桜

　今年は三月末に寒い日や雨の日が続いたせいか桜の開花が遅れた。

　「私たちが子供のころは入学式の頃やっとちらほら咲くぐらいだったのが、今頃はもう散り始めとか葉桜になってることが多いもんね～。」

　「温暖化の影響ですよ。これは。」

　なんていつもお隣の奥様と世間話をするのだけど、昨日夕方お隣の奥様がやってくると

　「今年は開花が遅かった。丁度入学式のころに今年は満開にな

ってくれたよ。」

　と桜の大きな枝を下さった。見事に開花している。

　早速花瓶に生けてみた。

　いや、なかなか豪華だ。　

　この桜、奥様のご実家のお庭の桜。

　ご実家ではご両親も無くなり長い間住む人も無くなっているそうで、それでも残った桜はけなげに毎年満開に咲いてくれる。せめて生け花にでも、と切り枝にして持ってきて下さったのだ。

　あまりにも見事な咲きっぷりに我が家は玄関で花見ができるのです。

　まだ蕾もあるので枝いっぱいに花が開けばもっと見事になると思う。

　ちなみに、この桜を活けた花瓶、昔私が信楽焼を習っていたころに作った作品。

　デザインがちょっと大柄すぎて小さな花には合わなかったのだけどこのぐらいの桜になるとバランスが取れていい。

　

　作っていてよかった、と思ったのでした。

　今年は満開になったとたん雨。

　その雨の日に家の中で花見が出来るなんて幸せだな、と思ったのでした。

　晴れたら近くの神社の桜を見に行こうっと。

　おしまい