外では、鶯の鳴く声が聞こえました。
それ以外の音は聞こえなくて
都心からやや離れた精神病院のように思えました。
縛られたまま寝てると、ロープで腕から肩に食い込み痛くて、身動きできない恐怖もあり、鎮静剤が切れた後は、あまり眠れなません。
ベッドに縛られたままの医師の診察を受けた後、
ロープをほどくよう看護士に指示してくれました。
ちょっとだけ、恐怖は消えましたが、精神病院です。
これからどうなるんだろうと不安でした。
医師は
「措置入院です。しばらくは病室から外には出られません。」
と告げて、出て行きました。
病室は外から鍵をかけられ、おまるがおいてありました。
措置入院とは「自殺、または他人へ危害をああ得る恐れがあるので、知事の命令で強制的に入院させることができる」というものです。
自分の意思では退院はできないのです。
それでも一週間もすれば退院できると思っていました。