三焦(さんしょう)
三焦の「焦」という漢字は
焦る
焦れる
焦がれる
焦げる
焦がす
というように送り仮名で意味が
変わってきます。
全部読めたでしょうか?
読めれば意味は難しくないので
お分かりになると思います。
焦る(あせる)は
急がなくてはとイライラしたり
落ち着きを失くしたりすること
焦れる(じれる)ですが似た意味の
言葉で焦れったい(じれったい)
の方が分かりやすいと思います。
焦がれる(こがれる)は
イライラはしていないけど
強く望んでいる状態で
「待ち焦がれる」などど使われます。
焦げる(こげる)は
意思に反し焼き過ぎた状態のこと
焦がす(こがす)は
意図的に焼き過ぎる場合などのこと
「身を焦がす」となると
激しい恋慕の思いに身もだえして
苦しむ状態のことを言います。
さて、本題の三焦ですが陰陽五行の
五臓六腑の六腑の一つのです。
五臓は「陰」で木火土金水の順で
乙の肝、丁の心、己の脾、辛の肺、癸の腎
六腑は「陽」で木火土金水の順で
甲の胆、丙の小腸、戊の胃、庚の大腸、壬の膀胱
最後六番目が「三焦」で単独の機能ではないため
陰陽の五行には当てはまりません。
三焦は単一の形態器官ではなく人体の
ある部分と内臓の生理機能や病理変化を
総合的に現したものです。
三焦は、横隔膜から上の胸部を指す「上焦」
横隔膜からへその間の腹部を指す「中焦」
胃よりも下の部位を指す「下焦」に
分けられます。
上焦は心、肺を含み呼吸や血脈をつかさどります。
中焦は脾、胃を含み上焦、下焦とつながり
体内物質の昇降の中心になります。
下焦は小腸、大腸、腎、膀胱を含み余分なものを
下部への移動や、体外への排出を行うことです。
結論としては三焦は五臓五腑のすべてに
関連してつながっている全体を指すもの
ということになります。ですから
どこかで不具合が起きて五行のバランスが
崩れれば三つの「焦」は冒頭に書いた
漢字の意味そのものを現し、心身に
影響を与えることになります。
三焦は何故「焦」の漢字を使ったのかと
「焦」の漢字に焦点を当てて考えてみたら
こんな「感じ」になりました。