またまた、相変わらずの中国批判記事だが、いつも思うのはここで言う「非科学的」とはいったい何を指して言っているのかということだ。

 

(以下下記の記事より引用)

日本産水産物の輸入停止措置を強行した中国・習近平政権は今も、処理水を「核汚染水」呼ばわりするなど異様な対応を続ける。中国の非科学的な主張に伴う〝制裁〟で打撃を受けた日本産水産物の新たな販路として、日本政府は東南アジア市場の開拓を進めている。

 

処理水を「核汚染水」と言うことが非科学的と言いたいんかな?

 

普通、放射性物質を含む水は「放射性物質による汚染水」と言うが、ALPSで2次処理されたいわゆる「処理水」には、トリチウムがそのまま残っているわけだけど、トリチウムは放射性物質じゃないのか?

 

政府が定めた「ALPS処理水」と表現されれば、放射性物質で汚染された水ではなくなるのか?

 

政府は、「ALPS処理水」の定義を定めた。

 

以下の通りだ。

 

2021年4月13日、政府は、トリチウム以外の核種について「環境に放出する場合の規制基準」を満たした水を「ALPS処理水」と定義し、この処理水について海洋放出により処分する基本方針を公表しました。同基本方針では、「ALPS処理水」は、トリチウムの濃度を1,500Bq/L未満とするために海水で100倍以上に希釈した上で海洋に放出することとしています。

 

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トリチウム以外の核種について「環境に放出する場合の規制基準」を満たした水を「ALPS処理水」と定義したのなら、それは言い換えれば、トリチウムについては「環境に放出する場合の環境基準」を満たしていないんだよね。

 

つまり、確かに今放出されている水は、ALPS処理をされた「処理水」ではあるが、それはトリチウムに汚染された「汚染水」と言うことだ。

 

そして、その「汚染水」をただ海水で100倍以上に薄めて放出しているんだけど、海水で薄めるだけのことを科学的な「処理」とでも言いたいんか?

 

科学的と言うなら、トリチウムと言う核物質に汚染された「汚染水」の方が正しいだろう?

 

汚染水をただ海水で希釈して放流しているだけなのに、それを「処理水」と表現することを強制しているだけの話だろう?

 

排出規制基準値以下で放出しているから、汚染水ではないとなぜ言えるんだ?

汚染水だけど排出基準値以下なので、安全性はまず大丈夫です、と言うだけの話だ。

 

その安全性の部分を強調したいがために、「処理水」と言い換えることで如何にも放射性物質が無いかのように印象操作したいだけだろう?

 

まあ、国内でそう言いこわってもいいけど、他国に強制できるような話なのか?

 

 

中国のこの「汚染水」発言に対しての日本の反論は、上記の記事では以下の通りだけ。

 

(以下引用)

福島第1原発が放出する放射性物質トリチウムの濃度は、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈。2023年度に放出する総量は、中国の原発よりもはるかに少ない。

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中国の原発よりもはるかに少ない・・・・

 

目糞鼻糞を笑うたぐいの反論でしかない、これのどこが科学的なんだ?

 

ただ海水で希釈して放出しているだけで「処理水」と言って免罪されるのなら、中国の排出分だって、規制基準値を守ってそうしているわけで、それならそれは「処理水」であって、量がいくらあろうと関係ない話だろう?

 

俺よりたくさん排出しといて、余計な批判はするなと言っているだけだが、それって結局「汚染水」を同じ様に流していることを認めていると言うことにならないか?

 

だって、結局今のところは、年間22兆ベクレルの汚染水を薄めただけ放出しているんだからね。

中国より少ないだけだ。

 

 

で、問題は、中国の非難は実際何を問題にしているのか?と言うことなんだが、上記の記事のヤフコメの中に、こんな中国語風日本語訳のコメントがあった。

 

(以下、ヤフコメから引用)

 

中国民から大体こんな意見はあります。

 1、国民の多数は日本について深刻の不信。排出は必ず漏れや事故など言い訳事件があって、結果として排出は極めて危険 

2、海洋放出より、もっと安全の処理法はあるべき(大気蒸発法など)。日本コストの為に直接排出すること

 3、IAEAと言っても、IAEA会長のみの認める発言や署名はあったが。IAEA組織自身の承認は今でもない。しかも日本とIAEAは不正資金の噂があって、信用度は疑いする 4、IAEAのデータでも 東京電力から提出のもの、第三者組織はない、データ信憑性は疑い トータルはこんな意見と考えは有りました 

日政や東電はこの3点から、圧倒的の事実を使い、こんな疑惑は解消できると。中のVPN使用率は8割以上、8割の人はこんな情報を知り、政府の無理やり禁輸措置について反発するだろう。残念だが、日本の外務省と政府機関はなかなかこの3点について反論はなかった

 

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分かりにくいので、私なりに解釈してみると。

 

1、放射能漏れや事故での流出は、隠蔽もあり汚染水の放出は危険。

2、日本は、ほかの除去法(固形化とか大気蒸発法など)をコストだけで無視して、海洋投棄している。

3、IAEAは組織として認めてはいない。IAEAと日本には不正資金(賄賂)の噂がある。

4、IAEAが審査したのは東電のデータであって第三者機関の物はない。信用性に問題がある。

 

と言うものでしょうね。

 

このうち、3は私には初耳の話だが、2と4は以前から私も以前からブログで書いている問題だ。

 

これらに対する反論は無かったと言うことだが?

