玉鋼(たまはがね)
昨日9月3日の夜10時からの
NHK スペシャル
「玉鋼に挑む、日本刀を生み出す奇跡の鉄」
ご覧になった人もいるかもしれません。
「折れず曲がらず、よく切れる」
強さとしなやかさを備え、しかも錆びにくく
現代の製鉄技術でも製造困難な奇跡の鋼は
粘土の釜に砂鉄と木炭を三昼夜投じる
「たたら製鉄」によって生み出されます。
「たたら」と言えば
「もののけ姫」にも出てきましたので
過酷な現場であることは想像できるかと思います。
想像を超える手間暇をかけることにより
現代の技術では作り得ないものを
古の人達が試行錯誤の末に編み出した
「たたら製鉄」には驚きを隠せません。
アメリカでも日本刀は有名で
玉鋼から作られる宝石を散りばめたような
芸術作品だ評する人もいました。
興味のある人は再放送があるかもしれませんし
NHKプラスでも見ることができます。
この番組の中で特に興味を抱いたのは
非常に純度の高い鋼で
ごく僅かに含まれているという
不純物の顕微鏡の比較写真でした
純度の高い普通の鋼の不純物の形は
「丸」で「陽」の形
一方玉鋼の不純物の形は
「細長い紐のような」で「陰」の形
鋼そのものは凝縮されたものですから
「陰の膨張」と「陽の収縮」で考えれば
「陽」ということになります。
普通の鋼は「陽」で不純物も「陽」となり
日本刀を作る最初の槌で叩く鍛錬に
耐えられず崩れてしまいます。
玉鋼も「陽」ですが不純物が「陰」となります。
この陰陽併せ持つ性質が「折り返し鍛錬」にも耐え
何層にも重なった鋼を作り
日本刀の美しい文様を作り出せるのかもしれません。
科学的な裏付けは専門家に任せるとして
何かと陰陽学で解釈したくなる習性が
このような結果になりました。