こんにちは😃
ご訪問ありがとうございます。


ピンポーン!


夜中0時過ぎにチャイムが鳴りました。
鳴らしたのは娘。
23時半まで焼肉屋でバイトをして、

そろそろ帰宅する頃でした。


でも、いつもなら

自分で鍵を開けて入ってくるのに、

どうしたんだろ?

鍵を忘れて行っちゃったのかな?


玄関の扉を開けると

そこに立っていた娘の顔は、

苦痛で歪んでいました。

見るとお店のユニフォームのズボンの

膝は、ボロボロに穴があいています。

腕にも血が滲んでいました。


「どうしたの?

 何があったの⁈」


「事故っちゃった…。」


「えっ!」


私の家の近くには、

ニトリやペットショップ、

そして牛角やフィットネスなどのお店が

集まった場所があります。

そこは0時を回ると全てのお店が

閉店して、敷地内は闇夜に包まれた状態と

なるのですが、娘はいつもバイトの帰りに

早道だからと、その敷地をバイクで

通り抜けしていたそうなんです。

それでも、いつもは端っこを通過して

いたようなのですが、

その日は少し遅くなったこともあり

焦ってしまったのでしょう。

敷地を通り抜け、

再び公道に出る時に注意を怠ったようで、

縁石に勢いよくぶつかってしまい、

バイクごと転がってしまったとの

ことでした。


「真っ暗でさ、気づいた時にはもう

 ブレーキかけても間に合わなくて、

 縁石にぶつかっちゃったんだよね。」


「それで、あなたは怪我してないの?

 誰かにぶつかったとか、

 車にぶつかったりはしてないの?」


矢継ぎ早に質問をする私。


「人にも車にもぶつかってないよ。

 怪我はしてるかも。

 さっきまでは膝を擦りむいただけだと

 思ってたんだけど、

 なんか右腕を怪我したかも。

 さっきまでそんな痛くなかったから

 バイクで帰ってきたけど、

 なんか急に右手が痛くなってきた。

 痺れてきたかも。」


膝は擦りむいて血だらけでしたが、

しきりと痛がる右腕は見た目は特には

異常はありませんでした。

まぁ、捻挫といったところなのかな。

その夜は流石に娘も落ち込んで、

化粧もクレンジングシートで落とした

だけで、すぐにやすんでしまいました。



バイクに乗るようになって、丁度1年。

慣れて油断してくる頃です。

車と違い、バイクは事故を起こしたら

直接体に衝撃が加わります。

151cmで43kgほどの小柄な娘です。

何かあったら、簡単に空を飛びそう。


もう、だからバイクは反対したのに!

とうとう、こんなことになったか。


そんな気持ちでした。



翌日、娘が起きてきて言いました。


「ママ、学校は今日はテストがあるから

 行かなきゃならないけど、

 その後に病院連れてって。

 なんか歩いただけでも振動で

 腕が痛いし、全然上がんないの。

 今まで感じたことのない痛みなんだ。」


見ると娘の腕は赤く腫れてぃました。

大学まで公共の交通機関を使うと、

3つ乗り物を乗り継いでいかなければ

なりません。

所要時間はおよそ1時間。

荷物にパソコンを持って片手で登校は

今の娘にはかなりきつそうなので、

送迎することにしました。



迎えに行った帰りに

整形外科に連れて行きました。

私は車で待機。

娘が1人で中に入って行きました。

1時間ほど経った頃でしょうか。

娘は腕を固定され、

三角巾をして出てきました。

なんと、娘の腕の骨には

ひびが入っていたのです。


そりゃあ、痛いはずだわ。


「添木をしてると、

 あんまり痛くなくなった。

 楽だね、これって。」


なんかお気楽な娘。 



娘は大学とは別に

高校生の時から演劇活動をしていて、

来月には一人芝居の公演も決まって

いるのです。

これは影響が出てしまいそう。


「この間のコロナもそうだし、

 今回の怪我もそうだけど、

 なりたくてなった、

 やりたくてやった訳じゃないのは

 分かるよ。

 でも、あなたは舞台に出る以上、

 それを支えてくださる人達が

 いるんだから、その人達に迷惑を

 かけてしまうことは、

 慎まなければならないんだよ。

 あなたの体はあなただけのものじゃ

 ないと言うことを自覚しなさい。

 バイクを乗るなとは言わないけれど、

 もう少し慎重に行動しないと

 人様に迷惑をかけることになるし、

 それは結局自分をも

 粗末にすることになるんだから。」


思わず、説教をしてしまいました。


 「はい。」


珍しく一言返事をしただけで

終わりました。

いつもなら何か反論してくるのに、

大好きな演劇のことを言われ、

流石にこたえたようです。



因みにバイクもミラーは取れ、

ウインカーランプカパーも割れ、

他にもカバーが外れたり

何かが曲ったりとあちこち傷だらけ。

バイク屋さんに言われた

修理代は数万円。

学生の娘には痛い出費。

それも娘が落ち込むこととなりました。



まぁ、それでもひびが入っただけで

済んで良かったと言うのが、

私の正直な気持ちです。

命があるだけ有難い。

こんなこと、もう2度とないように

願いたいものです。

今現在、学校への送迎と、

演劇の稽古場への送迎の日々が

続いています。