こんばんは、アイです。
選挙明けの週ですね。
アイは投票に行けませんでした。
選挙の結果は事前の予想通りでしたけど、小渕優子さんの
当選が印象的でした。
雨降って地固まるとでもいいますか。支持基盤がより強固に
なったようです。
まあ、ものには限度があります。これ以上の雨が降らないことを
祈っています。
雨でムラが滅びてしまうのは、誰にとっても不幸なことでしょうから。
土曜日。
薬局に電話がかかってきました。
相方からでした。
「赤ちゃんが転んでケガしちゃったんだけど、どうしよう!
血が止まらないんだよ!」
電話口で思わず舌を出すアイ。
めんどーな展開だ。
どうやら、転倒により顔を負傷したようです。
アイは土曜も仕事ですから、家には帰れません。
相方に任せることにしました。
まず予防接種を受けている小児科に行き、紹介状だけ
書いてもらって、某大病院の救急外来に行くように指示しました。
いや、小児科に行かずに直で大病院の救急外来に
行ってもいいんですよ。
どのみち、開業医レベルで外科処置なんてできません。
技術的には可能な先生もいるかもしれませんけど、
そんなことをしていたら1人の患者さんにかかりきりになってしまって、
業務に大幅な支障をきたします。ただでさえ小児科というのは
待たされてイライラしてる患者さんの多い職場ですから。
まあ、まだ小児科が開いている時間帯でしたからね。
紹介状を書いてもらえば、誰にとっても得になります。
小児科は収入になりますし、患者さんも助かる、大病院にとっても
ありがたい。
救急で行く場合は、紹介状なしでも選定療養費を請求されることは
ありません。
しかし、近隣の開業医からの紹介状持参となれば、忙しい
大病院でもむげに扱われる可能性は下がります。
なにより、大病院は紹介状がほしいのです。
大病院は平成24年、26年の診療報酬改定により、紹介率、
逆紹介率が低いと初診料や外来診療料が下げられることに
なってしまいました。
紹介率、逆紹介率とは、要するに開業医から紹介してもらった
患者さんと、逆に開業医に紹介しなおした患者さんの数を数値化した
ものです。その証明が紹介状です。
年末年始の時期になると、大病院は忘年会や新年会に
近隣の開業医を招きます。それはつまり、そういうことなのです。
いつもより早めに薬局を閉め、タクシーを呼んだアイ。
アイが到着したのが、ちょうどいいタイミングだったみたいです。
救急外来の待合室で相方と赤ちゃんが呼ばれるところでした。
診察室に向かいながら、顔についた傷の状態を確認します。
意識もしっかりしてるし、大丈夫そう。当たり所が悪かっただけね。
血は止まったみたいだけど、ちょっと傷口が深いかな。
「どうしました?」
机のパソコンに向って座る医師が、こちらを見もせずに言います。
ケガをした経緯について説明すると、さらに医師から
質問が投げかけられます。
「これまで何か病気をしたことはありますか?」
「アレルギーはありますか?」
「昨日は何を食べましたか?離乳食は食べますか?」
「排便の具合はどうですか?何回ぐらい排便しますか?」
「もう歩きますか?どれくらい歩きますか?」
その後も延々と続く質問。
いつしかアイは黙り、相方だけが答えるようになっていました。
医師は相変わらずこちらを見もせず、ひたすらパソコンに
データを入力する作業に没頭しています。
いいからさっさと処置をやれ(゚皿゚メ)
飽きてきたのか、腕の中で暴れる赤ちゃんを抑えて内心毒づくアイ。
思ったことをすぐ口に出さないくらいには、アイも大人になりました。
電子カルテの弊害でしょうね。便利とはいえ、医師は電子カルテの
データ入力に手間取るようになり、その結果、診察時に患者さんと
向き合わなくなりました。
あんたと話してるのは私たちなんだから、こっちを向けよって
言いたい。さっさと傷口を見て、やるべきことをしろ。昨日リンゴを
食ったことなんてあんたに関係ないでしょう。
「母子手帳出して下さい。」
「はい」
「お薬手帳も出してください。」
「はい」
診察室に入ってたっぷり15分は経過し、ようやく医師が
こちらを向きました。
「では処置をしましょうか。でもその前に傷口の写真を
データに取りこみたいので、ちょっと抑えといてくださいね。」
iphoneをかざした医師を、あやうく蹴りそうになりました。
「ああ、だいぶ傷が深いですね。」
赤ちゃんを診察する医師の顔を見つめるアイ。
