夕刊フジが、共同通信の記事に乗っかって、あほなプロパガンダを広げている。
でも、この記事にある「攻めの姿勢」なるものが、あらゆる国際会議で問いただせ、というだけだとは、寝言は寝て言えだな。
それじゃあ、この間日本政府は何してたんでしょうね?
(上記から引用)
これに対し、中国は中傷を続けてきた。2月23日の記者会見でも、中国外務省の毛寧副報道局長は「日本は国際社会の懸念に真剣に応え、責任あるやり方で『核汚染水』に対処すべきだ」と述べていた。だが、むしろ中国こそ、国際社会に対する「責任ある対処」が必要ではないか。
評論家の石平氏は「日本はこれまで、何も悪いことをしていないのに、処理水放出に関する中国の言いがかりに対して自分たちの立場を守る姿勢を取ってきた。今回を機に、日本は『攻めの姿勢』に出たほうがいい。IAEAと連携し、日本政府としてあらゆる国際会議でこの問題を提起して、中国を問いただすべきだ」と話した。
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昨日もこの問題について書いたが、
もともと通常運転中の原発の国際的に認められた排出基準値があって、それに基づいて各国で法令を整備して原発を運転していることになっている。
ただ、基準値はあくまで紳士協定のようなもので、各国が守っているものとされているだけだ。
なぜ紳士協定的なものかと言うと、これって強制力があるものなら、基準値だけでなく実際の実績値がどこかに報告され、それは公開されているはずだが、これだけ日本政府もこの問題を取り上げながら、これまで実績値での世界各国の資料など一切発表していないのだ。
これまで各省で出されている各国の排出量みたいな図表は、すべて排出基準値であって、実際の排出量ではないのだ。
それから判断するに、実績値は各国独自で排出基準が守られるようにしてればいいだけで、多分実績値はどこかが集計するようにはなっていないのじゃないかな?
なぜなら、この基準値なるものはIAEAが決めたものではなく、国際的な任意団体が定めたものにすぎないということは確認した記憶がある。
(私は自分でいちいち各国の資料など調べたりはできないので、政府がこの問題で公表した資料などに基づいて、それを根拠に、さらにネットで簡単に調べられる範囲でチェックして議論している。間違っていることがあればぜひ教えてもらいたい。)
今回の報道の根拠となる中国の2021の測定結果の資料など、このニュースでも具体的には何も報道していない。ただ、原発の地図があるだけだ。
日本の原発も2011以前はチャント毎年、実績値は出していたわけで、昨日アップした財団の資料にあるように、沸騰水型と加圧水型での過去3年間のそれぞれの原発の平均排出値が書かれていた。
その平均値が、それぞれの排出基準値よりは低いことも明確だった。
福島第一でも通常時では1.9兆を超えることがないことは明白だったのだ。
はっきり言えることは、
事故を起こして、現在廃炉となっている福島第一に、「排出基準」などは現実には存在しません。
ただ、通常運転中の燃料棒を冷却した冷却水ではなく、燃料デブリに直接触れた世界中で1か所しかない「核汚染水」をALPSで処理したとはいえ、高濃度のトリチウムはそのままで、海水で直接薄めただけで海洋投棄しているのは日本だけだということだ。
日本が、福島第一が放出するトリチウムの量を年間で22兆と定めたのは、国際的に他国の原発より通常運転時の排出基準値が2.2兆と低かったのでそれを援用し10倍の22兆にして、それで国際的な批判を受けないようにしただけの話だ。
ただ、そのことにより、現状の貯蔵タンクの汚染水を放出するのに、単純割り算で40年かかるし、毎日発生する汚染水のALPS処理を完全にやり続けないといけないのだけど、(実際は10年かかって現状なんだけど・・・)それでまた溜まる新規分を考えると、かなりの確率で半世紀以上は垂れ流ししないといけないのは明白だろう。
もちろん、国際的に、中国のほうが多いという非難は素人受けはするけど、比較するものがもともと違うし他国には共感されないだろう。
それに禁輸措置でわざわざ今の中国と対立してまで、日本の肩を持つ国は少ないだろうね。
だって、すでにこれまでの実績が、それを物語っている。
昨日も書いたが、財団の資料で明確なように、
もともと中国の各原発にしろその排出基準値は福島第一の22兆よりはるかに大きいものが多いのだから、2021年の実績値が仮に発表されていたとしても、それが福島原発で今放出されている汚染水の勝手に日本が決めている上限22兆より多かったとしても、それは最初から分かっている話であり、中国の各原発それぞれの排出基準値以内であれば国際的にも何ら問題ない話であることは明らかだ。
要は、中国の禁輸措置が、トリチウムの放出量を問題にしているのであればそれは科学的な根拠はないといいたいだけで、従来から言っていることの繰り返しでしかないもので、今更ニュース性があるものではない。
政府のプロパガンダのためのニュースでしかない。
ニュースでは、評論家の
日本はこれまで、何も悪いことをしていないのに、処理水放出に関する中国の言いがかり・・・・・・
というコメントを持ちだして、いるが、
福島第一の事故で、世界中に放射性物質を拡散し、今も放出し続けているわけで、何も悪いことしてないと、果たして言えるのか?
処理水の処分に関しても、固化や大気蒸発などの手法はコスト面から採用せずに、一番安易な海洋投棄としたが、通常運転中の原発などがそうしているからと言って、事故った原発もそれで済ませるのは、無責任すぎないか?
(これが許されるなら、今後原発事故が起きても世界中で日本に倣えになるのが私は怖いけど)
さらに言えば、原子炉3基にある溶けてしまった880トンもある燃料デブリってまだ1gも取り出していないけど、実際にどのようにして保管や処分をするんだろう?
いまだにその方法は具体的に示されてないように思うけど?
例えば1グラム毎にコンクリで固めて、鉛で覆いつくして、安全な地層で地下数キロ以上の地底で保管するとか・・なんですか?
それは地震大国の日本で可能なの?
もともと中国が問題にしているのは、ALPS処理したという「処理水」そのものの汚染状況を問題としているんだろう?・・・それが海水で薄められ基準値以下で放出されても信用できないと言っているわけだろう?
それに対して、政府や東電は海水で薄める前の貯蔵タンクから放出する直前の汚染水の分析結果を出して見せればいいのだが、それは何故だかやってないよね。
薄めて放出した後の海水の分析値では、何も出ないのは当たり前。
薄める前の汚染水の分析が重要なのだと思うけどね。
実際、放出前に貯蔵タンクの汚染水を2次処理はしないまま放出していることは東電の資料にもちゃんと書いてある。
そうしているのは、今放出している汚染水は貯蔵タンクの3割のトリチウム以外の放射性物質を9割は基準値以下にしたものだからだろうが、ベクレル数などは実際は推定値でしかない。
結局、残りの1割の放射性物質は海水で薄めて基準値以下にして放流しているのが実態だ。
問題は、今後の7割の貯蔵タンクにある汚染水は2次処理して放出するとなっているけど、それって2次処理の結果をタンクごとにチャント分析して公表するのかな?
処理の今のフロー図では、海水で薄める前の処理水を分析することにはなっていないけどね。
実際、ALPS処理で完全に基準値以下に処理できることは「確認」したと東電は言っているが、具体的に、例えば現在もやっている新規汚染水が完全に処理できるはずの工程の公開や処理後の「処理水」の第3者機関での分析結果などは、何も実施されてはいない。
それをやってくれないと、信用できないのだけど?
なぜそこを問題にしないんだろう?マスゴミは?
東電が「確認」したといえばそれで済む話なのか?