陰陽の食材
陰陽の食材の性質はそれぞれ
陰の食材は緩む、拡がるということから
野菜で言えば地上に出ている葉の部分を
食べる「葉物野菜」
陽の食材は締まる、縮むということから
地下の根の部分を食べる「根菜類」と
なります。
野菜だけでなく
細胞、血管、臓器を緩めたり、身体を
冷やす作用があるものでカリウムの
多いものが陰性食材です。
細胞や血管を締めたり、温める作用が
あるものでナトリウムの多いものが
陽性食材です。
食材の味では、辛い、酸っぱいは陰性
苦い、塩辛いは陽性になります。
でんぷんの甘みなどは陰陽の中間の
味ということになります。
同じような食材でも、季節、産地、農法
品種、調理法により陰陽は変化します。
特に調理法は陰陽の調和を図るのには
最適な方法です。
1.熱は陽性なので、陰性の食材を
炒める、煮る、焼くなどして
加熱すると調和することができます。
2.薬味、香辛料、お酢は陰性なので
陽性食材を酢の物、マリネにする
ことで調和することができます。
3.漬物や味噌、醤油などの発酵食品は
陰性の大豆類や野菜類を保存できる
ように調和させ陽性化します。
鍋の中で食材を重ねる順番は
上に向かう力をもつ陰性食材は下、
下に向かう力をもつ陽性食材は上にして
順に重ねていきます。
育成する向きをぶつけ合うように重ねることで
陰陽のエネルギーが作用し合い鍋の中で対流を
起こします。その結果調和が起きて「中庸」の
状態になり、重ね煮独特の「丸い味」になります。
易経の11番目に「地天泰」という卦があります。
地天泰の地は上卦を表し、天は下卦を表します。
本来下のあるべき地が上にあり、上にあるべき
天が下にあります。上にある地は下に向かい
下のある天は上に向かうことで力が拮抗し
調和が図れるのです。
地天泰の大意は「然るべき流れがあり、
なるようになっていく安泰の時」になります。
易経の12番目には「天地否」の卦があります。
天が上にあり、地が下にあることから
天地は向かい合って反応することがなく離反
して行ってしまいます。
その大意は「物事が行き詰まり、道が塞がる時」
ということになります。
易経でも「地天泰」は陰陽の調和が
図れている卦として重要視されています。