こんにちは😃
ご訪問ありがとうございます。


先日、子供たちが卒業した小学校で、

読み聞かせの打ち合わせ会がありました。

私は、子供が在学していた13年前から、

絵本の読み聞かせのボランティアを

しているのです。

先日は今年度初めての集まりで、

自己紹介と誰がどのクラスを担当するかを

決定する会議でした。

ボランティアさんの中には、

初めて読み聞かせをするという方や、

他校で現在行なっていて、

今年度はこの小学校でもやりたいと思って

参加して下さった方もいらして、

新たに3名が加わって下さいました。

昨年度は人数が不足していたので、

有難いことです。



クラスは1年生が1クラス.

2年生以上は2クラスずつ、

そして特別支援学級が1クラスで、

合計12クラスあります。

自己紹介の後、早速クラス決めの

話し合いが行われました。

結果、私は希望どおり

1年生のクラスの担当となりました。



息子が幼稚園の時に頂いた絵本です。

1冊7分くらい。

入学したばかりの頃に読んでいます。



ちなみに、読み聞かせの時間は

登校時間終了の8時25分から

授業開始時間の8時40分までです。

いわゆる、朝の学活の時間ですね。

1年生は入学してすぐの頃は、

ランドセルから教科書を取り出したり、

宿題の提出をしたり、

持参した体操服やお道具袋を

所定の位置にかけたりと

やらなければならないことに追われ、

ゆっくりとした状態で読み聞かせを

鑑賞することができない子が、

何人もいます。

また、読もうとする絵本の題名を

紹介した途端、


「あっ、それ知ってる!

 幼稚園にもあった。」


と言った後に、そのあらすじを

先にペラペラ言ってしまう子もいます。

しかし、夏休み前にはみんなちゃんと

やらなければならないことを済ませ、

集中した状態で聞いてくれるように

なります。

また、その頃にはクラスの中にも

リーダーシップをとれる子が出てきて、

いつまでも私語をやめない子に


「ちょっと、おしゃべりはやめて!

 読み聞かせの時間なんだから。

 静かにしないと聞こえないでしょ。」


と注意をしてくれる子まで現れます。





このシリーズはとても人気です。

でも、思わず読みながら泣いてしまいそうになるので

要注意です。



それは態度だけではありません。

絵本の中身も、最初は短めのお話で

幼稚園でも読まれているような

割と単純なお話や、擬音などを楽しむ

絵本を読んであげるのですが、

集中して聞いてくれるようになると

長いお話でもじっと聞いてくれるように

変化します。

それに従って内容も深いものにと変わり、

登場人物の気持ちを読み取り、

時には涙を流す子も現れます。

1年生でも、3年生向けの絵本くらいは

ちゃんと理解して、感想を述べたりして

くれます。

本当にめざましい成長を感じられる

時期だと思います。




雪が降る頃、クリスマス、節分の頃に必ず読んでいます。



ところで、会議の中でちょっと

考えさせられることがありました。

今年初めて参加した方から


「読んではいけない本とかありますか?」


と言う質問がありました。


「特に今まで、そう言うことは学校から

 言われたことはないですよ。」


誰かがそう答えました。

そこで、学校との間に入って連絡などを

して下さっている、リーダー格の方が

言いました。


「でもね、お話の中で誰か登場人物の

 名前が出てくるじゃないですか。

 それで、その名前の人がお話の中で

 いじめに遭うとか、乱暴をされるとか、

 そういう内容の時は、そのクラスに

 同じ名前の人がいないかどうか、

 担任の先生に前もって確認して

 みてください。

 それがきっかけでいじめられたり、

 嫌なあだ名をつけられることも

 あるので。」


なるほどね。

今までそんなことを考えた事も

なかったけれど、確かに今の時代

何がいじめに繋がるかわからないものね。


そう思いました。




食べ物を粗末にしないで欲しい

そういう願いを込めて読んでいます。



するとリーダー格の人がさらに続けて

言いました。


「それから、

 これは私が体験した事なんですが、

 絵本の中でおばあちゃんが

 亡くなる話を読んだんですよ。

 そしたら、1人の女の子が

 すごくしょぼんとしていて、

 気になって後で担任の先生に

 『なんだか◯◯ちゃんの様子が

  変だったんですが、何かあの子

  ありましたか?』

 と確認したんですよ。

 そしたら、その女の子は少し前に

 本当におばあちゃんを亡くして

 いたんですよ。

 だから、そういう類の内容の絵本は、

 読む前に担任の先生に確認したほうが

 良いかもしれませんね。」


そう話してくれました。

その言葉に、


「いやぁ、

 そこまで考えてたらちょっと何も

 読めなくなるよね。

 それはあまり考えなくても

 いいんじゃないかな。」


そういう声があがりました。


うん、

確かに正直いちいち確認をするのは面倒だ。

でも…ね、


我が家は、息子が間もなく幼稚園を

卒園する頃、夫が亡くなりました。

当時2歳だった娘は、父親の死なんか

分かるわけもなく、

安置されている遺体を見て

「パパ、パパ」

と寝ているパパを起こすように

顔をペチペチと叩きながら

いつものとおり話しかけている状態でした。

そして、息子も私からパパが死んじゃったと

聞かされてから、葬式が終わるまで、

一度も涙を流すことがありませんでした。

その姿に、この子もよくは理解できて

いないんだろうなと思っていました。

しかし、葬式が終わり3人で居間に入り

遺骨を祭壇に置いた途端、


「ママ、ぼく寂しくなっちゃった…。」


と私にしがみついてボロボロと涙を

流し始めたのです。

何もわからないのではなかったんだ。

この子なりにずっと耐えていたんだ。

ようやく参列者も親戚も皆いなくなって、

初めて素直な気持ちをさらけ出すことが

できたのだと思いました。



その後は、たまに葬儀に

参列できなかった方が

自宅にお線香をあげに来てくださると、

どうしても父親の思い出話をすることに

なります。

また、亡くなる頃の状態も

話さないわけにはいきません。

するとその度に、息子の顔が悲しげに

歪んでいくのを感じていました。

だから、それからしばらくの間は、

息子の前ではあまり父親について

話題にすることはありませんでした。



その時のことを思い出すと、

担任の先生に確認するのは

確かにひと手間ですが、

そのひと手間で子ども達が

悲しい思いをしたり傷つかないのならば、

私は確認するに越したことはないと

思いました。



今まで、

そんなことを何も考えずにいたけれど、

これからはただ読めば良いのではなく、

それを聞いてくれる子ども達のことを、

もっと親身になって考えながら

絵本を選ばなければいけないなと

あらためて感じる出来事でした。




私がとても大好きな

切り絵がとても美しい絵本です。