土曜日は夜から空手の稽古です。

仕事帰りに直行するので、いつもは更衣室で軽く何か食べるのですが、今日は忙しくて時間がありませんでした。腹ペコのまま稽古をするのは避けたいのですが仕方がありません、いそいで着替えて電車に飛び乗ります。会社では風邪が猛威を奮っていて、約三分の一の社員がマスクをしたまま仕事をしています。常に誰かが咳かくしゃみか鼻をかんでいる最悪の状態。こんな環境で健康を保つのは本当に大変、それなのに何も食べずに稽古をするなんて大丈夫でしょうか。。

耳の感覚がなくなる程の寒さの中、両手に荷物、顔は風邪予防のマスクという怪しいスタイルで道場まで住宅街を走ります。道場ではすでにストレッチを終えた数名が上級者をつかまえて動きの確認を始めています。

着替を終えて道場に入ると、丁度稽古が始まりました。いつものように全体ストレッチの後基本稽古です。

「本日の指導はWさんお願いします。」

Wさんは茶帯の先輩で、最年少女子Mちゃんのお父さんです。突然の振りに緊張しながらも正面に立ちます。Wさんは今までも上級者不在の際何度か指導してくださっていますが、Z代表が横でがっちり見守る中正面に立つのは初めてです。緊張で所々つまづきながらも基本稽古が終了しました。続いて同じ茶帯のMさんが移動稽古の指導に入ります、MさんはWさん以上に緊張して、ハチャメチャになってます、頑張って!そんな様子を見ていたら、自分の指導デビューの時の事を思い出してしまいました。

チビ女子の私が、身体の大きな男性道場生の前に立って指示を出すのはすごく苦痛でした。当時はダンススタジオを間借りして稽古をしていましたから、壁はガラスで外からは丸見え。同じスタジオを他の流派の空手団体も借りていましたから、私のせいで皆がバカにされたらどうしようと思いながら指導していました。

他流派の方とすれ違う時は、先輩の後ろの方にさりげなく移動して小さい声で「押忍」と挨拶をしていましたが、ある日先輩の後ろを覗き込むようにして声をかけてくれた方がいました。

「すごくキレのある早い動きで稽古されてますね、僕は重くてドタドタです。」

何気ない一言でしたが胸のつかえがスーッと取れたような、何とも言えない気持になったのを覚えています。嬉しいとはまた違う複雑な気持ち、気が引き締まるとでもいうのでしょうか。その事をきっかけに自分が上手く指導する事よりも、道場生一人一人に気を配り全体のレベルアップを意識するようになりました。

今は白帯からのスタート、自分に集中出来るのですごく楽です。空手の修行は黒帯になってからと言いますが、本当の気持ちはずっと薄い色の帯でいたいです。。

後半の稽古は上級者と白帯に分かれての稽古です。白帯チームは「初心の型」の稽古を行います。「初心の型」は芦原空手の型のひとつで、受けからの攻撃を流れ良く行う為の、まさしく初心者が始めて空手っぽさを感じられる動きの型です。10で完結する動きのひとつひとつが基本の受け突きポジショニングをベースにした型ですから、基本を理解した上で行うと非常に美しくキレ良く行う事が出来ます。逆を言えば、基本が出来ていないとただ形だけをなぞった、だらしない物になってしまいます。

私の経歴からすれば当然美しくキレる型を行わなくてはいけないでしょう!なのですが、昔から「型」は苦手。なぜって覚えられないから。

「受けから反撃の突き」の動きは身体が覚えていますから大丈夫です。でもそれが10挙動もあると順番が覚えられないのです。。

学生の頃から暗記物は大の苦手で、テスト前にやっと覚えてもテストが終わればキレイさっぱり忘れていましたし、以前習った空手の型も名前すら出てきません。。ですが不思議と和太鼓の曲はすぐに覚えて忘れないんです。「型」の順番も太鼓の曲みたいにするっと入ってくると良いのですが。なんで覚えられないのかな。

今年の目標に「型」を研究して少なくとも5型覚える事。を追加したいと思います。