若いな。年齢は20~30代前半といったところか。
研修医かもしれないな。
名前はなんていうんだろう、名札つけてないからわからないや。
仮に名前をAとしよう。
A医師は立ち上がると、診察室の奥の通路に入り、
誰かを連れてきました。
40~50代ぐらいの医師でした。A医師から簡単に
状況を説明されると、ずいっと赤ちゃんに近づき、
顔をじっと見つめます。
「縫ったほうがいいね。じゃ、よろしく。」
そう言うと、再び奥の通路へ戻っていきした。
やはり名札はつけてないので、B医師としよう。
おそらく彼は常勤の医師。緊急外来でトラブルが起きないように
スタンバイしている役目。
B医師の指示を受け、A医師が縫合の準備を始めます。
「あのう、縫わなければならないのでしょうか。
女の子なので、できれば顔は・・・」
相方がそう尋ねると、A医師が強い口調で言いました。
「いや、縫ったほうがいいですね。
女の子だからこそ、顔に傷が残らないように絶対に縫ったほうが
いいです!」
絶対と言ったわね、あんた。
違うでしょう。それはB医師が決めたことだから。
上司であるB医師の決定に逆らうのがイヤで、
そう言ってるだけだけでしょう?
A医師は縫合の用意を続けますが、どうもどこに
何があるのかいまいち理解してないようで、探し物をしています。
もたついていると、別の医師が奥の通路から顔を出しました。
女医でした。年齢は30~40代といったところ。AとBの中間の年齢。
「手伝おっか?」
「お願いします。」
女医は診察室に入ってくると、てきぱきと用意を始めました。
即戦力っぽいのが来た。名札は付けてあるけど、
スワロフスキーでデコられ過ぎて逆に名前が読めない。
C医師でいいや。
青い滅菌ドレープとバスタオルが用意され、キシロカインの
綿球が傷口に押し当てられます。イヤがって暴れる赤ちゃんを
抑えつけながら、C医師が言いました。
「これから処置をしますので、すいませんがご家族の方は
外で待っていてください。」
言われた通りに退席するアイたち。
間もなく、ひどい叫び声が聞こえてきました。
「大丈夫かな。側にいなくていいかな。」
おろおろする相方に、肩をすくめるアイ。
「側にいられたら、処置ができないでしょう。」
キシロカインの局麻がどの程度効くかわからないけど、
1歳に満たない赤ちゃんの傷口を縫うなんて、想像しただけでも
しんどそう。
とても親御さんには見せられないような格好で、
抑えつけているに決まっているんだから。
放心状態の赤ちゃんを受け取り、A医師から
今後の予定について話を聞いて、帰ることにしたアイたち。
5日ほどで抜糸のようです。
結局、A医師の名前はわかりませんでした。
5日後は平日だし、きっと別の医師でしょう。
別に名前が知りたいわけではないんですけど、
名札が見えないと、なんとなく気分が悪い。
薬事法改正以来、薬局の薬剤師は名札の着用を法律で
義務付けられ、なにかというと名札と繰り返し指導されます。
だけど、病院の医師たちは名札なんてまともにつけてないじゃない。
薬剤師ばかり何かと注文をつけられるのは、納得がいかないわ。
自宅に帰ると、心配になったのか、アイの母親が
駆けつけてきました。
「昔はね、この子もよくケガしたのよ。」
お茶を飲みながら、昔話を始める母親。
「1歳の誕生日になる前に、蚊取り線香を取り付ける金具が
頭に1センチほど突き刺さったこともあったわ。それと、
扇風機の羽根覆いをどうやったのか自分で取り外して
そこに頭を突っ込んだこともあったっけ。」
知ってる。アイの赤ちゃんの頃の写真は、頭にネットが
被せられているから。あの時ケガした部分には、
いまだに髪が生えない。
まあ、赤ちゃんも自宅に戻って元気を取り戻したし、
良しとしましょう。
様々な事件が起きて、そのたびに結束を強めていくような
家族でありたい。
今日もまた、一つの記念日かしら。
選挙明けの週ですね。
アイは投票に行けませんでした。
選挙の結果は事前の予想通りでしたけど、小渕優子さんの
当選が印象的でした。
雨降って地固まるとでもいいますか。支持基盤がより強固に
なったようです。
まあ、ものには限度があります。これ以上の雨が降らないことを
祈っています。
雨でムラが滅びてしまうのは、誰にとっても不幸なことでしょうから。
土曜日。
薬局に電話がかかってきました。
相方からでした。
「赤ちゃんが転んでケガしちゃったんだけど、どうしよう!