日本政府の反論を知りたいもんだが・・・ニュースで見たことないなあ・・

 

ニュースでの反論はこんなもの。

 

 

在中国日本大使館のHPには反論が載っていた。

 

https://www.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000632.html

 


(問10)なぜ海洋放出なのですか?タンクが一杯になったというのは理由にならず、他の方法もあるのではないですか?日本政府は、費用が安いことを理由に、海洋放出を選んだのではないですか?

(答)

●日本がALPS処理水の処分方法を決定した際に、IAEAのグロッシー事務局長は、「日本が選択した海洋放出は、技術的に実現可能であり、国際慣行に沿ったもの」とコメントをしています。
●今後、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を安全に行うためには、原子炉に残っている燃料デブリの取出しに向けた施設の建設などに大きなスペースが必要となります。そのため、現在、タンクが建設されているスペースも含め、敷地を最大限有効活用していく必要があります。こうした、敷地がひっ迫する中で、ALPS処理水の処分は避けられない課題です。
●なお、日本では、ALPS処理水の処分方法について、専門家による6年以上にわたる議論の中で、長期保管に加え5つの方法(地層注入、地下埋設、水素放出、水蒸気放出、海洋放出)について検討を行いました。その中で海洋放出は、現実的に実現が可能であり、すでに中国を含め国内外に多くの例があること、そして、環境放出後のモニタリングを確実かつ安定的に実施可能であることを踏まえ、方針を決定しました。このため、「費用が安いことを理由に、海洋放出を選んだ」との指摘は当たりません。

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その中で海洋放出は、現実的に実現が可能であり、すでに中国を含め国内外に多くの例があること、そして、環境放出後のモニタリングを確実かつ安定的に実施可能であることを踏まえ、方針を決定しました。このため、「費用が安いことを理由に、海洋放出を選んだ」との指摘は当たりません。

 

ふ~~~ん、そうなの?

でも、これって、一番安直でコストがかからない方法だよ。

 

世界中の原発でこれまでも薄めるだけで流してきているから、いいんじゃない、と言っているだけだね。

 

そもそも、世界中の原発は核燃料の再処理施設からトリチウムなどがただ薄めるだけで海洋投棄されているが、その総量は年間では自然界で産出されるトリチウムの量7京ベクレルを超えている。

フランスの核処理施設だけで1京を超えているのだから、世界中での排出量は7京を超えているはずだが、今まで世界で排出されている総量の記事を見たことは無い。

 

この資料は、それぞれの原発等で定められている排出基準値を示しているだけで、実際の排出量や各国別の排出総量などは記載されていない。

 

このまま、ジャンジャン薄めるだけで流し続けてしまうことが、本当に科学的なのかが問題だろう。

 

まあ、原子炉崩壊してデブリの処理が問題になっているのは世界中で福島だけだけど、その処理が全くできない状況で、デブリ冷却水の処分が結局は海洋放出しかないというのであれば、原子力発電と言うこと自体の問題を根底から考え直さないといけないと思うけどね。

 

あと何十年海洋放出することになるのか知らんが、ALPSで処理するにしろ、その除去のために使用した放射性物質吸着資材=高濃度汚染物質の保管貯蔵場所も不足しているというけど、どうするんだろうね。

 

 

 

それに、最初の記事にはこんなコメントもあって、正直ビックリだ。

 

中国は全面禁輸したけど、香港は10都道府県だけの禁輸なので、青森や北海道からの輸入など、中国が禁輸措置する以前の量を肩代わりで輸入しているという・・。

 

 

(以下ヤフコメから引用)

おかしな記事が続いている。中国は日本全土から海産物の輸入を禁止したが、香港は10都道府県のみからの禁止に留まっており、北海道も青森も開放している。農林水産庁の公開されているデータを見れば一目瞭然だが、中国が減った分を香港が輸入してトントンというより増えているのが実態だ。 それを日本メディアは全く報道しないのは作為を感じる。中国の措置には私も腹が立つが日本の報道は真実を語ってほしい。

 

 

 

いや~~ビックリした。

香港は抜け穴だったんだ。

 

それじゃあ。北海道や青森のホタテ業者の苦境を大々的に報道していたけど、それって当初だけの話だったんだろうなあ・・・

 

スーパーで買い物するとき、ホタテがなかなか値下がりしてないので不思議に思っていたんだけど、理由が分かったなあ。

 

以前は、例のふるさと納税で北海道のホタテとか刺身にして食べていたんだけどね。

 

 

 

最近のニュースは、結局プロパガンダに過ぎないものも多いってことかな。