先日、新人歯科女医さんに震える手で検診していただいた我が老いたる歯、その時見つかった初期虫歯の治療を今日してもらう。
約束の時間に歯科医院を訪問し、待合いベンチに座ると直ぐ名前を呼ばれた。
そしたら、治療は新先生でなくベテラン先生だった。
少しホッとしたのは偽らざる気持ち。
先生は
「虫歯を削るので、少し痛いかも知れません。」
と言いながら麻酔をして下さった。
その処置中、とりとめもなく谷崎潤一郎の「白日夢」を思い出した。
それはともかく現代は痛みに対してとても気を遣うのだな~。
昔なら「ちょっと痛いけど我慢して下さい。」なんて言われたものだけど、今頃は痛む恐れがあれば直ぐ麻酔をしてから治療に入る。
お陰で例の「ヒューン」の音が始まっても全然痛くない。
とはいうものの治療が終わった頃には、組んでいた掌がガチガチにこっていた。
やはり、無痛でもあの音を聞けば全身に力が入るのだな。
幸い、我慢できない程の痛みは全く感じることなく一時間ほどで処置は終わりホッとして帰ったのでした。
「あ~、疲れた。」
おしまい