磯田道史著「磯田道史と日本史を語ろう」（文春新書刊）を読んだ。
磯田道史氏と言えば歴史学者、歴史小説作家として今や押しも押されぬ有名人。
本書はその氏がいろんな方々と歴史について語る対談集。
例えば阿川佐知子氏、半藤一利氏、堺屋太一氏、浅田次郎氏、養老孟司氏などなど、ジャーナリスト、小説家、学者などそれぞれの専門分野でそうそうたる方々との歴史に対する対談。
日本人の起源はどこからか？から始まりそれぞれの歴史の中での政治的、社会的現象がいろいろ語られていく。
中でも大衆の判官贔屓「義経」を討伐した頼朝の正当性、政治に対する偉大性など、はっきりわかってとても面白かった。
さらに堺屋太一氏等との対談で信長の新規性、進歩性について語られた内容は経済史としても信長は現代にも通ずるすごい人だったんだと認識した。
そして私が特に興味のある新選組や龍馬暗殺の謎についての浅田次郎氏との対談は一般に語られていること以外のそれぞれの「実は」的内輪話みたいなのが有ってとても面白かった。
最後に半藤一利氏の日露戦争以後昭和の敗戦に至るまでの軍部の暴走に関する対談には知らなかったこと、関東大震災以後東京大空襲に至る間のことや自然保護についての養老孟司氏のお話など教えられたことが多々あってとても面白かった。
これから先、時たま取り出しては、読んでみたくなる本だなと思った。
おしまい