秋津の空中戦
今年の夏は元気なセミの鳴き声を
聞くことなしに終わりました。
まだまだ暑い日が続いていますが
午後6時前には日没となり確実に
秋の気配が感じられるようになりました。
お彼岸の中日9月23日の午後に
秋津の空中戦に出くわしました。
「秋津」はトンボを意味する古語です。
日本は秋津島と呼ばれていました。
諸説あるようですが、
神武天皇が大和の国を眺めた際、
山々の連なりを
「あきつ(トンボ)のとなめ(交尾)
せる如くあるか」と詠んだことが
この異名の始まりとされています。
また、トンボは害虫を捕食する益虫であり、
秋の豊穣を象徴する虫でもあったため、
国の豊かさと結びついた名称と考えられています。
秋津(トンボ)の空中戦は狭い空間
おそらく、20m四方、地上2.5m位の
空間に7~8匹(動きが速すぎて数えられない)
が飛び回っていました。
トンボの空中戦は、主に縄張り争いと捕食の
2つの目的で行われます。
セミに拘りますが、大きな鳴き声は縄張り確保と
子孫をつなぐことだと言えるので、今年は残念です。
昆虫界では並外れた飛行能力を持つトンボは
急加速、急旋回、ホバリング、戦闘機のような
アクロバティックな飛行を空中で自在に操ります。
当日のトンボは、頭の少し上の所を物凄い速さで
飛び交っていました。襲ってくるような気配は
ありませんでしたが、頭上の空中戦にしばらく
見入ってしまいました。多分、捕食ではなく
縄張り争いだったかもしれません。
戦闘機同士の近接空中戦「ドッグファイト」の
ような迫力がある訳てはありませんでしたが、
トンボの飛行能力には、現代の最新鋭の
ジェット戦闘機も敵いません。
トンボは前後の羽をずらして別々に羽ばたかせる
ことが出来るので、ホバリングや急旋回、後退と
いった複雑な動きを可能にしています。
オニヤンマなどは時速70㎞で飛行できるそうです。
急旋回時には、人間の戦闘機パイロットが意識を失う
9Gをはるかに超える、30Gの重力加速度に
耐えられるとされています。
オニヤンマと言えば、今年虫除けスプレーの
代わりにオニヤンマの精巧模型が虫よけになると
言うので、試しに一つ買ってみましたが、
吊り下げ形の蚊取り線香と併用してしまったので
効果のほどは、定かではありませんでした。