血が止まらないんだよ!」
電話口で思わず舌を出すアイ。
めんどーな展開だ。
どうやら、転倒により顔を負傷したようです。
アイは土曜も仕事ですから、家には帰れません。
相方に任せることにしました。
まず予防接種を受けている小児科に行き、紹介状だけ
書いてもらって、某大病院の救急外来に行くように指示しました。
いや、小児科に行かずに直で大病院の救急外来に
行ってもいいんですよ。
どのみち、開業医レベルで外科処置なんてできません。
技術的には可能な先生もいるかもしれませんけど、
そんなことをしていたら1人の患者さんにかかりきりになってしまって、
業務に大幅な支障をきたします。ただでさえ小児科というのは
待たされてイライラしてる患者さんの多い職場ですから。
まあ、まだ小児科が開いている時間帯でしたからね。
紹介状を書いてもらえば、誰にとっても得になります。
小児科は収入になりますし、患者さんも助かる、大病院にとっても
ありがたい。
救急で行く場合は、紹介状なしでも選定療養費を請求されることは
ありません。
しかし、近隣の開業医からの紹介状持参となれば、忙しい
大病院でもむげに扱われる可能性は下がります。
なにより、大病院は紹介状がほしいのです。
大病院は平成24年、26年の診療報酬改定により、紹介率、
逆紹介率が低いと初診料や外来診療料が下げられることに
なってしまいました。
紹介率、逆紹介率とは、要するに開業医から紹介してもらった
患者さんと、逆に開業医に紹介しなおした患者さんの数を数値化した
ものです。その証明が紹介状です。
年末年始の時期になると、大病院は忘年会や新年会に
近隣の開業医を招きます。それはつまり、そういうことなのです。
いつもより早めに薬局を閉め、タクシーを呼んだアイ。
アイが到着したのが、ちょうどいいタイミングだったみたいです。
救急外来の待合室で相方と赤ちゃんが呼ばれるところでした。
診察室に向かいながら、顔についた傷の状態を確認します。
意識もしっかりしてるし、大丈夫そう。当たり所が悪かっただけね。
血は止まったみたいだけど、ちょっと傷口が深いかな。
「どうしました?」
机のパソコンに向って座る医師が、こちらを見もせずに言います。
ケガをした経緯について説明すると、さらに医師から
質問が投げかけられます。
「これまで何か病気をしたことはありますか?」
「アレルギーはありますか?」
「昨日は何を食べましたか?離乳食は食べますか?」
「排便の具合はどうですか?何回ぐらい排便しますか?」
「もう歩きますか?どれくらい歩きますか?」
その後も延々と続く質問。
いつしかアイは黙り、相方だけが答えるようになっていました。
医師は相変わらずこちらを見もせず、ひたすらパソコンに
データを入力する作業に没頭しています。
いいからさっさと処置をやれ(゚皿゚メ)
飽きてきたのか、腕の中で暴れる赤ちゃんを抑えて内心毒づくアイ。
思ったことをすぐ口に出さないくらいには、アイも大人になりました。
電子カルテの弊害でしょうね。便利とはいえ、医師は電子カルテの
データ入力に手間取るようになり、その結果、診察時に患者さんと
向き合わなくなりました。
あんたと話してるのは私たちなんだから、こっちを向けよって
言いたい。さっさと傷口を見て、やるべきことをしろ。昨日リンゴを
食ったことなんてあんたに関係ないでしょう。
「母子手帳出して下さい。」
「はい」
「お薬手帳も出してください。」
「はい」
診察室に入ってたっぷり15分は経過し、ようやく医師が
こちらを向きました。
「では処置をしましょうか。でもその前に傷口の写真を
データに取りこみたいので、ちょっと抑えといてくださいね。」
iphoneをかざした医師を、あやうく蹴りそうになりました。
「ああ、だいぶ傷が深いですね。」
赤ちゃんを診察する医師の顔を見つめるアイ。
