地図の上が北
前回の続きです
方向音痴を自認している人にとっては
少し残念なお話かもしれませんが
天と地の空間認識能力や方向感覚は
大人になって身につけたというよりも
子どもの頃の生活環境や遊びなどから
無意識の試行錯誤を繰り返しているうちに
自然と身につけたもので、本人にとっては
無意識に身につけたものなので
自分が何に気を付け、何を基準に
読み解いているのかも
良く分かっていない人がほとんどのようです。
以前のお店(タートルD)の常連さんに
Sさんという一級建築士の人がいました。
色々な話の中でSさんは仕事柄
建物が立体的に見えると言い
正面から見ただけでは分からない
内部の柱や階段などの位置の状況
あるいは、裏側がどうなっているかも
理解できるので、施主が構造変更の
依頼をしてきても、すぐにそれが
可能かどうかの判断がつくそうです。
一級建築士なら当たり前だろうと思いますが
Sさんの話によると
各々の平面図は理解できても、それを
立体的に組み合わせてすぐに判断できる人は
少ないそうです。
要は頭の中が既に3Dプリンターのように
プログラムが完成しているのでしょう。
Sさんは何故そのような能力を身につけたのか?
そのヒントは子供の頃の話にありました。
Sさんは子どもの頃、近くの山から
焚き木を背負って暗い山道をお兄さんと
一緒に何度も運んできた経験があり
山道に街灯などがあるはずもなく
幅が狭く山側の反対は崖になっていて
一歩間違えば命の危険もあるような
場所だったようです。
何を頼りに山道を下って行けば
安全に家にたどり着けるのかという
試行錯誤を繰り返し身につけた
S少年のこの生活環境による経験が
空間認識能力を飛躍的に向上
させたのではないでしょうか!
誰もが経験できることではありません。
でも、大丈夫です。
今からでも方向感覚は養えます。
取り合えず「地図の上が北」と覚えていれば
右が「東」で左が「西」下が「南」になります。
小学生でも知っているとお怒りになるかも
しれませんが、上下左右ではなく
東西南北を使っていますか?
という事です。
改めて普段の生活の中で
東西南北使ってみてください
天地と一体になる感覚が
少し味わえるかもしれません。
ところで、よく
「運命とは皮肉なもの」とか言われます。
「運命学とは皮肉なもの」という話です。
東洋運命学では「南」を中心に考えますので
上が「南」で右が「西」左が「東」で下が「北」
ということになりますので
「地図の上が北」とは真逆な方向感覚と
なりますので
方向音痴の方には更に難儀なこととなります。