どうも、政府の資料には説明がほとんどないので、自分で勝手に解釈してしまっていることがあるようだ。ショボーン

 

今回の22兆ベクレルに関する記事で出てきた、以下の資料を考えていたら、やっぱり勘違いしていたところがある。

 

 

この資料の数値は、私が思い込んでた排出基準値ではなくて年別の排出実績値のようだ。

 

そう考えざるを得なかったのは、以下の資料があるからだ。

 

この資料には出展が書いてあって、報告書より作成とある。

 

この資料は以前のバージョンがあって、そこには中国の原発は2019年の数値がある。

 

中国の泰山第三原発は2019年124兆、2020年143兆、そして記事による泰山が第三原発を指しているならば、2021年202兆ということなんだろうね。

だとすれば、原発の新増設がなければ、排出基準が毎年変わるわけはないので、報告書に基づく実績値ということだね。滝汗

 

 

日本の福島第一の事故前の2010年の実績値は2.2兆ベクレルということになるが、2010の泰山がわからなくても、2019で124兆もあるわけで、今勝手に上限としている福島第一の22兆を持ち出したとしても、もともと何倍も上回っているので、ニュースで騒ぐ意味はないよね。

21年の報告書で新たに数値がわかったとしても、それが排出基準値を超えていない以上、別に驚く話でもなく、ほとんど中国憎しのプロパガンダでしかないという、私の主張に変更はないけどね。グラサン

 

 

 

それよりも、気になったことは、福島第一の排出上限値の22兆ベクレルだが、調べてみたら、東電のHPには以下の記載があった。びっくり

 

「年間の放出量は、当面、事故前の福島第一原子力発電所の放出管理目標値である年間22兆ベクレルを上限とし、これを下回る水準とします。
なお、トリチウムの年間放出量は、廃炉の進捗等に応じて適宜見直すこととします」

 

つまり22兆の根拠は上記の記事にある通り、

事故前の福島第一原子力発電所の放出管理目標値である年間22兆ベクレル

ということなのだ。

 

で、この放出管理目標値という表現だけど、これって実質、排出基準値だろうと思うのだが、放出管理目標値と排出基準値の違いは何かググってみても、よくわからなかった。

 

ただ、この放出管理目標値なるものが実際にあったということは事実だし、それが実際の排出実績の2.2兆の10倍だということだということなので、私がこの22兆を福島第一の排出基準値(上限値)と思っていたとしても、不思議ではない話だ。ウインク

 

 

それで、振り返ってみて思ったのは、じゃあ図表で実績値だった各国の「放出管理目標値」は、一体いくらなんだろう?ということだ。びっくり

 

福島第一で10倍なら、泰山第三の202兆では一体いくらの数値が「放出管理目標値」(=排出基準値)なんだろう?5倍か10倍か?

 

まあ、各国が報告書でレポートした数値なので、少なくとも「放出管理目標値」をオーバーしているなんてことはありえない話だろう。

 

 

ますます笑える{22兆超えはけしからん比較論争}になりそうだね。てへぺろ

 

 

 

 

上記の「放出管理目標値」は以下のHPに記載されていたものだ。

 

 

(上記より引用)

 

ALPS処理水※1の海洋放出にあたっては、国内法令による安全基準や国際法・国際慣行等に基づいて、人や環境への影響※2を評価・測定し、その安全性を確認するとともに、公衆や周辺環境、農林水産品の安全を確保します。

※1 トリチウム以外の放射性物質が、安全に関する規制基準値を確実に下回るまで、多核種除去設備等で浄化処理した水
※2 海洋環境に及ぼす潜在的な影響を含む

海洋放出の工程について

ALPS処理水の海洋放出を行う際には、トリチウム以外の放射性物質の濃度が国の基準を満たすまで再浄化処理(二次処理)を行い、トリチウムの規制基準を十分に満たすよう海水で希釈します。

  • ❶ 再浄化処理

    トリチウム以外の放射性物質について、そのまま放出しても規制基準を満たすレベル※まで再浄化処理を行う

  • ❷ 処理水の分析

    第三者分析を行い、トリチウム以外の放射性物質が告示濃度比総和1未満であること、およびトリチウム濃度を確認する

海洋放出の工程について
  • 放出基準について

    放出水のトリチウムの濃度は、放出前のトリチウム濃度と希釈水量で評価し、1,500ベクレル/リットル未満とします。
    この濃度は、国の安全規制の基準※(告示濃度限度)である60,000ベクレル/リットルおよび世界保健機関(WHO) の飲料水水質ガイドラインである10,000ベクレル/リットルを十分下回ります。年間の放出量は、当面、事故前の福島第一原子力発電所の放出管理目標値である年間22兆ベクレルを上限とし、これを下回る水準とします。
    なお、トリチウムの年間放出量は、廃炉の進捗等に応じて適宜見直すこととします。