若いな。年齢は20~30代前半といったところか。
研修医かもしれないな。
名前はなんていうんだろう、名札つけてないからわからないや。
仮に名前をAとしよう。
A医師は立ち上がると、診察室の奥の通路に入り、
誰かを連れてきました。
40~50代ぐらいの医師でした。A医師から簡単に
状況を説明されると、ずいっと赤ちゃんに近づき、
顔をじっと見つめます。
「縫ったほうがいいね。じゃ、よろしく。」
そう言うと、再び奥の通路へ戻っていきした。
やはり名札はつけてないので、B医師としよう。
おそらく彼は常勤の医師。緊急外来でトラブルが起きないように
スタンバイしている役目。
B医師の指示を受け、A医師が縫合の準備を始めます。
「あのう、縫わなければならないのでしょうか。
女の子なので、できれば顔は・・・」
相方がそう尋ねると、A医師が強い口調で言いました。
「いや、縫ったほうがいいですね。
女の子だからこそ、顔に傷が残らないように絶対に縫ったほうが
いいです!」
絶対と言ったわね、あんた。
違うでしょう。それはB医師が決めたことだから。
上司であるB医師の決定に逆らうのがイヤで、
そう言ってるだけだけでしょう?
A医師は縫合の用意を続けますが、どうもどこに
何があるのかいまいち理解してないようで、探し物をしています。
もたついていると、別の医師が奥の通路から顔を出しました。
女医でした。年齢は30~40代といったところ。AとBの中間の年齢。
「手伝おっか?」
「お願いします。」
女医は診察室に入ってくると、てきぱきと用意を始めました。
即戦力っぽいのが来た。名札は付けてあるけど、
スワロフスキーでデコられ過ぎて逆に名前が読めない。
C医師でいいや。
青い滅菌ドレープとバスタオルが用意され、キシロカインの
綿球が傷口に押し当てられます。イヤがって暴れる赤ちゃんを
抑えつけながら、C医師が言いました。
「これから処置をしますので、すいませんがご家族の方は
外で待っていてください。」
言われた通りに退席するアイたち。
間もなく、ひどい叫び声が聞こえてきました。
「大丈夫かな。側にいなくていいかな。」
おろおろする相方に、肩をすくめるアイ。
「側にいられたら、処置ができないでしょう。」
キシロカインの局麻がどの程度効くかわからないけど、
1歳に満たない赤ちゃんの傷口を縫うなんて、想像しただけでも
しんどそう。
とても親御さんには見せられないような格好で、
抑えつけているに決まっているんだから。
放心状態の赤ちゃんを受け取り、A医師から
今後の予定について話を聞いて、帰ることにしたアイたち。
5日ほどで抜糸のようです。
結局、A医師の名前はわかりませんでした。
5日後は平日だし、きっと別の医師でしょう。
別に名前が知りたいわけではないんですけど、
名札が見えないと、なんとなく気分が悪い。
薬事法改正以来、薬局の薬剤師は名札の着用を法律で
義務付けられ、なにかというと名札と繰り返し指導されます。
だけど、病院の医師たちは名札なんてまともにつけてないじゃない。
薬剤師ばかり何かと注文をつけられるのは、納得がいかないわ。
自宅に帰ると、心配になったのか、アイの母親が
駆けつけてきました。
「昔はね、この子もよくケガしたのよ。」
お茶を飲みながら、昔話を始める母親。
「1歳の誕生日になる前に、蚊取り線香を取り付ける金具が
頭に1センチほど突き刺さったこともあったわ。それと、
扇風機の羽根覆いをどうやったのか自分で取り外して
そこに頭を突っ込んだこともあったっけ。」
知ってる。アイの赤ちゃんの頃の写真は、頭にネットが
被せられているから。あの時ケガした部分には、
いまだに髪が生えない。
まあ、赤ちゃんも自宅に戻って元気を取り戻したし、
良しとしましょう。
様々な事件が起きて、そのたびに結束を強めていくような
家族でありたい。
今日もまた、一つの記念日かしら。
