるを得ないことになるのは明らかじゃないか?

 

だってほかの国は、国際的に認められた排出基準に基づいて、自国の法令で定めた通りちゃんと排出しているのだから、何が問題なの?どこも金を出せとか言えないだろう?

 

事故った原子炉に排出基準などないのは明らかだ。

だって、この排出基準なるものは、国際放射線防護委員会が、世界中の原子炉に当てはめる際に、自然にある放射線の10分の1になるように各種の原子炉の形式や出力などの規模に基づき定めたという記事を見たことがある。

 

 

 

まあ、いずれにしろ、各国で排出基準値に基づき放出しているのは、国が示した例の図表で明らかだし、排出基準値=放出管理目標値なるものが福島第一では22兆だったということでもわかる話だ。

 

IAEAが認めたとか言っているが、IAEAは「処理水」の放出が規制基準に基づいて行われていることを確認しただけで、別に22兆ベクレルで当面放出することがだ妥当だとか認めたわけじゃないだろう?

 

そんなこと認めるはずはないしね。

 

 

ただ、ふと思ったんだけど、国は例の各国でのトリチウムの排出量の図表とかでもそうだし、先日の中国でトリチウムが福島第一より多く流されていたとかの記事でもそうだが、なぜだか排出基準値を出したがらないのだが、一体なぜなんだろうと思った。

 

それで、福島第一で示された放出管理目標値なるものと排出基準との違いは何かとかググってみたりもしたのだが、まったくはっきりしなかった。

 

そして、環境省の以下の記事をヒットして、見てみて国が排出基準値に触れたがらない、その理由が分かった。

 

 

上記にはこの記事がある。

 

 

 

 

 

つまり、事故を起こした炉か通常の原子炉かは問わず、放出する際の規制基準さえ守っていれば問題ない。ということなのだ。

 

これって、結局、「薄めれば大丈夫論」と同じく、環境への排出の規制基準さえ守っていればいくらでも放出しても大丈夫という論理と同じだ。

 

じゃあ、なぜ世界中の原発に年間での上限値である排出基準値が設定されているんだ?

 

これはこれまでの公害対策の歴史で、人類が苦い経験を積み重ねて作った、総量規制という概念に基づくものだろう?

 

上限を設けて規制しないと、後でとんでもない災害となって人類に害を及ぼすからそう決めたはずだ。

 

それを全く無視している論理が、「薄めれば大丈夫論」だ。

 

さすがにそれだけでは問題にされるから、当面福島第一では22兆ベクレルを上限とするとしているが、そこには昨日も指摘したが、廃炉作業の進捗次第でいかようにも数値が変わることも書いてある。

 

そして問題は、この放出がいつ終わるかは、廃炉次第だということで、何十年続くのかさえ実際は判断できない状況にあるということだ。

 

通常運転の管理された原発と同列に論じること自体が無理があることを、いかにもごまかそうとしていることがよくわかる話だろう。

 

 

それにしても、原発推進派の無責任さにはあきれる。

 

そもそも、自然災害で想定外だと言ったが、危険性は指摘されていた。

それを御用学者を動員して、札びらでびんた張るような手法で自治体を納得させて進めておいて、実際に事故ってしまうと、誰一人まともに責任を取ろうともせずに、復興・賠償は国任せ税金任せの結局は国民負担のおんぶにだっこだ。

 

事故が無ければ、なかったはずの放射能を垂れ流しながら、それをすべて回収処分する気概もなく、トリチウムは手法はあるけどコストがかかるからと海洋放出とさっさと決めて、それを何とか当たり前かのごとく言い訳を繕っている。ムキー

 

マジで恥ずかしいとさえ思わない拝金主義者ばかりだ。

 

これじゃあ、裏金がっぽり稼いで脱税の罪の意識もない議員連中がはびこるわけだ。

 

先日のブログでも書いたが、福島第一の1,2,3号炉にある880トンの燃料デブリはいまだに1gも処分できていない。

 

処分保管の方法も、具体的には示されていない。

 

そして、ALPSで2次処理して放射物質は規制値以下に除去する、できる、確認したとなっているが、具体的にそれは証明されていない。

 

さらに、高濃度に汚染された放射性物質の除去フィルターなどの処分保管も問題となっているという・・・

 

課題山積で、どうしようもなく一番簡単な薄めて海に流す手法を取ってしまった連中が言うことを、どこまで信じればいいんだか?

 

お人好しもいい加減にしないと、気づいたときはもう手遅れの状況に陥っているというのが現実だろう。