    ※国のトリチウムを含む水の環境放出の規制基準(1リットルあたり60,000ベクレル)は、原子力施設の放水口から出る水を、毎日、その濃度で約2リットル飲み続けた場合、一年間で1ミリシーベルトの被ばくとなる濃度から定められています。
    【参考】自然放射線から受ける被ばく線量(年間平均・日本)は約2.1ミリシーベルト

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  • 再浄化処理(二次処理)について

    多核種除去設備は、汚染水に含まれる62種類の放射性物質(核種)を、環境へ放出する場合の国の基準以下の濃度に低減する浄化能力を持っています。
    しかし、設備の不具合等により、環境へ放出する場合の基準を満たしていない処理水(告示濃度比総和1以上)が存在しています。この処理水*は、トリチウム以外の核種の告示濃度比総和が1未満になるまで、再浄化処理 (二次処理)を行い、さらにトリチウムの放出基準を満たすために、十分に希釈した上で放出します。

    処理水※の告示濃度比総和別(推定)の貯蔵量(2021年9月30日現在)

    再浄化処理(二次処理)について

    ※「10倍〜100倍」と「100倍〜」は、設備の不具合やより多くの汚染水を処理することに重点を置いてきたことにより発生したもの。割合は小数点以下四捨五入のため、割合の和が100にならない場合があります。

    閉じる

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

 

 

長々と引用したのは、2点とても気になることがあったからだ。

 

一つは、放出管理目標値に関して書かれているところで、

なお、トリチウムの年間放出量は、廃炉の進捗等に応じて適宜見直すこととします。

とされている点。

 

すなわち今は、とりあえず22兆だけども、廃炉の進捗次第でいくらでも上げますよと言っているような文言だよね。

実際どんどん上げんていかないと、とても30年で貯水タンクは減らないだろう。ゲッソリ

 

 

2つ目は、上記の記事の中にある図表で、最下部に海洋放出前の③放出口の部分には「取水した海水と混合し希釈を行う」と書いてある。

これは、国のトリチウムを含む水の環境放出の規制基準(1リットルあたり60,000ベクレル)を守るために、規制基準に合致するまで海水で希釈するのだが、

 

ところが、資源エネルギー庁の以下のHPでは、いかにも誤認するような説明が書いてあった。

 

 

(上記から以下引用)

 

日本の規制基準における、水中に放射性物質が含まれる場合の告示濃度限度は、以下のようにさだめられています。

水中における告示濃度限度
放出口における濃度の水を、生まれてから70歳になるまで毎日約2リットル飲み続けた場合に、平均の線量率が1年あたり1ミリシーベルトに達する濃度

「放出口における濃度の水」とはどういう意味でしょうか?理科の授業で習ったように、水の中に何かの物質を混ぜた場合、水の量を増やせば増やすほど、希釈され、その濃度は低くなります。ということは、たとえば、水の「放出口」から物質Aを含む水が放出され、そのあと川や海などの大量の水と混ざれば、水の中に含まれる物質Aの濃度は低くなります。ここで言う「放出口における濃度の水」とは、そのような大量の水と混じる前の、「希釈前の水」を意味しているわけです。

希釈の概念を示した図です。

 

つまり、このような希釈前の水を、「約2リットル」、さらには「生まれてから70歳になるまで毎日」飲み続けるというような、ひじょうに極端なケースを仮定したとしても、平均線量率を「1年間で1ミリシーベルト」に抑えられるようにしましょう、というのが、日本における水中の規制基準となっているのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上

 

この資源エネ庁の説明では、上記の黒字の部分を読めばわかるが、明らかに

「ここで言う「放出口における濃度の水」とは、そのような大量の水と混じる前の、「希釈前の水」を意味しているわけです。」

と説明してしまっている。

 

これは福島第一を念頭に読んでいる人には嘘だし、単純に話の筋だけ追っていれば、一般論としての説明だと読める。

でも、この説明はいかにも誤認させるような有り様になっている。

 

福島第一の現状では、放出口の水は規制基準を守れるように、既に海水で希釈した水だからだ

 

だから、何度も言うように海に放出した後で、いくらモニタリングを各所でやっても異常値などでないことになっているんです。

 

単純にこの説明見ると、放出前の「汚染水」はALPSで処理された「処理水」なのでそれ自体安全なものになっていると、誤解してしまうような書きようだ、と私には思えた。

 

まあ、国の説明や資料は、このように非常に誤認しやすい作りになってます。

気を付けましょう!