大手を振って
「大手を振って歩く」
歩く際に両手を大きく振るさま
堂々とした歩み方を表現する言い方。
主に、やましいことやうしろめたいことがなく
人目を避けるような素振りをせずに
堂々としていられる。
という意味で用いられる表現です。
或は、時として辺りをはばからず
威張った態度のことなどの意味として
使われることもあります。
コロナ禍の中では、自粛、自粛で
コロナ禍以前のごく普通の生活に
戻ることさえままならず
大手を振って日常生活に戻れるのは
何時のことになるのやら?
残念ながら、コロナの大きな渦の
時の流れはヨミキレナイ
今日この頃です。
という言い訳は別にして
今回は「大手を振って」
その意味は最初に書きましたので
疑問を持つ人はいないと思いますが
私には
「大手を振って」には
大いなる疑問があります。
古来日本人は「両手を大きく振って」
歩いていたのかという疑問です。
どう言う事かといえば
明治時代に西洋の歩き方を
軍隊が取り入れたことにより
今皆さんが歩いている
歩き方の基になり一般的な
歩き方へと繋がりましたが
着物で生活していた一般の人達は
両手を大きく振って歩くという事は
無かったはずだと思います。
ましてや、武士が両手を大きく振って
歩くと腰にひねりが加わるので
腰に差している大小二本の刀は
左右に大きく振れて、
歩きにくくなりますし
武士同士なら「さや」がぶつかったなどで
真剣勝負の立ち合いになったり
庶民は左右に大きく振れている刀を
除けるのに大騒ぎとなります。
という事で、
「大手を振って」の語源を知りたく
検索しても納得のいくものは
ヒットしませんでした。
一件、古い文献に書かれているというのが
ありましたが、前後の文章がないので
今と同じ意味合いで使われたものか
ハッキリとは分かりませんでした。
「大手を振って」という
堂々とした歩み方を表現する言い方は
かなり新しい概念のようです。
歩き方とは
1.歩きとは、人のほぼすべての
全身運動の基本である。
2.歩きとは、人が生まれてから
死ぬまで最も多くの回数を
繰返り返す全身運動である。
3.歩きとは、生きるために必須
不可欠の移動法である。
というなかで
「大手を振って歩く」ことが
最良の「歩き方」であるとは
限らないようです。
それでも大手を振って歩いたときの爽快感は
歩くときの呼吸の大きさもあり格別です。
まさに世の中に我ここに有り!
とアピールしているようでもあります。
どんな歩き方であっても、早く
気兼ねなく安心して歩きたいものです。